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2011 D1グランプリシリーズ第3戦 オートポリス レポート


はじめに
 今シーズンのD1グランプリは、開幕前から色々なことがありました。審査システムの変更や競技内容の変更、そして、東日本大震災の影響による開幕戦の延期…。又、チーム運営自体も今までお世話になったBLITZさんから独立し、自分の会社である「ディフェロウ」での初参戦となり…事実上開幕戦となるオートポリス初日を迎えるまでに、今までの倍以上の労力を使った気がします。(涙)
 エントリーチーム名は「BLITZ DFellow」、車両名称は「DUNLOP なめんなよ ER34」で、今年は新たに「男のエステダンディハウス」様のスポンサーが加わり、カラーリングのイメージも一新しました。
 馬力差があまり関係無い初戦のお台場はそのままの仕様で行く予定でしたが、高速サーキットであるオートポリスはそうは行きません。緑号は去年の最終戦に急遽間造った車だったので、本当のところは未完成・・・。燃料まわり等、手直しが必要な所がたくさんありました・・・。
 今までの状態では燃料ポンプの容量が足りていなかったので、1機で1,000psまで対応するアメリカ製のポンプ(イケてるヤツ)を取り付け、燃料の片寄りを防止するコレクタータンクも装着しました。燃料タンクを降ろしてラインも全て造り直し…これでようやく狙い通りの馬力まで対応できるようになりました。

燃料まわりを変更

23日(土)移動日、練習走行、予選
 今年のシリーズ戦は、デュアルファイナル以外のラウンドが全て1.5DAYの開催です。昨年まであった金曜日の公式練習走行は廃止され、土曜日の午後から走行開始となります。この全体スケジュールの変更により、各チームとも練習走行の時間が非常に短くなってしまったので、如何に早く車のセットアップをコース合わせられるか、と言うことがとても重要になってきます。
 今年のレース進行は、土曜日の午後に予選→日曜日朝の単走ファイナル→ベスト24トーナメント→ピットウォーク→ベスト16から決勝までの追走トーナメント、と言う流れになります。更に、シード選手は無条件でベスト16に進出できるようになったので、今までのように「単走の結果が悪くて1回戦落ち」と言う不安材料が無くなりました。これはドライバーの野村さんにも精神的なユトリができ、練習走行の時間が短くなってしまった状況下でも、あまり気負いせずに戦える…ハズです。
 今回は燃料まわりを変更したので、初回の練習走行はある程度の確認作業が必要でした。ロガーを見ながら燃料を合わせて行き、エンジンのセッティングを手短に終わらせます。これ以外は特に仕様変更をしていませんが、実は緑号がオートポリスを走るのは初めてのこと…。車のセットアップが全く違う方向だったら…と言う不安とは裏腹に、野村さんからは「絶好調よ♪」とのコメントがっ!よーし、とりあえず一安心!と言うことで、後は練習に集中して行きましょうっ!
 今年は審査員のメンバーが変わったこともあり、狙いどころが何処なのか?見極めるのがナカナカ難しくなりました。ですが、基本的には今まで通りの走りさえしていれば問題無さそうなので、スポッター席から野村さんに色々と指示を出します。今回重要なのは2コーナーのクリップの取り方で、1コーナーから早めに振り返してアウト側まで飛んでくるライン取りが高得点となりそうです。
 練習走行も無事に終わり、あとは翌日に向けて車両のチェックをメンテナンス!今年の初戦、初日から順調な滑り出しっ!でも、一つだけ心配なことが…。翌日の天気が怪しいって言う噂じゃありませんか…。

野村さんも半年ぶりのD1に緊張気味?

24日(日)第3戦決勝
 決勝日の朝は4月末とは思えない程の寒さで、天気予報の通り、いつ雨が降り始めてもおかしくない状況です。
 朝の練習走行で単走ファイナルに向けた走りの最終確認を行い、高得点を獲得できる走りを狙っていきます。野村さんの走りも安定してきて、これなら単走上位を狙える!と思っていたところで…雨が降り始めました。(涙)
 今までの練習走行は全てドライ路面だったので、ウェットでの単走ファイナルは完全にブッツケ本番…となってしまいました。

新しいカラーリング!

