ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第7戦 – AUTOPOLIS GT 3HOURS RACE

開催場所:オートポリス

開催日:2025年10月19日(日)

 
今シーズンも今大会を合わせ残り2戦となったSUPER GTシリーズ。昨日は天候に翻弄された予選となりましたが、きょうの決勝も空模様を眺めながらのレースとなりました。朝は濃霧に包まれスタートできるかも心配されたオートポリス。しかし、ウォームアップ走行には霧もすっかり上がり、路面のウォーターパッチもなくなり、ドライコンディションでのスタートが約束されました。前日の予選でエンジントラブルに見舞われたSUBARU BRZは、メカニックの懸命な作業で新しい名機EJ20を搭載し決勝へと向かいます。一方、ガードレールにクラッシュしてリアセクションを大破してしまったGAINER日産Zは、安全性を担保できないことから欠場を決定。
 

3時間の長丁場のレースの火ぶたが切って落とされました。スタート時の路面温度は25℃と予想よりも低い温度で始まったレース。大きな波乱のないスタートが切られると、3時間という長丁場もあり、序盤は大きな順位変動もなく展開していきます。
 
レース開始から40分…、空から小さな雨粒が落ち始めます。レーダーには阿蘇山の反対側に大きな雨雲が発生し、周辺に強い雨を降らせているとの情報も。しかし、天気は崩れず最後までドライコンディションでのレースとなります。
 
GT500クラスは64号車が大波乱の展開の渦中に。最初に訪れた受難は12周目。24号車にアウトサイドから並びかけられると、不安定なブレーキング時に24号車が接触。その反動で伊沢選手は姿勢を乱してしまいます。この接触により、伊沢選手にドライブスルーペナルティの裁定が下ります。最後尾近くまで順位を落とすこととなった64号車。それでも上位陣に匹敵するペースで前を追いかける伊沢選手。ルーティーンのピットインをぎりぎりまで引っ張り、大草選手へとマシンを託します。
 
そしてステアリングを任された大草選手が驚異の追い上げを見せます。フレッシュタイヤでトップより3秒以上速いタイムを刻みながら前を追いかける大草選手。ストレートでGT300の車両がストップしたタイミングで、チームは想定より早く2回目のピット作業に呼び戻すことを判断。このタイミングが功を奏し、実質5番手までジャンプアップすることに!! その後、大草選手はさらにペースを上げ、64周目に38号車を捕らえ表彰台圏内へとマシンを運びます。
 
そして前を走る16号車に迫る大草選手。ここまで耐摩耗性に注力してタイヤ開発を進めてきた結果が実を結び、レース終盤でもダンロップタイヤは64号車のハイペースを下支えします。16号車がグリップ低下に悩まされる中、第1ヘアピンでは何度もラインを変えアタックをしかける64号車。しかし、抜きにくいオートポリスで同じマシンをオーバーテイクするのは至難の業……。それでも大草選手は残り10分を切ってバンパートゥバンパーまで16号車を追い詰めます。
 
残り55秒となる101周目。いままで仕掛けてきた第1ヘアピンで、極端な立ち上がり重視のラインを選択する大草選手。第2ヘアピンにオーバーテイクポイントを絞って16号車の横にマシンを並べることに成功。終ラップを前に2位のポジションを奪い、GT500クラスのダンロップタイヤに久しぶりの表彰台をもたらしてくれました。

 

GT500クラス
優勝 #100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT /BS
2位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
3位 #16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT /BS
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT

伊沢拓也選手
「車もタイヤも最高のパフォーマンスでした。自分のスティントでペナルティを受けてしまいましたが、最後まで諦めずにみんながカバーしてくれました。何よりタイヤが最後まで素晴らしいパフォーマンスを出してくれたことが、この結果に繋がりました! 応援してくれた皆さん、ありがとうございました!」
 
大草りき選手
「昨日の公式練習からロングランの手応えは良く、今日のウォームアップでもセットアップ含めチームが良い提案をしてくれて、手応えを持って決勝に臨めました。ペナルティに関しては正直厳しい内容となってしまいまいしたが、逆にペースが良かったのでGT500の他の車両がいないスペースを走れたのも良かったのかもしれません。最後のオーバーテイクは勝負ところをここと決めて仕掛けました。タイヤ開発もいままでやってきたことが実ってきたと実感しています。やってきたことが全てポジティブな方向にまとまってくれています。伊沢選手と表彰台に乗るというミッションも果たせたので、最終戦はもっと思いきり走りたいと思います」

 


 
GT300クラスは非常に厳しい結果となりました。777号車はシャシー交換によるドライブスルーペナルティを消化するために早々にピットへ戻り、後方から追い上げる展開に。そんな後方からのレースとなった777号車と96号車は、他車に先駆けてアンダーカットを狙って最初のピット作業を済ませます。しかし、ステイアウト組のペースが思いのほか良く、アンダーカット作戦は失敗。逆にオーバーカットを仕掛けた45号車はペースを思い通りに作れません。その中で持ち前の速さを取り戻してきたのが61号車。徐々に入賞圏内までマシンを前に進ませますが、第2スティントの山内選手から無情にもマシントラブルの無線が……。マシンはピットへと収められ修復作業が行われます。この結果、ダンロップ最上位は45号車の17位という結果に。最終戦に向け課題の残る結果となってしまいました。
 

GT300クラス
優勝 #666 seven × seven PORSCHE GT3R /YH
2位 #7 CARGUY MKS RACING /YH
3位 #0 VENTENY Lamborghini GT3 /YH
16位 #45 PONOS FERRARI 296 /DUNLOP
17位 #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
20位 #60 Syntium LMcorsa LC500 GT /DUNLOP
21位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
24位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
DNS #11 GAINER TANAX Z /DUNLOP
 

 
第7戦の結果を振り返り、ダンロップタイヤ モータースポーツ開発1グループの安田恵直はこう振り返ります。
「64号車の快走は正直とても気持ちが良かったです。表彰台に連れて行ってもらえたのも嬉しかったですが、ドライ路面であの走りを見せてもらえたことに感謝しています。タイヤも最低限必要な耐摩耗性を確保した持ち込め、問題なく機能しくれました。チームには引き続きタイヤのパフォーマンスを最大限引き出してもらい、素晴らしいパッケージのセットアップを用意してもらえたと思っています。この勢いで最終戦も戦えるように、短い期間ですが準備していきたいと思います。また、GT300クラスは正直想定していたことと真逆の事象が発生してしまいました。耐摩耗性が高い分、ピックアップも発生しづらい設計になっていたはずだったんですが、グリップも期待していたものは引き出せず、ピックアップにも悩まされる結果となってしまいチームに申し訳なく思っています。タイヤに対して何が原因でこういった事象が発生しているのか、研究所に戻って解析する必要があります。最終戦もてぎまで時間もなく、この真因を突き止めることができるかという課題も残りますが最終戦でしっかりと結果が残せるよう最大限の努力をして準備をしていきたいと思います」
 

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