SUPER GT 第2戦【予選レポート】
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2022年5月3日
2022年5月3日(火•祝)、静岡県の富士スピードウェイで「AUTOBACS SUPER GT ROUND2 FAV HOTEL FUJI GT 450KM RACE」の公式予選が開催されました。
GT300クラス
GT300クラスでは開幕戦トップ3を独占した勢いをそのままに、公式予選からダンロップタイヤを装着する10号車TANAX GAINER GT-Rを駆る富田竜一郎選手/大草りき選手/塩津佑介選手組が好調ぶりを発揮。Aドライバーの富田選手が「想定していた以上に調子が良くて、公式練習中もスモールアジャストをするくらいでした」と語る通り、トップタイムをマークして公式練習を終えました。一方、開幕戦でポールポジションを奪取した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはFCYテストで一気にタイムを跳ね上げて終了。「今回持ち込んだアップデートパーツが高速域で上手く機能しなくて、結局元に戻したら一気にタイムが上がりました」と振り返るのは山内英輝選手。 そんなGT300の予選はラップタイム更新合戦の様相を呈す激戦となりました。まず予選A組をトップタイムで抜け出したのは96号車のK-tunes RC F GT3をドライブする高木真一選手。続く2番手にもダンロップタイヤを装着する34号車BUSOU raffinee GT-Rの井出有治選手が食い込みます。対して61号車は5番手で通過。B組ではゲイナーの2台が躍進。10号車が4番手、11号車が5番手に。60号車のSyntium LMcorsa GR Supra GTの河野駿佑選手が滑り込みます。そして運命のQ2。Q1担当の井口選手が細かく指示を出し、もう一度フロント周りのアジャストを行った61号車が躍進します。早めにアタックに入った10号車富田竜一郎選手は最終コーナーで気負ってしまいミス。最終セクターだけでコンマ5秒ほど失ってしまうもトップタイムをキープ。しかしこれを塗り替えたのは61号車の山内選手でした。圧巻のアタックで2戦連続のポールポジションを獲得。BOPでストレートスピードが伸び悩むマシンを駆使してのトップタイム更新に会場は大いに盛り上がりました。さらに開幕戦に引き続き、トップ3をダンロップタイヤ装着車が独占。しかも、上位6台中5台がダンロップという快挙をもたらしました。
≪GT300クラス正式結果≫
P.P. #61 SUBARU BRZ R&D SPORT DL
2位 #10 TANAX GAINER GT-R DL
3位 #96 K-tunes RC F GT3 DL
4位 #34 BUSOU raffinee GT-R DL
5位 #65 LEON PYRAMID AMG BS
6位 #11 GAINER TANAX GT-R DL
11位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT DL
19位 #20 シェイドレーシング GR86 GT DL
GT300クラス リザルトはこちら
GT300クラス/ポールポジション SUBARU BRZ R&D SPORT
<井口卓人選手 コメント>
今回は低速と高速の部分をさらに磨きをかけようと持ち込んだんですが、今回試したパーツがあまりフィットしなかったので元に戻したら凄く良くなりました。特にタイヤの性能を良く引き出せるようになりましたね。Q1は自信を持って臨んだんですが、BRZの特性上フロントタイヤに依存するので、もっとフロントがしっかりするよう仕様変更をチームに伝えました。山内選手が見事な走りでポールポジションを獲得してくれて明日はベストな位置からスタートできます。明日はBRZの勝ちパターンである逃げ切りで大差をつけて勝ちたいですね。正直BOPが効いていてストレートでは厳しい戦いですが勝ち抜きたいですね。
<山内英輝選手 コメント>
Q1を終えた井口選手から出された変更のメニューの多さにちょっとびっくりしましたが、走り出してみて凄いはまっていて驚きました。アタックを1周遅らせたのも良かったと思います。そしてなにより新構造のタイヤがめちゃくちゃ良かったですね。明日のレースも楽しみです。井口選手も言っている通りストレートの加速でGT3勢に負けているので苦しい戦いになると思います。周りがどんな戦略をとってくるのかもわかりませんが、僕たちのスタンスで、しっかりチームを信じて戦いたいと思います。
GT500クラス
GT500クラスは日中に比べどんどん下がっていく気温と路面温度に苦しむ展開に。公式練習でもタイヤの作動温度までタイヤを温めるのに苦労する2台。構造が新しくなり、路面により効率よく接地するようになった新型タイヤは、その分面圧が下がってしまいタイヤが発動するまでに時間がかかる問題が発生してしまいました。16号車のRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの田中監督は「予選で無理をするよりも、明日の方が気温は上がるのだから決勝を見据えたタイヤ選択をして予選に挑みました」と予選を振り返ります。結果、16号車、64号車ともQ1通過はできませんでしたが、明日の決勝でひとつでも順位をあげるための布石としてこの予選を終えました。
≪GT500クラス正式結果≫
P.P. #19 WedsSport ADVAN GR Supra YH
2位 #24 リアライズコーポレーション ADVAN Z YH
3位 #3 CRAFTSPORTS MOTUL Z MI
4位 #37 KeePer TOM’S GR Supra BS
5位 #8 ARTA NSX-GT BS
6位 #38 ZENT CERUMO GR Supra BS
12位 #16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT DL
13位 #64 Modulo NSX-GT DL
GT500クラス リザルトはこちら
GT500クラス/12位 #16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
<笹原右京選手 コメント>
今日は寒すぎましたね。タイヤが発動するところまで温度が上がらなかったのが全てですね。タイヤがきちんと発動したらどうなるのかが明日は楽しみですね。決勝は450KMあるので、チームでもいろいろ作戦を考えてくれています。きちんと完走してポイントをとりたいですね。
<大湯都史樹選手 コメント>
公式練習は岡山からのスパンも短いので新しい弾は入れらなかったんですが、その中でいろいろしてきました。練習ではタイヤが発熱しなくて厳しい状況に陥ってしまったので、予選のタイムを取りに行くのではなく、決勝を見据えてタイヤを選択しました。岡山でもそれなりに安定したタイムを出せていたので、明日の決勝に向けてはやれることをしっかりやれていると思うので、きちんと完走してポイントを持ち帰りたいと思います。
ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
GT500クラスは前回も持ち込んだ新構造のタイヤに実績のあるゴムを乗せたものを持ち込んだのですが、気温が予想よりも上がらなった上に、予選ではさらに路面温度も下がってしまい厳しい結果となりました。新構造で接地面が広くなった分、タイヤが発熱しずらくなってしまいました。チームは温度を上げるための施策をお願いしたのですが、それをもってしてもはタイヤが発動するところまで持っていくことができませんでした。 一方、GT300クラスは従来型よりもタイヤの発熱に少し時間はかかるものの、構造変更により剛性を高めたタイヤが上手く機能しました。ロングのテストでも高いグリップを岡山よりも長く保てると各チームからも手応えのある回答を頂いています。岡山では順位こそ落としてしまったもののペースは決して悪くありませんでした。今回の富士は岡山でできなかった表彰台独占を目指して各チームとともに準備したいと思います。