ダンロップモータースポーツ

SUPER GT 第7戦 決勝【レポート】オートポリス

開催場所:オートポリス

開催日:2023年10月15日(日)

 

SUPER GTシリーズもここオートポリス大会を含め残り2戦。シリーズタイトル争いも佳境を迎え、さらに張り詰めた空気感がサーキットを包みます。今大会からサクセスウェイトが半減。ここまで重量に悩まれてきた上位チームにとって、タイトル争いのカギを握る大会でもあります。13,500名もの観客を迎え、タイヤにもドライバーにも厳しいハードなオートポリスでの熱いバトルが繰り広げられました。
 
≪GT500クラス≫
事前に行われたモビリティリゾートもてぎで行われたタイヤテストを下に、新しいコンセプトの配合で作られたタイヤを投入したダンロップ。タッグを組む中嶋レーシングもこのタイヤに期待してレースはスタートしました。予選で使ったスペシャルタイヤは耐摩耗性に難があるために当初からミニマムでのタイヤ交換を想定。10周目にピットインをしバックアット(ハード側)のタイヤで再度コースへとマシンを送ります。ファーストスティントを担当した伊沢拓也選手はスピードを取り戻し、トップと遜色ないタイムを叩き出します。太田格之進選手もウォームアップに苦しんだものの、予選では見えなかったタイムを次々と更新。次につながる走りとなりました。

 

 
≪GT500クラス リザルト≫
優勝 #36 au TOM’S GR Supra / BS
2位 #16 ARTA MUGEN NSX-GT / BS
3位 #3 Niterra MOTUL Z / MI
11位 #64 Modulo NSX-GT / DUNLOP
GT500クラス 11位
#64 Modulo NSX-GT
伊沢拓也選手
「昨日、予選で使ったタイヤでは厳しいと思っていたので、早めにピットでタイヤ交換を行ってバックアップのハード側で走りました。途中、とてもフィーリングもグリップが良くペースも良かったのではないかと思っています。ただ、ピックアップに悩まされてしまったのが残念です。ある程度戦える力はありました。最終戦のもてぎ用のタイヤとは異なる選択が良かったのでどうするか悩ましいところですね。最終戦もしっかり戦っていきたいと思います」
太田格之進選手
「とにかくウォームアップに苦しんだレースでした。ひとつ前の車はピットアウトのときに35秒差だったのが14秒まで縮めることができたので、ペースとしては悪くなかったと思います。ウォームアップで使ってしまったタイムがそのまま残ってしまった感じですね。ピットアウトから1周戻ってくるまでのグリップがとにかくダメでした。もてぎまであまり時間はありませんが、テストの精度を良くして最終戦に臨みたいと思います」
 

 
<GT300クラス>

フロントローからのスタートに期待のかかった61号車でしたが、レースではタイヤの温まりに苦しみ序盤から順位を落としてしまいます。山内英輝選手の懸命な走りも実らず4位でフィニッシュ。決勝の追い上げに期待のかかった96号車も他車との接触によりリタイヤ。着実にレースを進めたゲイナーの2台が順位を上げ、ポイント獲得圏内まで巻き返すも、ダンロップタイヤ装着車両にとってはとても厳しいレースとなりました。
 

 

≪GT300クラス リザルト≫
優勝 #52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT / BS
2位 #2 muta Racing GR86 GT / BS
3位 #31 apr LC500h GT / BS
4位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT / DUNLOP
9位 #11 GAINER TANAX GT-R / DUNLOP
10位 #10 PONOS GAINER GT-R / DUNLOP
13位 #20 シェイドレーシング GR86 GT / DUNLOP
20位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT / DUNLOP
DNF #96 K-tunes RC F GT3 / DUNLOP
 
GT300クラス 4位
#61 SUBARU BRZ R&D SPORT
井口卓人選手
「悔しさしかないです。3位に上がれる状況が見えている中で、抜ききる力がなくて、抜けないまま終わるレースになってしまいました。正直、この気温の低さで最悪のケースになるかと思われたんですが、なんとか昨日使ったソフト側のタイヤで3スティントつなぐことができたのが救いでした。山内選手も昨日のタイヤで力強い走りをしてくれました。チームもマシンもダンロップタイヤさんも凄く進化していて、本当に後は最後の決勝の強さだけ…もてぎは勝って終わりたいと思います」
 
山内英輝選手
「………。チャンピオン争いから脱落というところが、情けなくて、悔しくて、しょうがないですね。最初のスティントで使った予選のタイヤは予想以上に持ってくれて、僕らにとっては好材料だったんですが、前を行くBS勢の速さには届きませんでした。チームも凄くフォローしてくれ、走行直前にバネレートの変更などにも対応してくれるなど、良い仕事をしてくれました。最終戦はとにかく勝ちにこだわり、新しい強さを出せるよう頑張りたいと思います」
 

 
そんな両レースを受け、タイヤ開発責任者の安田は今回のレースをこう締めくくりました。
 
ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「全体的に事前に想定していた路面温度から大きく下回ってしまいました。GT500クラスではバックアップのハード側のタイヤが良かったんです。事前からウォームアップの悪さは懸念があったんですが、実際にその症状が現れてしまいました。前日に悩まされたフロントタイヤの痛みの激しさがまだ残っていたので、フロント剛性を下げてもらうなどチームに協力してもらいました。もてぎはこのままだとバランスが悪くなる可能性があるので、チームとしっかり協議して準備しなくてはいけないと思っています。またGT300クラスも低めの温度に悩まされてしまいました。しっかりとサポートできなかったことが悔やまれます。チャンピオン争いからは脱落してしまいましたが有終の美を飾るべく最終戦はしっかり戦えるタイヤを用意してチームをサポートしていきたいと思います」