ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第8戦 – MOTEGI GT 300km RACE

開催場所:モビリティリゾートもてぎ

開催日:2024年11月3日(日)

 
昨日の予選のヘビーウェットから一転、秋晴れの中、完全ドライ路面での決勝開催となりました。スタート進行前に行われるウォームアップ走行では、64号車の大草選手が2番手タイムを記録。ドライ路面でも好調していることを示しました。

そして運命の決勝。路面温度は31℃。場所によっては40℃に迫る季節外れの温度となってしまいます。ウォームアップ走行でGT300の車両をパスする際にレコードラインを外すとピックアップが付きやすくなってしまう問題が発生。この対策のため、チームは車高調整を行いスタートドライバーの伊沢拓也選手を送り出します。伊沢選手はスタートから熱の入ったタイヤで2番手の8号車に差をつけます。3周目には本大会のファステストラップを記録。最大1.7秒まで引き離します。しかし、7周目にFCYが告げられると、FCY解除の瞬間、2番手の8号車が強引にアウトから被せて抜きにかかります。5コーナー立ち上がりで両者は接触。64号車は左フロントにダメージを負ってしまいます。そのタイミングでピックアップが発生。思い描いたようなラインで走れない決勝では想定していたようなタイヤと路面の接地を得ることができずピックアップも外れず、著しくタイムを落としてしまいます。伊沢選手はここから防戦の走りに。4位まで順位を落とし23周目にピットイン。大草りき選手にドライバー交代を行うも、ピット作業でのミスもありさらに順位を下げてしまいます。その後、大草選手のスティントになってもグリップは改善することなくレースは厳しい状況に。結果、64号車は10位でフィニッシュ。ポイントを獲得することはできましたが、ポールポジションスタートだったにも関わらずこの順位となってしまいました。
 
≪GT500クラス≫
優勝 #36 au TOM’S GR Supra /BS
2位 #8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT /BS
3位 #38 KeePer CERUMO GR Supra /BS
10位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
「僕のスティントも厳しかったのと、ピット作業でもトラブルがあって大草選手に代わる時も大きく順位を落としてしまいました。ペース的には正直しんどいとこがあったので、良い瞬間もあったんですがそれを長続きさせることができなかったのが残念です。FCYはタイミング的に8号車に抜かれてしまいましたが、次のFCYで抜き返したので…。まぁ、全く新しいタイヤを持ち込んでチャレンジした結果なので、これを次につなげたいと思います。最終戦の鈴鹿はいままでにない気温でのレースになると思いますので、もう一度気を引き締めて頑張りたいと思います」
大草りき選手
「途中のペースもずっと厳しいところがあったので、コースに戻ったときに上位にいたとしても難しかったと思います。他社に比べてもう少しレベルアップしなくてはいけないところはまだあると思います。特に路面変化に対応できるタイヤを作っていかないといけないですね。タレる原因もいろいろあるんですが、300と絡んだときのタイムの落ちが特に厳しいですね。次の最終戦は寒い時期の鈴鹿なので、いろいろ計画を立てて臨みたいと思います」
 

 
一方、GT300は11号車が早々に電気系トラブルで失火。61号車と777号車が中盤から6位争いを演じます。しかし、61号車にトラブルが発生。前戦APに続き、またもブレーキトラブルに襲われてしまいます。この結果、もてぎを苦手としている777号車が6位に浮上。チャンピオンシップ争いから退いてしまうこととなりました。
 
≪GT300クラス≫

 
優勝 #88 JLOC Lamborghini GT3 /YH
2位 #65 LEON PYRAMID AMG /BS
3位 #18 UPGARAGE NSX GT3 /YH 
6位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
12位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT DUNLOP
14位 #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
23位 #11 GAINER TANAX Z /DUNLOP
DNF #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/56632
 

 

#777 D’station Vantage GT3
藤井誠暢選手
「タイヤ的にはウェットも雨量によって非常に良いパフォーマンスを発揮してくれることが確認できました。僕のスティントは柔らかめのタイヤで行ったらタレが早く、少し早めにピットインしました。チャーリー選手はハード側のタイヤで出て行ったこともあり良いペースが作れたと思っています。車両的にストップ&ゴーが苦手なので、ポイントを獲れれば十分と思っていたのですが、6位までこれたのはとても良かったのではないでしょうか。次の鈴鹿はアストンマーティンが得意とする中高速コーナーが続くサーキット。次は狙っていきたいですね」
田中哲也スーパーバイザー
「きょうはこの車にとってももてぎは得意なサーキットでない中、6位になれたのは上出来だと思います。タイヤに関しても大きくグリップダウンすることはなく、他メーカーに負けているところもなく、後半スティントでは高いアベレージで走れたのも良かったです。チーム、ドライバー、タイヤメーカー全てがかみ合ってなんとか6位で凌げたのは大きいですね。次の鈴鹿にもつながる内容も多かったですね。チャンピオンの可能性はなくなりましたが、前回優勝しているサーキットなので良いポテンシャルで走って優勝してシーズンを締めくくりたいです」
 

 

ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「64号車に関してはウォームアップのときからすでに想定温度よりは高かったんですが、今年のタイヤは高温側に外して機能するタイヤを用意してきたので温度に関しては大きく問題があったとは思っていません。ウォームアップのときにタイヤの接地があまり良くなかったので相談させて頂き、セット変更をお願いしました。しかし、レースになっても良い接地は得られていなかったのかもしれません。タイヤは激しい摩耗ではなかったんですが、数年前に起こっていたことと同じ現象が起こってしまったことが残念です。今回はワンスペックに絞ってタイヤを持ち込んだのですが、タイヤ選択に悩むことなくレースに集中できたのは良かったと思っています。レースは雨量があれば有利だと思っていたんですが、雨量は少なくなってもゴムで調整できれば十分戦えることが確認できたのは大きかったと思っています。次こそは勝ちたいと思います。またGT300クラスは苦手とする777号車が6位に入ってくれたのは嬉しかったです。SUGOで使っていたものとは違うタイヤを用意したのですが、新しいトライもでき、データを得ることもできました。おかれている状況の中でベストなサポートができたと思っています。最終戦鈴鹿も全てのダンロップタイヤ装着車両にしっかりとサポートを行っていきたいと思います」