ダンロップが空気入りタイヤを実用化して130周年となった今年、DIREZZA CHALLENGE(以下DZC)の開催は13年目を迎えた。今年は、サーキット未経験の初心者からタイムアタッカーまでが楽しめるレッスン型走行会 DIREZZA DAY という企画をスタート。北は福島県のLINKサーキット、西はTSタカタサーキットという全国規模で5回開催。その代わりと言ってはなんだが、DZCは一発勝負という新しい試み。
勝負が行われたのは、10月7日、美浜サーキット。台風の影響が心配されたが、当日は見事な秋晴れのパドックに62台が集まった。
競技方式はDZCお馴染みの変則ノックアウト方式。伊勢湾の向こう岸にある鈴鹿サーキットではこの日、F1日本GPが開催されていたが、F1GPのノックアウト方式は、Q1、Q2と容赦なくタイムの遅いマシンを切っていく。しかし、DZCでは、セッション1で上位のマシンをセッション3へシード。シード選手を省くドライバーでセッション2を走り、上位がセッション3へ進出。セッション3で勝負が決まる! 下位の選手でも2回はアタック出来る方式。トップを狙う選手の中には、セッション1のシード枠に入らず、セッション2からの勝ち上がりを狙う作戦を採るなど、それぞれの戦い方が出来る面白さがあるDZC自慢の競技方法だ。
クラス1の参加台数は、募集枠 + 2台の18台。車種の内訳は、シビックタイプR(FD2、EP3、EK9)が7台、インテグラタイプR(DC5、DC2)が3台、そしてEF8型CR-XにBB4型プレリュードとV-TEC勢が12台と相変わらず幅を利かせているが、ロータス・エキシージ、MR-S、EP82型スターレット、ND型ロードスター、AE111型レビン、そして最新型のZC33型スイフトスポーツと、今年もこのクラスの車種バリエーションは多彩。興味深い戦いとなった。
順位 | ドライバー | エントリー車名 | 型式 | エリア | タイム | ||||
練習走行 | セッション1 | セッション2 | セッション3 | Gap | |||||
1 | 牧田 祐輔 | マキタスピードIDI速心DC5 | DC5 | 静岡県 | 45.117 | 45.444 | シード | 45.514 | |
2 | 安藤 広真 | Rz-factory FD2 | FD2 | 愛知県 | 45.288 | 45.539 | 45.704 | 0.190 | |
3 | 西坂 亮太 | ストラダーレ EP3 | EP3 | 愛知県 | 46.083 | 45.858 | 45.963 | 0.259 | |
4 | 杉本 達至 | ストラダーレ FD2 | FD2 | 岐阜県 | 45.702 | 45.977 | 46.131 | 0.168 | |
5 | 廣畑 旭嶺 | GarageCronosストラダーレEK9 | EK9 | 愛知県 | 46.043 | 45.979 | 46.154 | 46.202 | 0.071 |
6 | 磯野 雄太 | ストラダーレFD2 | FD2 | 愛知県 | 45.534 | 46.055 | 46.447 | 46.296 | 0.094 |
7 | 長谷川 正 | S1エク | 111 | 愛知県 | 46.236 | 45.866 | シード | 46.368 | 0.072 |
8 | 清水 貴史 | FD2@teAM TRY | FD2 | 愛知県 | 46.737 | 46.993 | 46.67 | 46.959 | 0.591 |
9 | 岩田 亜沙子 | suemazda カナテグラ DC2 | DC2 | 愛知県 | 46.825 | 47.280 | 47.233 | 47.733 | 0.774 |
10 | 石井 宏尚 | Suemazda FD2 | DC2 | 愛知県 | 計測出来ず | 46.935 | 47.26 | ||
11 | 藤堂 之布 | ナイトー自販MR-S | ZZW30 | 広島県 | 47.528 | 47.270 | 47.272 | ||
12 | 茂利 大輔 | ゼロ円スターレット | EP82 | 広島県 | 49.740 | 49.693 | 49.646 | ||
13 | 安本 悠人 | ムラクモレーシングロードスター | ND5 | 静岡県 | 49.461 | 49.227 | 49.763 | ||
14 | 加茂 新 | REVSPEED加茂ZC33S | ZC33S | 神奈川県 | 49.964 | 50.038 | 50.118 | ||
