開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2025年8月1日(土)

3か月ぶりに帰ってきたSUPER GTは真夏の富士。世界でも稀に見るタイヤマルチメイクによるトップカテゴリーレースであるSUPER GTでしたが、それも今年で最後の年。来年からはGT500、GT300ともにワンメイク供給が開始されるとあって、タイヤウォーズ最後の富士として盛り上がりを見せる大会として幕開けしました。
■GT300 – 決勝を見据えたニューコンパウンドを投入
ランキング首位を走る777号車 D’station Vantage GT3に期待がかかる第4戦でしたが、大会前に発表されたBoPはあまりにも厳しいもの。ストレートスピードで他のGT3マシンよりも10km/hあまり遅れをとる仕様となってしまい、走り出しから苦しい展開に……。さらにタイヤに構造的なトラブルが発生してしまい、公式練習をほぼキャンセルしての公式予選となってしまいます。他チームも高い気温の決勝を見据えたニューコンパウンドのタイヤを選択したこともあり、走り出しはピークを得るのに苦労した様子がうかがえました。
しかし、公式予選が開始される午後2時を過ぎると路面温度はさらに上がり、ダンロップタイヤの想定温度域に入ってきます。各車、チームもアジャストを行い迎えた予選。しかし、まずはA組777号車がアタック。ですが、公式練習の状態から考えてもまともなアタックはできずQ1敗退となってしまいます。そんなA組走行の最中、11号車は電装系トラブルでピットが混乱。大木選手をアタックに送り出すことはできたものの万全の体制とは言えず、GAINER TANAX ZもQ1で姿を消してしまいます。
そんな中、躍進を遂げたのは60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GTを駆る吉本大樹選手/河野駿佑選手組でした。吉本選手がQ1を5番手で通過すると、続く河野選手がQ2で36秒8を叩き出し2番手のタイムを記録。昨年のSUGOを彷彿とさせる走りで魅了してくれました。また、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTは12番手。明日の決勝はここから上位を目指します。
【GT300ダンロップタイヤ装着車両結果】
2位 Syntium LMcorsa GR Supra GT
12位 SUBARU BRZ R&D SPORT
26位 GAINER TANAX Z
27位 D’station Vantage GT3
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/66540

■Driver’s Comment
吉本大樹選手
「第2戦の結果を踏まえた上で、この真夏の富士にしっかりアジャストできたと思います。ダンロップタイヤさんもこの高温に合わせた新配合のタイヤを持ち込んでくれました。決勝向きと聞いていた通り、公式練習の走り出しはタイヤグリップのピークにやや難を感じていましたが、ロングランでは信じられないほど良い摩耗具合で明日の決勝は期待がもてると思います。昨年優勝したSUGOも2位からのスタートでしたからね。明日も頑張ります」
河野駿佑選手
「今回も凄く良いタイヤを持ち込んでもらえました。僕らはテストができないのでぶっつけ本番で履くことになるんですが、僕は公式練習でロングを担当したんですがタイヤの摩耗が驚くほどきれいで、決勝にとても期待がもてるタイヤです。予選でのトップのタイムはちょっと見えませんけどね。僕らもQ2はちょっと攻めたセットアップにしていったんですが、それがはまってタイムが出たところもあるんですが、良い予選だったと思っています。明日、雨かもしれないのでちょっと不安ではありますけど、天気次第ですが本当に優勝を目指せるパッケージだと思うので」

■GT500 – 好調プレリュード勢の流れにのってQ2進出
本大会に向け中嶋レーシングと共に持ち込んだタイヤは決勝のロングランを見据えたニューコンパウンド。タイヤの構造はいままでの系統の流れをくむものの、「ピークグリップには少しの不安を抱える」と公式練習を終えた大草りき選手。しかし、その大草選手が魅せてくれました。Q1を担当した大草選手。タイヤウォームアップに少し手間取ってしまったものの、午後に入って一気に上がった路面温度に合わせるように一気にタイヤのピークを使い切りにかかります。第1セクター、第2セクターと徐々にフィットしていくタイヤ。第3セクターで一気にそのポテンシャルが爆発し、区間ベストを記録してトップタイムを更新。その後もホンダプレリュード勢にかわされてしまうものの、64号車 Modulo PRELUDE-GTを5番手でQ2へと導きます。そのマシンを受け取ったイゴール・オオムラ・フラガ選手でしたが、大草選手がタイヤウォームアップに苦しんだことを考慮し、アタック前に入念に熱を入れていきますが、これが裏目に出てしまいます。タイヤのピークを第3セクターに向け上げていきたいところ、イゴール選手のタイヤは第2セクターから徐々に熱ダレを発生してしまいます。結果、イゴール選手は7番手でフィニッシュ。トップ3も狙えていたマシンだけにドライバーは悔しさを見せますが、明日はロングランを想定したコンパウンドでのスタートが約束。上位入賞に向け、まずは順調な滑り出しとなりました。
【GT500 ダンロップタイヤ装着車両結果】
7位 Modulo PRELUDE-GT
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/66533

■Driver’s Comment
大草りき選手
「今回はいままでにないような硬さのタイヤを選択して持ち込んできたので、正直予選はギャンブル的な要素が強かったです。その中ではしっかりタイヤとマシンのパフォーマンスを引き出せたと思います。ロングランの方はしっかりと手応えもあるので自信ありです」
イゴール・オオムラ・フラガ選手
「完璧だったらコンマ数秒は削れました……。悔しいですね。第1、第2セクターにタイヤのピークがきてしまって、セクター3でタレ始めてしまいました。アタック自体はそこまで悪くなかったんですが、タイヤマネジメントができませんでした。前回は予選だけ急に上手くいった感じでしたが、今回はしっかりとロングランの手応えもあるので明日は自信を持って走りたいですね。僕、まだ500に乗ってまともに決勝を走れていないので。しっかりポイント争いをする中で走り切って終わりたいと思います」
伊沢拓也監督
「久しぶりのGTのレースで、前戦の富士からたくさんのテストをやって、ダメだったことの反省点も活きたタイヤでした。クルマのセットアップ、持ち込みもきちんとできたのが良かったですね。予選はいつもと違うパターンでイゴール選手にQ2を走ってもらったんですが、Q2の難しさもあったと思います。チームでもっとフォローできる部分もあったのが悔しいです。明日のレースはしっかり戦えるタイヤを選択してきているので期待してください」

■ダンロップタイヤ開発陣コメント
モータースポーツ部・安田恵直
「GT500に関しては走行後のタイヤを見ても非常に良い摩耗を見せていました。ピックアップの不安もあったのですが、予選後のタイヤはとても状態が良く、明日の決勝も期待がもてると思っています。最初の走り出しこそ少し不安はありましたが、徐々に手応えもありました。500の占有走行からチームと相談してセットアップの方向を決められたのも大きかったですね。Q1とQ2はドライバーのウォームアップの仕方の差の配慮が及ばなかったのが悔やまれます。しかし、明日の決勝に向けて大きなネガはないので、上位にしっかり絡めるレースをしたいと思います。一方でGT300では非常に苦しい展開となってしまいました。特に777号車においてはタイヤ上の理由で公式練習をほぼ走行できずに終わらせてしまいました。明日もBoPが厳しいことを考えると難しい決勝になりそうです。公式予選は60号車が非常に良い走りを披露してくれました。初めて履くスペックにもかかわらず、本当にいい走りだったと思います」