2011 D1グランプリシリーズ第8戦 富士 レポート
2011年シリーズ最終戦の富士・・・残念ながらチャンピオンの夢は逃してしまいましたが、最後まで全力で戦って、有終の美を飾るのだーっ!
マシンはいつものように?富士仕様に変更です。リアウイングを交換し、リアディフューザーに加えてURAS製の新兵器、ボーテックジェネレーター(かなり大きめ)も装着。ファイナルは3.545に変更して、5速進入でピッタリ!のギア比です。それと、追走の時に直線で離されないように、ココ一発のハイブーストモード(あんまりやり過ぎるとエンジンが持たないけど)の準備もオッケー。スタビも弱い物に変更し、アライメントはリアキャンバーをチョッピリ起こしたセッティングです。最後の一戦こそノントラブルで終えて、目指せ優勝っすー!
富士の秘密兵器URAS製ボーテックジェネレーター装着
22日(土)練習走行、予選
普段練習走行ができない富士スピードウェイ・・・僕らも丸一年ぶりの走行となりました。昨年の最後は優勝して終わっているので(エキシビジョンですが)、もはや富士に対して嫌なイメージはありません。ところが、天候は生憎の雨模様・・・。しかもコースインして間もなく、霧が濃くなってきました・・・。
初回の練習走行はいつものようにマシン全体の確認と、大まかな走行ラインの確認から入ります。久しぶりの走行、そしてウエットコンディションと言うこともあり、野村さんは振り返しの位置が見極められずに戸惑っていましたが・・・無線で振り返しのポイントを伝えながら、少しずつ修正してベストラインに近づけて行きます。
富士はコース幅も広く、ラインに自由度がありそうに見えますが、点と点で結んだときに少しでもラインがズレてしまうと途端に全てが狂ってしまいます。ウエットコンディションだとこれが顕著に現れてしまうので、2回目の練習走行から300Rの進入にもスポッターを置いて振り出しの位置も確認して、全体的な走りを完成させて行きます。早い段階で振り返しのポイントを見極めた野村さんはウエットコンディションにも係わらず、良い走りを連発してくるようになりました。とても綺麗な走りをする野村さんに無線で「うーん、柔らかい!すばらしい!」って伝えましたが、どうやら野村さん的には褒め言葉じゃなかったみたい(笑)
とにかく、マシンもノントラブルだし、野村さんも絶好調っ!後は明日の本番、全力で行くしかありません!!
毎回ピットウォークで野村さんには長蛇の列ができます!
23日(日)第8戦決勝
何と・・・雨の予報から一転し、決勝日は晴れの予報に変わりました。朝の段階では霧も出ていましたが、午後には完全に天気が回復しそうです。
朝一の練習走行は路面も乾かず、ウエットコンディションとなりましたが、ラインを見つけた野村さんは今日もバッチリです。ただ・・・天候が一気に回復し、路面が中途半端に乾いてくると、一番難しい状況になってしまいます・・・。これまでウエットコンディションでの走行しかしていません。いきなりドライ路面になった場合、上手く対応することができるのでしょうか・・・。
早朝の霧はオートポリスを思い出させる程でした
単走ファイナル
心配していた通り、野村さんが走行する頃には、路面がほぼドライに近い状態になりました・・・。ただ、完全に乾いているとは言えず、最初から攻めの走りをするのは非常にリスクが高そうです。ここは路面コンディションの確認の為にも、1本目は抑え気味で走り、路面状況を把握した後で2本目に賭ける作戦にしました。
1本目、ウエットコンディションのギア(4速)でボチボチ気味に進入し、何と無く柔らかめに振り返しますが・・・やっぱり路面が乾いておりアウト側まで届きません。(涙)・・・1本目の得点は98.53点です。
のむ:やっぱりドライやねぇ~
あべ:ですよね?次は5速進入でガッツリ行きましょう!
のむ:了解っ!
続く2本目、完全にドライコンディションの走りに切り換えます。5速で進入し、上手い感じに振り返してアウトラインもイッパイ!車速も早いし、これは高得点来たかな?って走りではありましたが99.07点の9位・・・。
のむ:いやぁ、初めてドライで走ったバイ。
あべ:超難しかったっすよねー!9位です!お疲れ様でした!
この路面コンディションであそこまで走れれば、とりあえずはオッケーでしょう!
朝の練習走行を終えてコミュニケーション!