15 | 崎田 健二 | J01R AE111 | AE111 | 滋賀県 | 51.519 | 50.731 | 50.771 | ||
16 | 山本 訓生 | プレ1&3号 | BB4 | 愛知県 | 51.281 | 51.666 | 52.238 | ||
17 | 山本 拓 | シビックtype R FD2 | FD2 | 石川県 | 47.765 | DNS | |||
和賀登 基文 | Rz-Factory&Suemazda CR-X | EF8 | 愛知県 | 1:01.211 | 57.324 | 45.582 | 45.464 |
*和賀登選手のCR-Xは再車検で触媒が装着されていないことが確認されたため失格とした。
クラス2は今年もS2000が半数を占めたが、トヨタ86が5台。NC型ロードスターが2台、33型フェアレディZが1台という定員ピッタリの16台がエントリー。S2000以外の車種でエントリーしているドライバーは1台でもS2000をやっつけてやりたい! と考えているに違いないが、S2000はS2000で2.4Lエンジン搭載車に一矢報いたい! と考えているドライバーもいるようだ。
興味深かったのはタイヤサイズ。去年のこの大会を制した可児AP1は295/30R18をチョイスしているのに対し、河合AP1は285/30R18をチョイス。しかし、それ以外のS2000勢は265/35R18を装着している。もちろん、285や295を装着するためにはフェンダーの改造が必要になるという問題もあるが、外径が大きいのは265/35R18。タイトコーナーの多い美浜ではギヤ比が重要。その辺をタイヤサイズで調整している可能性もある。
というS2000勢に対し、ロードスターの2台は対照的。三好NCは225/45R16、宮田NCは205/50R16。いろいろな目論見、いろいろなアプローチが見え隠れするクラス2。非常に興味深い!
順位 | ドライバー | エントリー車名 | 型式 | エリア | タイム | ||||
練習走行 | セッション1 | セッション2 | セッション3 | Gap | |||||
1 | 可児 敬 | マッハロッドS2000 | AP1 | 千葉県 | 45.681 | 45.523 | シード | 45.619 | |
2 | 河合 大作 | ストラダーレLMGTS2000 | AP1 | 愛知県 | 45.280 | 45.676 | 45.669 | 0.050 | |
3 | 梅野 健太 | 百式自動車S2000 | AP1改 | 神奈川県 | 45.575 | 46.154 | 46.005 | 45.740 | 0.071 |
4 | 内藤 頼重 | ASナイトウSPM-S2000 | AP1 | 広島県 | 45.262 | 45.476 | シード | 45.741 | 0.001 |
5 | 宮地 律明 | S2000 | AP1改 | 東京都 | 46.183 | 45.707 | 45.778 | 0.037 | |
6 | 前川 尚司 | 前川自動車S2000 | AP1 | 石川県 | 45.382 | 45.726 | 45.863 | 0.085 | |
7 | 加藤 寛 | ストラダーレS2000 | AP2 | 岐阜県 | 45.702 | 45.998 | 45.988 | 45.904 | 0.041 |
8 | 佐鳥 隆志 | ARVOU Cha.AP1 | AP1 | 群馬県 | 46.045 | 46.649 | 46.679 | 46.581 | 0.677 |
9 | 宮田 剛史 | JFSPEED☆ ミヤータつよし | NCEC | 神奈川県 | 46.569 | 46.687 | 46.553 | 46.609 | 0.028 |
10 | 加納 剛朗 | ラック★アイリード 86 | ZN6 | 愛知県 | 46.433 | 46.802 | 46.985 | 46.775 | 0.166 |
11 | 谷口 和也 | ストラダーレGT86 | ZN6 | 愛知県 | 47.215 | 47.717 | 47.460 | ||
12 | 鈴木 博司 | NAVUL 86 | ZN6 | 愛知県 | 47.508 | 47.532 | 47.560 | ||
13 | 秋本 拓自 | Garage4413☆ 72☆ Z | Z33 | 東京都 | 47.736 | 47.710 | 48.042 | ||
14 | 三好 悠太 | HOOPTYロードスター | NCEC | 広島県 | 47.555 | 48.137 | 48.110 | ||
