ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第5戦 – SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL

開催場所:鈴鹿サーキット

開催日:2024年12月8日(日)

 

2024年最後のSUPER GTは聖地鈴鹿での開催。昨日開催された公式予選と土曜に西高東低の冬型の気圧配置に加え、北西の風が吹き込み、体感的には前日を大きく下回る気温の中、ウォームアップ走行がはじまりました。
ダンロップタイヤ装着勢は持ち前のウォームアップの良さを活かして着実に決勝用セットの確認を行いますが、61号車の右リアタイヤにスローパンクチャーが発生。コースインした井口卓人選手は慎重に走行を行いますが、タイヤが剥離しインナーフェンダーを破損してしまいます。しかし、チームの懸命な作業の結果、時間通りにグリッドにマシンをグリッドへと送り出します。
 
決勝は気温13℃、路面温度19℃と昨日の予選に増して低温でのスタートとなります。いつもより1周多くウォームアップランを終え、隊列を整えたマシンは一気に轟音をとどろかせて300KM先のゴールを目指します。GT500クラスでは持ち前のウォームアップの良さを活かして一気に前との差を詰めますが、この冷めた路面でラインを外してオーバーテイクを仕掛けるほどの速度差はなく、最初にステアリングを託された大草りき選手は順当にレースを進めることを選択します。しかし、中盤からタイヤのグリップダウンが目立ってくると、徐々に順位を落とすことに…。そこでチームはミニマムで大草選手をピットに呼び戻します。スムーズなタイヤ交換を行い、マシンを伊沢拓也選手に任せ、コースへと送り出します。伊沢選手は着実に自分のスティントをこなし13位でフィニッシュ。ランキングも13位となりました。
 
<GT500クラス>
優勝 #36 au TOM’S GR Supra /BS
2位 #17 Astemo CIVIC TYPE R-GT /BS
3位 #12 MARELLI IMPUL Z /BS
13位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
全ての結果はこちら
ttps://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/57183
 

 
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
「結果は13位だったんです、自分のスティントは諦めず、タイヤメーカーで比較したときにBS勢に次ぐ位置にいれたのは良かったと思っています。ランキングもBS勢のすぐ後ろにつけることができました。ピックアップもついたりしたんですが、レースペースは非常に安定していました。自分のパフォーマンスもしっかり出し切れたスティントでした」
大草りき選手
「今回スタートだったんですが、ウォームアップは他社に比べて良いので、そこでしっかり戦えたのは良かったです。ただ、レースペースで走るとタイヤの摩耗とともにグリップが落ちてきてしまいました。これが今度の課題だと思っています。ベストラップでは勝ってるのにトータルのペースでは負けているのは悔しいですよね。今年は1年目ということでわからないことだらけでしたが、ポールポジションも獲らせてもらいいい経験もできました。来年も乗れるなら今年よりも良い1年にしたいですね」
 

 
一方、フロントローからスタートした61号車に期待のかかったGT300クラス。ウォームアップが良いはずのダンロップタイヤでしたが、トップのマシンがそれ以上のペースで後続を一気に突き放しにかかります。9周目にFCYが宣言された時点で2位は61号車、そして777号車が7位まで順位を上げてきました。その後FCYが解除されると、ダンロップ勢もミニマムの周回数で続々とピットへなだれ込みます。96号車、777号車、11号車、そして61号車がピットへ!各車タイヤ交換を終えコースへ復帰。再びFCYが出ると、冷えたタイヤで一気にジャンプアップしたのは11号車の富田竜一郎選手でした。その間にダンロップ勢では777号車が6位へ順位を上げ、ダンロップ勢では最上位まで上り詰めます。この結果、777号車が第3戦富士以降のレースを全て6位以内でフィニッシュ。SUPER GT復帰1年目にしてランキング4位で今季のレースを終えました。
 
<GT300クラス>
優勝 #88 JLOC Lamborghini GT3 /YH

2位 #2 muta Racing GR86 GT /BS
3位 #31 apr LC500h GT /BS
6位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
7位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
8位 #11 GAINER TANAX Z /DUNLOP
9位 #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
14位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT /DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/57186
 

 

#777 D’station Vantage GT3
藤井誠暢選手
「車もタイヤもラウンド3でぶっちぎりで勝ったので、自信を持って臨んだんですが、ブーストがBOPで抑えられているので予選は厳しかったです。ただ、レースになれば十分戦えると思っていました。得意のウォームアップの良さを活かして12番手から6番手まで順位を上げることもできましたし、チャーリーも非常に良い走りをしてくれました。はじめてのシーズンで良いタイヤを供給してくれ、我々のリクエストした性能をきちんと返してくれたおかげでこの順位で終えることができたんだと思います。そういった点も含め、ダンロップタイヤには非常に感謝しています」
チャーリー・ファグ選手
「とてもファンタスティックなシーズンでした。学ぶことも多く、SUPER GTでドライバーをさせてもらえ、しかも参戦1年目で優勝までできたのは驚きです。今回は6位でしたがもっと高いパフォーマンスを見せることができたと思います。ランキングは4位で終えましたが、これは良い結果だと思います。日本でレースをすることができ、いろいろな人たちと関わることができ、特にダンロップの開発陣にはいいタイヤを作ってもらい感謝です」
田中哲也監督
「きょうのレースは予選が厳しい中、決勝はふたりのドライバーが頑張ってくれて、着実に順位を上げてくれました。特に最後の数ラップは全体の中でもトップのタイムで走れていたので、ダンロップタイヤの優位性を示せたのではないでしょうか。今シーズンを振り返ると、いろいろ初めての状況の中、第2戦の富士ではいろいろありましたが、改善と開発を繰り返してくれ、第3戦以降は力強いレースができました。ウェットでもドライでもダンロップタイヤが良いパフォーマンスを発揮してくれたのでこの結果が出せたんだと思います。でも、チャンピオンは獲れていないので、来年はもっと精度を上げてチャンピオンを獲りにいきたいですね」
 

 

ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「GT500クラスは昨日の午前中以降はペースが足りませんでした。作動温度はきちんと適正温度の中に入ってはいたんですが、アウトサイドの摩耗が激しくグリップダウンもありました。もう少し耐久性の高いタイヤを用意する必要もあったと思います。今年は内部の体制も変わり、スペックも大きく変えて進化の見えた年でした。結果にはつながっていないかもしれませんが、しっかりと前に進めているシーズンでした。一方、GT300は777号車のレースペースが非常に良かったです。予選で十分上位に行けなかったのが悔やまれます。6位から9位までダンロップタイヤ装着車両が占めたので、入賞圏内にこれだけ多くの車両を送り込めたのはタイヤのパフォーマンスが良かった結果だと思っています。開幕2戦のタイヤトラブルが非常に悔やまれますが、特に富士の後に原因のフィードバックをすぐに行い、チームの初優勝に貢献できたのは良かったですね。チームとエンジニアの信頼感も高く、互いにリスペクトして取り組めたのが良かったと思います」
 

モータースポーツ部長/斉脇泉
「皆さん1年間応援ありがとうございました。今年は新しい取り組みを行いながらチームのサポートを行ってきましたが、上手くいったこと、いかなかったこともありました。それでもGT300クラスでは優勝もできました。来年につながる結果もたくさん得られたシーズンでした。来年に向け、チーム、ドライバーの皆さんとさらにいいタイヤを作れるように取り組んでいきたいと思います。引き続き、ダンロップタイヤを装着するチーム、ドライバーの応援をよろしくお願いいたします」