ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第1戦 – OKAYAMA GT 300km RACE

開催場所:岡山国際サーキット

開催日:2025年4月13日(日)

 
未明から降り続ける雨の中、ウェット宣言でのスタートが告げられた2025 SUPER GT開幕戦。14,500人の観衆が見守る中、セーフティーカー誘導で82周のレースの幕が切って落とされました。その直後の1コーナーでGT500クラスは3台が絡むクラッシュが発生。混乱に巻き込まれることになった64号車大草りき選手ですが、一瞬の判断で飛んでくるマシンを回避します。このクラッシュでレースは赤旗中断。レース再開時には雨も収まり、車両が巻き上げる水煙も小さくなります。ここから天候は大きく回復し、ドライアップするという予報もあり、大草選手はギリギリまでタイヤを引っ張る作戦にでます。そして64号車は47周目までタイヤを引っ張り続け伊沢拓也選手にバトンタッチ。ドライアップしていく路面の中で伊沢選手は着実にラップを重ねます。ライン上がどんどん乾いていくダンプコンディションの中、上位陣がレインからスリックへ交換するための2度目のピットインをはじめると、64号車もこれに追従。スリックタイヤでは他を上回るペースを見せ、このサバイバルレースでポイント圏内の9位まで順位を押し上げました。

 
GT500クラス結果
優勝 #1 au TOM’S GR Supra /BS
2位 #14 ENEOS X PRIME GR Supra /BS
3位 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra /BS
9位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
全ての結果はこちら
ttps://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/57183
 

 
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
 
伊沢拓也選手
「全体的に荒れた中で、ミスなく戦えたことで貴重な2ポイントを獲れたことは良かったかと思います。今回はライバルが強い部分が多かったんですが、次につながる課題も明確になったと思います。富士は長いレースになるので、僕らの戦い方ができれば良いレースもできると信じています。より強いレースができるようしっかりと準備をして富士に望みたいと思います」
大草りき選手
「最初にクラッシュがあったけれども、その中をしっかり生き残れたのは良かったんですが、リスタートの1コーナーで前のマシンを抜きに行ったときに押し出されてしまいコースアウトしてしまったことは後悔しています。あそこにいた自分が悪いと思っているので、次はそういう選択をしないように成長したいと思います。伊沢選手も難しいコンディションの中、とても安心して見ていられました。次戦は僕が伊沢選手を助けられるように頑張りたいと思います」
 

 

そして、GT300クラスも想像もつかない波乱のレースとなります。オープニングラップでトップを奪取した777号車でしたが、リスタート後すぐに後続の車両と接触。コース外に押し出されてしまい大きく順位を落としてしまいます。続く61号車も雨量が多ければ前を脅かすスピードをマークしたものの、ドライアップしていく路面に苦しみ順位を落としてしまいます。そんな中、順位を上げてきた45号車でしたがレインタイヤの摩耗が激しく、最小周回数を満たす前にタイヤ交換のためピットへ飛び込みます。この動きを見て、続々とピットインするマシンが現れますが、そんな中、グッと我慢のレースをしたのは96号車。新田守男選手が摩耗するレインタイヤでギリギリの走り。50周目までタイヤを持たせながら走り切り、チームはスリックタイヤで高木真一選手をコースへ送り出します。高木選手は滑るマシンをコントロール。最終ラップで後続の車両が接触してくるというトラブルはありましたが6番手でフィニッシュ。予選19番手から見事なジャンプアップに成功し10ポイントをチームに持ち帰りました。
 
GT300クラス結果
優勝 #65  LEON PYRAMID AMG /BS
2位 #26  ANEST IWATA RC F GT3 /YH
3位 #56  リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R /YH
6位 #96  K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
11位 #11  GAINER TANAX Z /DUNLOP
12位 #45  PONOS FERRARI 296 /DUNLOP
13位 #61  SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
14位 #60  Syntium LMcorsa GR Supra GT /DUNLOP
24位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/58176
 

 

#96 K-tunes RC F GT3
新田守男選手
「本当はミニマムでいく作戦だったんですが、チームが後半スリックに交換するタイミングをみたいという指示があり、自分のパフォーマンスを最大限発揮して、その後のスティントに向けて走りました。周りのマシンの履いているタイヤも違うし、戦略も違うので自分たちの作戦に徹するだけでした。高木選手も最善尽くしてくれました。期待をしたくなるほどの走りでした。ただ、僕らのタイヤはドライのパフォーマンスが高くなかったのでよくあれだけの走りをしてくれたと思います。たくさんのお客さんが来てくれている中で良い走りができたのは良かったです。ただ次に向けて、僕らとしてもダンロップとしても、もっといいタイヤを作り込んでいく必要がありますね」
高木真一選手
「予選19位から新田さんが頑張ってくれた結果です。無理言って我慢してもらったのが結果につながりました。ピットのとき、チームでもミスがあり順位を落とした部分もありますが悪くなかったと思います。ただ、スリックになってからはグレーニングも出てしまいスリックタイヤに難がありました。新しい体制での初レースだったにも関わらずこの成績は十分なものだと思います。次の富士は僕らにとって決して得意なサーキットではありませんが、チーム一丸となって頑張りたいと思います」
 

 

ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「GT500クラスは序盤に不運があったこと、タイヤの摩耗があったため十分なペースで走れなかったことは反省点です。スリックに関しては、自分たちの方が温まりも早かったことは分かっていたのに、他チームに対して先に動けなかったことは残念です。GT300クラスに関してもトラブルが多く、非常に難しい展開のレースでした。その中でも96号車が見事な作戦で上位に入ってくれたことは良かったと思っています。次戦、富士ではGT500クラスは新配合のゴムを投入するのでそこに期待しています。」
 次戦、富士3時間レースはゴールデンウィーク5月3日公式予選、4日決勝を予定しています。引き続きダンロップタイヤを装着する全てのマシンへ熱い応援よろしくお願いいたします。