ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第4戦 – SUGO GT 300km RACE

開催場所:スポーツランドSUGO

開催日:2024年9月22日(日)

 
昨日から降り続いた雨は次第に強さを増し、降雨量の多さからスケジュールが修正される波乱の幕開けとなったSUGO。しかし、少しずつ雨は弱まり、雨雲が抜けると判断され、予定より1時間遅くウォームアップ走行が始まりました。

ダミーグリッドに全車が付くころには雨は上がり、空も明るくなる様子。路面にはまだまだコースを横断する川が流れていますが、路面は乾いていくダンプコンディションでレースはスタートします。しかし、コース上はまだまだ水が浮いている状態のためSC先導でスタートが宣言。3周目に回転灯は消灯。4周目からレースが始まりました。
 
GT500クラスの64号車は6番手からのスタート。直前にハード側のレインタイヤを選択してマシンをコースへ送り出します。SC消灯の5周目に一気に4番手まで順位を上げることに成功します。しかし、このタイヤ選択が裏目に出たのか、期待したようなペースを維持することはできません。激しい摩耗に見舞われ濡れた路面でグリップを失って徐々に順位を落としていまいます。そしてドライバーを伊沢拓也選手から大草りき選手へ交代。スリックで出て行った大草選手でしたが、アウトラップで路面に残った水にステアリングをとられてしまいスリップ。ヘアピンの先でコースアウトしてしまいます。これでさらに順位を下げてしまった64号車。14位でフィニッシュとなりました。
 
 
一方、GT300クラスは2番グリットスタートの61号車井口卓人選手がトップを走る20号車に対して果敢に攻めますが、5周目で3番グリットスタートの777号車藤井誠暢選手に捕らえられ順位が入れ替わります。ヘビーウェットには絶対の自信を持つダンロップタイヤのレインですが、ダンプコンディションでは非常に厳しい戦いを強いられます。777号車も徐々に順位を落としていく展開へ。中盤からウォーターパッチこそ見られるものの路面は完全にドライコンディションへ。ここで4位を走っていた777号車がピットへ。C.ファグ選手へドライバー交代をし、スリックタイヤでコースに戻ります。すると、そこからはヨーロッパ仕込みのファグ選手のドライビングスキルが光ります。ちょい濡れの路面をものともしないハードブレーキングと繊細なカウンターステア。前を走る7号車を捕らえ3位に浮上します。61号車も追い上げに成功し5番手まで順位を回復。60号車もポイント圏内までマシンを運びました。
 
≪GT500クラス≫
優勝 #37 DELOITTE TOM’S GR Supra /BS
2位 #38 KeePer CERUMO GR Supra /BS
3位 #12 MARELLI IMPUL Z /BS
4位 #36 au TOM’S GR Supra /BS
5位 #100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT /BS
14位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
「ドライアップしていく中では他車のレインタイヤの方が優れている部分があるようでした。別にネガティブになる必要はないと思っています。自分たちがやらなくてはいけないことをしっかりやる必要があるだけですね。次のオートポリスは1年で1番厳しいレースになると思っています。テストも行い、データもとっているので良いレースができるよううに良いマシンとタイヤを作っていきたいと思います」
大草りき選手
「インラップで飛び出してしまったのは、ただただ自分のミスなのできちんと反省したいと思います。とはいえ、他車と比較すると厳しいレースでした。オートポリスは3時間なので想定できない部分も多いのですが、いままでやってきたことを活かした走りをしたいです」
 

 
≪GT300クラス≫

優勝 #65 LEON PYRAMID AMG /BS
2位 #45 PONOS FERRARI 296 /MI
3位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
4位 #7 Studie BMW M4 /MI
5位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
9位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT /DUNLOP
DNS #11 GAINER TANAX Z /DUNLOP
DNS #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
#777 D’station Vantage GT3
藤井誠暢選手
「ウォームアップはチャーリーがドライブして、タイヤのチェックだけをして走りはじめました。今回はハード側のレインでスタートしたんですが、ミシュラン勢に抜かれてしまいました。そのままグリップがドロップしていくのかと思ったんですが、グリップはキープしてくれたのは良かったですね。ただ、最初のFCYのタイミングでミスシフティングが発生していしまい、一度馬の背で真横を向いてしまってコースアウトしてしまいました。そんなトラブルもあったんですが、それでも無事チェッカーを受けられました。チームの総合力とダンロップタイヤのお陰ですね」
C.ファグ選手
「ダンプコンディションで難しいレースだったんですが、無事にチェッカーを受けられてホッとしました。良いレースになってポイントも獲得できたのは嬉しいです。タイヤに関しては、フルウェットが非常に良かっただけにダンプコンディションになってしまったのは残念です。ただ、スリックに乗り換えても良いグリップを出してくれたので助かりました」
 

 
ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「64号車に関してはウォームアップでは悪くない結果でした。ソフト側では良い結果が出ていたのですが、決勝ではハード側を選択した形です。ただ、パフォーマンスが足りていない部分がありチームには辛い思いをさせてしまいました。SC後や曇りになると気温が急激に下がったりするのでソフト側という選択肢もあったのかもしれません。スタートからウォームアップは悪くなかったんですが、摩耗してくると川があると急にグリップを失ってしまいタイムを失っていたようです。大草選手がスリックで出て行ったんですが、序盤はペースも良くパフォーマンスも悪くありませんでした。ただ、高速コーナーでタイヤの性能を引き出せなかったのが悔やまれます。GT300クラスはウェットタイヤでも良いパフォーマンスを安定して出せていたと思います。777号車に関しては帰ってきたタイヤも非常に良い減り方をしていてくれました。まだ濡れているところをスリックで行くことにしたんですが、チャーリーのヨーロッパ人らしい雨スリックの走りにも助けられました。JAF GT勢はレインのゴムの選択や車重の違いもあり、JAF GTだからということもありあませんが持ち込みの運はあったかもしれません。61号車に関してはここまで悪い流れでずっときていたものがやっと上位に入ってこれたので、これをきっかけにもう一度表彰台の真ん中に立ってもらいたいですね。次戦オートポリスはきちんと上位で走れるようなレースをしたいです」