15 | 山屋 直輝 | 86Racing改 | ZN6 | 愛知県 | 47.422 | 47.854 | 48.119 | ||
16 | 今福 瑞樹 | Rz-factory86AT | ZN6 | 愛知県 | 47.774 | 48.316 | 48.340 |
クラス3のエントリー台数は14台。しかし、前日の練習走行で堀尾RX7がエンジンを壊してしまいリタイア。出走は13台となった。車種バリエーションは、RX7が5台、S15シルビアが4台、ロータス・エキシージ(過給器付きモデル)が2台、そしてSW20型MR2とスーパーチャーヂャー付きの86が1台ずつという内訳。
優勝候補の筆頭は2017年のDZC美浜を制した川口RX7。今回はタービンを変更してのチャレンジだが、事前のテストが出来ていないというぶっつけ本番状態。自己ベストが43秒9という内藤RX7、2017年のDZCではオープンクラスで活躍をした川上RX7も44秒1という自己ベストの持ち主。シルビア勢では中田S15の自己ベストは44秒フラット。予想以上に気温が上昇するコンディションに合わせられるかどうかが勝負のポイントとなりそうだ。
順位 | ドライバー | エントリー車名 | 型式 | エリア | タイム | ||||
練習走行 | セッション1 | セッション2 | セッション3 | Gap | |||||
1 | 竹内 大樹 | ZENT_E RX-7 | FD3S | 愛知県 | 44.548 | 44.661 | シード | 44.760 | |
2 | 川上 貴宏 | N-one RX-7(黒) | FD3S | 広島県 | 45.153 | 45.330 | 45.128 | 0.368 | |
3 | 海老 一輝 | ストラダーレ RX-7 | FD3S | 岐阜県 | 44.793 | 45.334 | 45.204 | 0.076 | |
4 | 川口 修司 | スエマツダRX7 Rz-Factory | FD3S | 愛知県 | 45.273 | 45.723 | 45.483 | 0.279 | |
5 | 内藤 浩文 | TOPFUEL Arena RX-7 Rz-f | FD3S | 愛知県 | DNS | 46.437 | 45.729 | 45.788 | 0.305 |
6 | 守澤 友晴 | 前川自動車S15しろびあ | S15 | 石川県 | 45.543 | 45.741 | 46.159 | 45.810 | 0.022 |
7 | 塩出 尚久 | テラレーシングs15 | S15 | 愛媛県 | 45.829 | 46.089 | 46.484 | 46.005 | 0.195 |
8 | 山口 聡 | Ola2 Exige | 1117 | 愛知県 | 45.800 | 46.127 | 46.068 | 46.284 | 0.279 |
9 | 久野 彰久 | ルブロスCIランドMR2DXL | SW20 | 愛知県 | 46.945 | 46.884 | 46.564 | 46.901 | 0.617 |
10 | 中田 太初 | テラレーシングs15シルビア | S15 | 和歌山県 | 45.070 | 45.723 | シード | 47.342 | 0.441 |
11 | 鈴木 要 | ロータスエキシージ イチゴ | 1117 | 愛知県 | 46.719 | 46.296 | 46.749 | ||
12 | 三浦 茂人 | ワーキーメイト☆86s | ZN6 | 愛知県 | 46.193 | 46.596 | 46.753 | ||
13 | 高柳 崇 | タイヤボックスEgMシルビア | S15 | 愛知県 | 46.017 | DNS | |||
14 | 堀尾 高志 | ホーリーfd3s | FD3S | 愛知県 | DNS | エンジントラブル |
クラス4のエントリー台数は8台。しかし、このクラスにも残念なリタイア車両が1台。ノーマルエンジンで軽量化無しという通勤車両で表彰台を目指す! と意気込んでいた武内CT9Aがラジエタートラブルで出走を断念。7台で争われることになった。その内5台がランサーエボリューション。残る2台はGVB型インプレッサとR35 GTR。
このクラスの注目は、石川CT9Aと石原CT9Aの勝負。2017年のDZCでも熾烈なトップ争いを演じ、0.093秒差で石川CT9Aが勝利。惜しくも敗れた石原CT9Aだが、2013年のDZC美浜予選大会では、1000分の1秒差で高柳GC8に敗れるという名勝負が記憶に残っている。しかし、どちらも石原CT9Aは2位。事前アンケートにも「表彰台のてっぺんに立ちたい!」と一言。
