本日、2022年4月17日。岡山国際サーキット(岡山県美作市)でSuperGTの決勝レースが開催されました。GT500クラスに参戦する#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTと #64 Modulo NSX-GTという2台のNSX-GTがダンロップタイヤを装着して今年もSuperGTに挑みます。
昨日の予選はNSX-GT勢にとってもダンロップ勢にとっても非常に厳しい内容。16号車はマシントラブルでタイムを残せず、64号車も予選Q1敗退。しかし、決勝は後方からポイント獲得圏内の10位以内を目指します。
14時のスタートでまず先陣を切ったのは64号車。柔らかめのタイヤを選択した64号車は伊沢拓也選手がドライブ。前を行く8号車の背後にピタリとマシンを付けプレッシャーをかけ続けます。タイムでは若干上回るものの、前の乱気流を受け続ける状態では前に出ることも叶いません。膠着状態のままレースは進みます。周回が進むとGT300クラスのマシンがバックマーカーとして現れるように。するとダストの多いラインを通ってこれをパス。タイヤには否が応でもピックアップが付いていきます。そして64号車は30周目にピットイン。素早い作業で順位を巻き返すも、第2スティントを任された大津弘樹選手はペースを上手く保てません。「普通に走っていてもピックアップを拾ってしまうのと、FCYでまたピックアップが付いてしまいタイムの上げ下げが大きくなってしまいました」という大津選手。15位まで順位を落としてレースを終えました。
一方、最後尾スタートとなった16号車。硬めのコンパウンドを選択し、最初からロングスティントで順位を回復する作戦をとります。「ミニマムで入ってきそうなチームがいくつかあったので、他がやってこないことをやって勝負をかけるしかないですからね」とは16号車のエンジニア杉崎公俊氏。スタートから着実にペースを作る大湯都史樹選手。ピット作業を最大限引っ張る作戦をとっていることもあり、無理にペースを上げずに後方から虎視眈々とトップ10を目指します。順位が動き始めたのは22周を過ぎ、ピットインする車両が現れてから。スティント後半にも22秒台をマークする大湯選手。見えないライバルとの距離に一人で戦います。そんな大湯選手がピットに入ったのは52周目。笹原右京選手へステアリングを託します。なるべくペースを落とさないようにとペースを作る笹原選手。チームのピット作業にも助けられ12番手まで順位を回復します。笹原選手はこの順位を守り切り3つポジションを上げての12位でフィニッシュしました。
≪ GT500クラス正式結果 ≫
優勝 #14 ENEOS X PRIME GR Supra BS
2位 #100 STANLEY NSX-GT BS
3位 #23 MOTUL AUTECH Z MI
4位 #38 ZENT CERUMO GR Supra BS
5位 #3 CRAFTSPORTS MOTUL Z MI
6位 #36 au TOM’S GR Supra BS
12位 #16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT DL
15位 #64 Modulo NSX-GT DL
笹原右京選手
「ウォームアップからちょっと厳しい戦いになりそうかなと感じました。バランスは良かったので微調整して決勝に臨みました。ベストラップをずっとキープするのは厳しいので、いかにタイムを落とさないで走り切るかを考えました。ファーストスティントの大湯選手が最後までひっぱるのは当初の予定通りだったので、想定通りのペースでタイムの落ち幅も少なく頑張ってくれたことに感謝しています。僕もタイムの落ち幅も少なく走り切ることができました。次の富士はサクセスウェイトもないので、ポールポジション獲りたいですね」
大湯都史樹選手
「僕らは昨日の予選を走れていないので、ウォームアップはタイヤの皮むきやセカンドスティントに向けたタイヤのフィーリングのチェックを行いました。昨日はブレーキングのパフォーマンスが低かったので、そこを改善してレースに臨みました。タイヤのピークグリップが足りず、上位に食い込めるほどのパフォーマンスを発揮できませんでした。ただタイヤのライフはとても安定していました。今回はタイヤのゴムに課題を抱えてしまったので、その問題をいかに克服して次戦に挑めるかが重要だと思っています。次も頑張ります」
ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「GT500クラスは後ろからスタートだったので非常に厳しい状態でした。ピークグリップの落ち込みは悪くなく、ハード側のタイヤでスタートした16号車はスティントの後半でも悪くないタイムをマークできたのは良かった点ですね。もう少しゴムのスペックを変えて全体的なペースを上げることができればと思っています。一方、64号車はソフトで走りはじめたんですが、それでも今回持ち込んだ新構造のおかげでグリップの落ち込みが昨年のように酷くはなかったのが分かりました。しかし、ピークグリップが足りなかったのは事実です。次戦に向けて新しいゴムの導入と構造のチューンナップを施して持ち込みたいと思います」
次戦は5月3-4日に富士スピードウェイ(静岡県)で開催されます。引き続きダンロップタイヤ装着車両へ熱い応援よろしくお願いいたします。
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