【予選レポート】SUPER GT 第3戦 – SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025
開催場所:セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)
開催日:2025年6月27日(金)

第2戦 富士から約2ヶ月。12年ぶりの開催となったマレーシア・セパン・インターナショナル・サーキットでの第3戦。ほぼ赤道直下に位置し、6月の平均最高温度が30℃を超えるマレーシア。灼熱の大会となることは必至です。レースフォーマットは300㎞、スタートは夕方からのトワイライトレースとなっています。GT500クラスではタイヤテストが毎年行われていますが、GT300クラスのドライバーには初めての走行となる選手も多く木曜から2回に渡って公式練習が行われました。
そして迎えた金曜公式予選。「ここセパン・インターナショナル・サーキットはもてぎに似たようなスムースな路面かつ、高温になるので、グリップ性能とロング性能の両立が重要なサーキットです。路面温度とそこから生じる路面コンディションの変化によるピックアップが急に出たりと、安定して性能を発揮するのが難しいコースですね」と語るのはダンロップタイヤSUPER GTタイヤ開発を担当する佐藤洋平。
そして現地時間16:30から始まった公式予選。通常のノックアウト予選が採用。GT500クラスQ1を担当したのは大草りき選手。次々とコースインしていくマシンに対し、64号車は残り6分を切ってもマシンで息を潜めます。5分30秒を過ぎたところで100号車に続いてコースインした64号車。そんな大草選手はチェッカーを受ける最後の最後で従来のコースレコードを大きく上回るタイムを記録し2番手に飛び込みます。しかし、後続の車両に抜かれてしまい3番手でQ1を通過しました。
そんな大草選手からマシンを託された伊沢拓也選手のQ2。しかし、Q2はいきなりのエンジンブローによる車両火災で赤旗中断。不穏な空気がサーキットを包み込みます。予選は残り7分40秒から再開。しかし、64号車は残り6分10秒のところでコースインします。タイヤの温まりの早いダンロップ。残り2分を切ったところからタイムアタックがはじまります。64号車の伊沢選手はターゲットタイムを記録します。さらにアタックを続ける伊沢選手。1分50秒388を記録し大きくコースレコードをさらに更新します。しかし、後続のマシンに抜かれてしまい3番手で公式予選を終えました。
≪GT500クラス≫
P.P. #19 WedsSport ADVAN GR Supra /YH
2位 #8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT /BS
3位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/59958

#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
「昨日と今日、自分自身は全然タイムが出せない状態で、Q1は大草選手にお願いしました。しかし、オフのテストでは散々走っているのでマシンとタイヤを信じて走り切った結果、良かったです。きちんと自分の力は発揮できたと思います。公式練習のベストタイムからは4秒も上がっているので正直何が起こっているかも把握できていません。ロングはまだつかみ切れていないところがありますが、しっかりと表彰台までマシンを持っていきたいと思います」
大草りき選手
「公式練習の走り出しからコンディションに振り回されてしまいました。ただ、占有走行ではタイムだけは出ていてフィーリングが追いついていない状況でした。ですが、きょうの予選に向けてチームで話し合ったセットアップが非常に決まってくれてこの結果が出せました。ロングランは正直まだ分からないのですが、周りも苦労しているのでチャンスだと思っています。明日は優勝目指して頑張ります」

GT300クラスは予選Q1A組に45号車・60号車・61号車の3台が振り分けられました。序盤からリスク回避を考えて先にタイムを出しに行ったのは45号車のPONOS FERRARI 296 ケイ・コッツォリーノ選手。早々にQ1通過を決定します。そして61号車SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人選手が最後の最後でカットラインをクリアしてQ1を通過させます。続くB組は96号車・333号車・777号車の3台が出走。777号車D’station Vantage GT3 チャーリー・ファグ選手が5番手で辛くもQ1を通過します。この結果、Q2に進出したのは45号車・61号車・777号車の3台となりました。
そしてグリッドを決定するQ2。続々とタイヤのウォームアップのためにコースインするマシンたち。ダンロップタイヤ装着マシンたちも予選開始とともにコースへ走り出します。タイムアタックがはじまったのは残り2分を切ったあたりから。777号車と45号車がタイムメイクに苦しむ中、タイムを上げてきたのは61号車の山内英輝選手でした。一時は2番手まで順位を上げるも、最終ラップ、セクター1、セクター2と自己ベストを記録するも最終ラップはアタックを止めてしまい。5番手が確定しました。
≪GT300クラス≫
P.P. # 18 UPGARAGE AMG GT3 /YH
2位 # 52 Green Brave GR Supra GT /BS
3位 # 0 VENTENY Lamborghini GT3 /YH
5位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
7位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
16位 #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
17位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT /DUNLOP
18位 #333 EBM Vantage GT3 /DUNLOP
#45 PONOS FERRARI 296 /DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/59967
#61 SUBARU BRZ R&D SPORT
井口卓人選手
「公式練習で硬めのタイヤを履かせてもらって感覚も良く、自信があったんですが、ソフトを履いたらタイヤの温め方などで困惑してしまいタイムを出しに行くのが遅れてしまいました。なんとか最後のラップでQ1を通過できて山内選手につなげることができたのは良かったです」
山内英輝選手
「マレーシア特有の路面が悪い中でここまで持ってこれたのは良かったと思います。GT500が走ってどれだけラバーが乗るか悩んでいたんですが、それでも前向きに考えています。決勝への方向性は見えてきているものがあるので、富士のようないいレースができるよう頑張りたいですね。明日は頑張ります」

最後にダンロップタイヤSUPER GT500クラスタイヤ開発担当の佐藤は公式予選を振り返り、
「予選まではテストとは異なる路面コンディションに翻弄されていて、確実にタイムが出せるという状況ではなかったので、不安もありましたが、久しぶりにスリックの予選で上位を獲得でき非常に嬉しいです。最終的にタイヤ性能を引き出してくれた中嶋レーシングの皆さんに感謝しています。練習走行はどちらもショートセット、FCY、サファリでロングの確認を行いました。温まりに関してはテスト結果からの予測通りなので、明日のスタートでも強みになると思います。もちろん今大会に持ち込んだタイヤもワイドレンジかつロングライフの仕様。明日の決勝でも路面のコンディションが変化し、ひと筋縄ではいかないレースになるとおもいますが、温まりの良さを活かしつつ粘り強く上位を狙っていきたいと思います。」とコメント。
さらにGT300クラスを担当する大小瀬求は「ちょっと厳しい予選になってしまいました。持ち込んだゴムが機能しなかった部分は否めません。ただ、その中でも、目まぐるしく変わる路面の中で61号車が上位に食い込んでくれたのは良かったです。GT3勢は燃料リストリクターがかなり絞られていることもあり、厳しい大会になると予想していましたが、想像通りの結果になってしまいました。しかし、明日の決勝は展開も難しいセパン・インターナショナル・サーキット。しっかりと生き残ってひとつでも上位でフィニッシュできるよう各チームをサポートしていきたいと思います」とコメントを残してくれた。
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