追走2nd STAGE ベスト16
追走最初の対戦は手塚選手です。同じスカイライン、そして同じ位の馬力の対戦はきっと良い物が見られるハズっ!
1本目は野村さんが先行です。300Rを手前から振り出してきた野村さんに対して、手塚選手は若干早めに振り返して上手くイン側に入ってきます。まるでツインドリ?って位の綺麗な走りでこの判定は五分となりました。
続く2本目、野村さんは後追いから先振りし、角度を付けて飛び出してきましたが…振り返しが早過ぎてしまい、イン側の小さめのラインに行ってしまいました…。
のむ:きゃー!早く返し過ぎたー!
あべ:チョッピリ早すぎたっすねぇ・・・。
300Rの飛び込みでポイントを取っていた野村さんは、何とか手塚選手1ポイントのアドバンテージに抑えることができ、ギリギリセーフ。
あべ:いやぁ、300Rでポイント取ってたから、ギリギリサドンデスになりました!
のむ:危ねぇぇぇ!もう一回走れて良かったぁ~!
サドンデス1本目、手塚選手も負けずにビタビタで来ますが、相変わらず300Rは野村さんがポイントを取っており、手塚選手1ポイントのアドバンテージに留まります。
最後の1本、野村さんの後追いです。300R進入からビタビタで先振りし、振り返すタイミングも完璧っ!立ち上がりまでまさに「ビタビタ」の走りを披露し、会場も大盛り上がりっ!!
この結果、1ポイント差のアドバンテージを見事に引っくり返し、ベスト8に進出となりました!!
手塚選手との追走前緊張の一瞬
追走2nd STAGE ベスト8
ベスト8の相手は、チームオレンジ末永(直)選手です。末永選手は急遽エボⅩでの参戦となり、乗りなれないマシンながらも順当に勝ち進んできています。
1本目、野村さんは後追いです。300Rを手前から角度を付けて飛び出し、「カッコ良い~!」て感じでしたが、振り返しでやり過ぎてしまい、ハーフスピン状態に・・・。この判定は7:3となり、かなり手痛いミス!(涙)
のむ:あべちゃん、プリっと来ちゃったバイ・・・。思いの外タイヤが温まってなかったみたい・・・。
あべ:7:3なのでダメだとは思いますが・・・最後までガッツリ行きましょう!!!
先行の2本目、300Rの飛び出しから角度を付け、単走としては完璧な走りを披露!・・・しましたが、さすがに末永選手のアドバンテージを引っくり返すことはできませんでした。
残念ながら、ここで敗退です(涙)
のむ:今日はイケると思ってたんだけどなぁぁぁぁ。
あべ:僕もそう思ってたっすー(涙)
ベスト8は末永直登選手と対戦!
第8戦及び2011シリーズ総括
最終戦富士、今回はマシントラブルも無く、チームとしては完璧でした。又、練習走行中のマシンセッティングやメンテナンスは行わないようにスケジュール管理をし、野村さんが時間イッパイまで集中して走れるように心掛けました。路面コンディションの変化にチョッピリドキドキしましたが、さすが野村さん、完璧に走りを変えて合わせてきてくれました。追走でもカッコ良い走りを連発し、会場も大いに盛り上げてくれました。「もしかして、今日は行っちゃう??」って思うほどでしたが、残念ながら最後は失敗・・・。(笑)でも、野村さんも楽しんでくれてたし、最終戦の富士はやり切ったかなぁ~って感じです。
今年のD1グランプリシリーズは本当に激動の年となりました。審査員の方々の入れ替えに始まり、競技スタイルの変更、そして震災の影響による開幕戦お台場の延期・・・。それにオートポリス戦でのまさかの途中中止や初めての試みとなった中部国際空港でのD1開催等々・・・本当に色々ありました。しかも今年は、チームが新体制になって初めての年です。僕と野村さんのコンビはD1に参戦してから11年目になりましたが、実際の中身は初参戦(メンバーは一緒ですが)の新米チーム・・・。今までのようには行かない事も沢山あり、本当に苦労の一年だったなぁ・・・(涙)って感じです。
来年はもっともっと良い体制で参戦できるように今から準備し、次こそシリーズチャンピオンを頂きたいと思います!
皆さん、今年も一年間応援して頂き、有難うございました!!
また来年、お会いしましょうね!!
一年間応援ありがとうございました!