単走ファイナル
 シード選手は無条件でベスト16に進出できるとは言え、今年のシリーズ争いには単走ファイナルでの獲得ポイントもシリーズポイントに反映される為非常に重要になってきます。あまり無理をする必要はありませんが、守りに入り過ぎて順位を落としてしまうと、獲得できるポイントも減ってしまうことになります。
 1本目、ラバーが乗っているラインを避けながら、セオリー通りの走りを披露しますが、予想以上に審査員席前のグリップが低く、なかなかアクセルを入れることができません。
 のむ:「いやぁ、めっちゃ滑るーーーー!」
 あべ:「まぁまぁ、1本目はあんな感じでOKでしょう!」
 この得点は98.70点となり、暫定7位のポジションです。
 続く2本目、ポイントを稼ぐためにも、もう少し上位を狙いたいところです。
 あべ:「えー、次はもう少し攻めましょう!」
 のむ:「どうしたら良い?」
 あべ:「攻め過ぎずーの、抑え過ぎずーでお願いします。」
 のむ:「オイオイ、それが一番難しいのよ…。」
 あべ:「・・・・・・はい。」
 解説者を唸らせるほどの完璧な走りではありましたが、イマイチ評価が高くありませんでした。
 残念ながら1本目の得点を上回ることができず、結局8位で単走ファイナルを終えることになりました。

VS高橋邦明選手
追走2nd STAGE
 野村さんは単走8位だった為、追走2nd STAGEから追走が始まります。2nd STAGEは新車のマークXを投入し、素晴らしい走りを連発している高橋邦明選手との対戦となりました。
 2nd STAGEが始まった頃から雨足がドンドン強くなり、コースは濃霧で包まれてきました。視界不良の為、レース中断の状態が続きます。寒い中待ってくれているファンの方々の為にも、何とか走らせたい…と思っていた時、幸いにも若干霧が晴れてきました。スターターの確認も取れ、いよいよ競技再開です。
 1本目、野村さんは先行からのスタートです。単走と同じ様に振り出し、1コーナーのクリップ、2コーナーのクリップと良いラインを通って行きます。ところが高橋選手は2コーナーへの振り返しの所で距離をつめ、そのままの間隔でフィニッシュラインを迎えます。この条件下での高いマシンコントロールを評価されて若干のアドバンテージが高橋選手に付きました。
 続く2本目、野村さんも負けてはいられません。ウェット路面でも抜群の安定感見せていた野村さんにも挽回のチャンスは十分にあります。後追いからスタートし、真後ろから降り出しのタイミングを見測ります。ところが、直線のスピードを合わせ切れなかった野村さんは、振り出しのタイミングで出遅れてしまいました。そのまま2コーナーのクリップ先まで距離を縮めることができず…残念ながらここで敗退となってしまいました。(涙)
 野村さんの戦いの後、川畑選手VS内海選手の対戦のころ、コースは再び濃霧に包まれてしまいます。雨足も強くなり、レース中断の時間だけが過ぎて行きます。
 ・・・ここで主催者側の競技続行不可能と言う判断により、D1史上初の「悪天候によるレース中止」と言う残念な結末となり…単走ファイナルの順位がそのまま総合ランキングに反映されることになりました。

オートポリス名物濃霧がコースを覆いました
第3戦総括
 今年のシリーズ戦は競技内容が大幅に変わり、単走の結果がシリーズ争いを左右しても過言ではない、と言うことになりました。マンネリ化が続いていた?(そうじゃないかもしれませんが)D1には新しい試みであり、ゲーム性も上がって今後は更に面白くなって行きそうです。練習走行の時間も短く、レースの組み立て方や作戦までも今まで通りのやり方が通用しなくなったので、今年はチーム力が試される1年間になることは間違いないでしょう。
 まだまだ始まったばかり!
 しかも次の鈴鹿はシード!(ギリギリですが)
 初戦から車は絶好調だったので、次戦も気合いれて行きますよー!