ダンロップモータースポーツ

SUPER GT 第6戦 決勝【レポート】スポーツランドSUGO

開催場所:スポーツランドSUGO

開催日:2023年9月17日(日)

 
今シーズンは全8戦で全国を転戦しているSUPER GT。本大会を含め残り3戦。次戦からはポイントを積み重ねるに比例して搭載されるサクセスウェイトが半減するため、重量の軽いチームはここでどうにかポイントを稼ぎたいと必死です。
 
<GT500クラス>

GT500クラスで唯一ダンロップタイヤを装着するModulo NSX-GT。前日の予選では奮わず、最後尾からのスタート。前日に発生した課題を検証するため、レース前に用意された20分間のウォームアップランの時間を使い、チームとダンロップは現在手持ちのアイテムで考えられる打開策を試します。
 
第1スティントを担当する伊沢拓也選手は昨日の予選で使用したタイヤでスターティンググリッドへと並びます。スタートすると前をしっかり狙える位置でレースを展開。しかし無線からは「ピックアップ!」という悲痛の叫び。路面温度が上がりすぎ、タイヤがオーバーヒート気味な状態が原因でした。その後、31周目に早めのピットインを選択。これが功を奏し、39周目に起こった赤旗中断のトラブルで大きく順位を上げることに成功します。
 
第2スティントを担当した太田格之進選手もコースインした直後、無線でピックアップの症状を訴えてきましたが、レース再開後はピックアップこそ付着するものの、周囲と変わらないタイムを維持し前を伺います。しかし、その後順位を回復することはできず11位でフィニッシュ。ポイント獲得には至りませんでした。
 
 
≪GT500クラス リザルト≫
優勝 #8 ARTA MUGEN NSX-GT/BS
2位 #23 MOTUL AUTECH Z/MI
3位 #39 DENSO KOBELCO SARD Supra/BS
11位 #64 Modulo NSX-GT/DUNLOP
 

 

GT500クラス 11位
#64 Modulo NSX-GT
伊沢拓也選手
「予選から厳しい戦いではありましたが、決勝の太田選手のスティントだけみれば、コンディションさえ合えば、しっかりとしたペースで走れることは確認できています。残り2戦となってしまいましたが、次のオートポリスでは新しいアイテムを投入しようと考えています。その次のもてぎも含め、ダンロップさんと共に開発を進め、ひとつでも上の順位で終われるよう頑張ります」
 
太田格之進選手
「途中で大きなクラッシュもあったんですが、それでも無事に最後までレースできたのは良かったと思っています。僕のスティントに関しては想定していたよりもずっと良いレースができました。前にもしっかりプレッシャーを与えることもできました。僕らの課題として、予選を狙うと決勝が厳しくなるなど、合わせこみが難しい部分があるんですが、残り2戦でまたひとつ進化できればと思っています。オートポリスはそんな課題をしっかりクリアできるレースにしたいですね」
 

 
<GT300クラス>

予選トップ3を独占したダンロップタイヤ勢でしたが、スタートこそ良かったものの、徐々に恐れていた摩耗が各車を襲います。スタートしてすぐに61号車のリアタイヤが悲鳴を上げます。テールスライドしながらも、なんとか後続を抑える井口卓人選手。その間に前を行く96号車と20号車は快調に逃げを図ります。しかし、次にタイヤのグリップダウンを告げたのはトップをひた走る96号車でした。26周目に早めのピットインを行うも、交換したタイヤが想定していた温度域と合わず苦しい戦いに…。そんな中、しっかりとペースを維持したのは20号車でした。32周目にピットインすると37周目に赤旗が提示。着実にペースを刻み3番手でゴール。再車検でトップでゴールした車両が最低地上高違反で失格となったため2位に繰り上がりました。
 

 

≪GT300クラス リザルト≫
優勝 #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS
2位 #20 シェイドレーシング GR86 GT/DUNLOP
3位 #6 DOBOT Audi R8 LMS/YH
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT/DUNLOP
8位 #96 K-tunes RC F GT3/DUNLOP
9位 #10 PONOS GAINER GT-R/DUNLOP
12位 #11 GAINER TANAX GT-R/DUNLOP
21位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT/DUNLOP
 
 
GT300クラス 3位
#20 シェイドレーシング GR86 GT
平中克幸選手
「昨日の予選、英志郎がしっかりきめてくれたのはとても良かったですね。ただ、僕らが目指してるのは優勝ですが、それでも『新しいチーム』『新しい車』でステップを踏んでいるので、この入賞は非常にチームにとっても大きなものだと思っています。僕自身、今週走り出しから『これはいけるな!』と思っていたので、そういうこともはじめてだったので、ダンロップさんとチームがやっとマッチしはじめたんだと思います。次はもうひとつ上を目指して頑張ります」
 
清水英志郎選手
「僕らのいままでのリザルトを振り返ると、2位という結果はとても喜ばしいと思っています。特にここまで車とタイヤの組み合わせで苦労してきた部分が、今回やっと良くなったという感じです。ダンロップさんと何度もミーティングを重ねてきた結果だと思います。特に今回のタイヤに関しては凄く良かったですね。いつもなら後半フラフラになることころを、想定していたピットタイミングまでしっかり引っ張れました。前を走っていた96号車が後半タレてきたときでも、僕らのタイヤはしっかりしていました。次はもう優勝しかないと思っています」
 

 
そんな両レースを受け、タイヤ開発責任者の安田は今回のレースをこう締めくくりました。
 
ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「今回は持ち込みの時点からコンディションとサーキット特性にしっかり合わせこみできなかったと反省しています。GT500クラスに関しては、決勝でひとつでも順位を上げるためにウォームアップからいまの持ち込みタイヤでできるセットアップを工夫して合わせこみを図りました。第1スティントに関してはタイヤがオーバーヒート気味になってしまったため摩耗が進行してしまいましたが、第スティントになると温度が下がり一番気にしていた摩耗も問題なく走ることができました。GT300でもタイヤを合わせることができませんでした。発動領域が想定していたものと異なっていたり、摩耗も厳しい状況でした。次戦、オートポリスでは最終戦で投入予定だったピークパフォーマンスを上げるアイテムを前倒し投入する予定です。昨年は厳しい結果でしたが、今年はしっかりと表彰台を狙える走りをしたいと思います」