そしてもう1台、侮れない存在なのは成長著しい加藤CN9A。2017年のTSタカタ大会で特別賞のダンロップアルミホイールを獲得してからイッキに成績アップ! モデルとしては不利と思われるエボ4での参戦ながら、美浜大会では石川CT9A、石原CT9Aに続く3位表彰台をGET! もちろん、今年の目標は優勝だ。
ちなみに、石川CT9Aは265/35R18、石原CT9Aは外径の大きい275/35R18、そして加藤CN9Aは295/30R18をチョイスしている。
順位 | ドライバー | エントリー車名 | 型式 | エリア | タイム | ||||
練習走行 | セッション1 | セッション2 | セッション3 | Gap | |||||
1 | 石川 慎一郎 | TS-S☆ AZUR☆ ランサーエボ9 | CT9A | 愛知県 | 43.485 | 43.310 | シード | 43.034 | |
2 | 石原 賢二 | ZEAL by TS-Sランサー紅号 | CT9A | 愛知県 | 43.636 | 43.644 | 43.652 | 0.618 | |
3 | 加藤 大輝 | ガレクロReismランサー | CN9A | 愛知県 | 43.953 | 44.010 | 44.085 | 0.433 | |
4 | 中園 佳幸 | TS-S☆ ランサーエボ10 | CZ4A | 愛知県 | 45.014 | 44.833 | 44.734 | 44.901 | 0.816 |
5 | 木原 雄祐 | オートスポーツナイトウCT9A | CT9A | 広島県 | 44.560 | 44.564 | 44.545 | 45.152 | 0.251 |
6 | 山本 大輔 | OZAMI GVB | GVB | 香川県 | 45.103 | 45.236 | 45.268 | 45.634 | 0.482 |
7 | 多谷 雅樹 | GT-R R35 | R355 | 石川県 | 45.436 | 45.249 | 45.442 | ||
8 | 武内 浩樹 | まめぞ〜CT9A | CT9A | 愛知県 | DNS | ラジエタートラブル |
オープンクラスの参加台数は6台。ランエボが4台、そしてRX7とEG6型シビックという内訳だ。コースの特性上、圧倒的にランエボ有利と思われるが、順位より納得のいく走りをしたい! という自分との戦いを選んだ2台。それもまたDIREZZA CHALLENGEの楽しみ方である。
優勝候補の筆頭は2017年もこの大会を制している寺浦CZ4A。しかし2017年の大会でコンマ1秒差の2番手だった田辺CT9A、2017年のTSタカタラウンドで優勝している内藤CT9Aも侮れない存在。否、何よりも怖いのは尾崎CP9A。DZC最年長の尾崎選手は過去の決勝大会でも2位に入る実力の持ち主なのだ。
順位 | ドライバー | エントリー車名 | 型式 | エリア | タイム | ||||
練習走行 | セッション1 | セッション2 | セッション3 | Gap | |||||
1 | 寺浦 之裕 | テラレーシングCZ4A | CZ4A | 奈良県 | 43.306 | 43.231 | シード | 43.491 | |
2 | 内藤 源氏 | ナイトー自販スピードMランサー | CT9A | 広島県 | 43.462 | 43.663 | 44.462 | 43.633 | 0.142 |
3 | 中田 明善 | N-one RX-7 | FD3S | 広島県 | 44.818 | 45.133 | 45.53 | 44.189 | 0.556 |
4 | 田辺 貴敏 | ストラダーレ☆ランサー銀色 | CT9A | 愛知県 | 44.129 | 44.388 | 44.816 | 44.497 | 0.308 |
5 | 尾崎 光義 | トトまるエボ6 よろしくです | CP9A | 愛知県 | 45.236 | 45.358 | 46.370 | ||
6 | 渡辺 千博 | alivolo ちいハイパーEG | EG6 | 岐阜県 | 48.313 | 48.144 | 49.059 |
お疲れさまでした。今回は皆さんがレギュレーションをしっかり理解してクルマを仕上げてきて下さったお陰で車検もスムーズに進みました。しかし、1台がディレチャレ初の再車検不合格で失格。原因はショップとのコミュニケーション不足? 意図的でないとは言えルールあっての勝負です。今後はこの様なことが無いように気をつけて下さい。
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