11月18日(土)、DZC2017最終戦となる北陸エリアチャンピオンシップ大会が開催された。開催サーキットは福井県、断崖絶壁で有名な東尋坊から程近い海岸沿いにあるタカスサーキット。全長1503.69mのコースレイアウトは、直線とタイトコーナーで構成されていて、バックストレートは339.76mという通常のミニサーキットにはない長いストレートを持つ。パッと見では間違いなくハイパワー車が有利に見えるが、タイトなコーナーにアプローチするブレーキング性能、そして立ち上がりのトラクションが重要なコースだ。
今回のエントリー台数は、61台。天気予報は雨。受付が開始された午前7時はほぼドライコンディションだったが、練習走行が始まる頃には完全なWET。DIREZZA ZⅢのウエット性能を堪能できるコンディションとなった。
クラス1のエントリー台数は、定員を超える19台。エントリー車種は、美浜サーキット大会に続き今回もゼッケン1番をGETした山本プレリュードを始めとするホンダV-TEC軍団、そしてロータスエリーゼ、スイフトスポーツ、MR-S、RX8、ロードスターと今回も多彩。その中で注目は、10月の美浜大会にランサーエボリューションⅩでエントリーし、見事にオープンクラスを制した寺浦選手がFK2型シビックターボで参戦していること。寺浦FK2は開幕戦のTSタカタにも挑戦し3位に入っているが、TSタカタサーキットはコーナリングが続くサーキット。長いストレート主体のタカスとなれば2Lターボパワーがフルに発揮されるに違いない! 多分、寺浦選手自身もそういう展開をイメージしていたと思うが、路面は生憎のウエット。ハイパワーFWDにとっては厳しいコンディション。となると、FD2やDC5といった2Lエンジンを搭載したハイパワーNAが有利か。否、MR-S、エリーゼといったミドシップマシンの本領が発揮される可能性もある。エリーゼの木下選手は西日本エリア大会でクラス優勝、DC5の牧田選手は関東エリア大会でクラス優勝しているという強者揃い。さあ、ウエットのタカスを制するのは誰だ!
クラス2のエントリー台数は13台。その内7台がS2000というのはいつもの風景だが、ライバルが面白い。ちっとも本気を出さないZ33はいつもの顔だが、軽さとコントロール性が武器のNAシルビア2台、そしてBMW M3(E92型)とポルシェ911(996型)という高級外車勢がエントリー。そのドライバーがまた興味深い。996GT3のドライバーは、普段は通常過給器付きの86でエントリーしている三浦選手。以前のDZCではポルシェ911はスーパーカールールが適用されひとつ上のクラス3に編入となっていたが、今回はクラス2でのエントリー。そしてE92M3のドライバーは、クラス4のランエボでエントリーしていた長田選手。ストレートが長く、しかもウエットのタカスとなると大排気量、大パワーの威力が発揮されるに違いない。日光サーキット大会で3位、美浜サーキット大会では見事に優勝した可児AP1を始めとするS2000勢との勝負が興味深い。
残念だったのは、REVSPEED編集部の加茂選手がただ一台のトヨタ86でエントリーしていたが、締め切り真っ最中の編集部からの脱出に失敗し不参加。日光サーキット大会でクラス2を制した宮地選手も美浜サーキット大会で発生したトラブルの修復が間に合わなかったようで不参加。結果、10台で練習走行をスタートすることになった。
クラス3のエントリー台数は13台。その内7台がFD3S型RX-7。S14型シルビアが1台、S15型シルビアが2台、過給器付きS2000が1台、そしてロータス・エキシージが2台という内訳だが、その内の1台、クラス2のチャンピオンを獲得したこともある地元ドライバーの清水エキシージが欠場。直前にエンジントラブルに見舞われすぐにエンジンを載せ換えたが、新しいエンジンのセッティング中にブローというのが欠場理由。結果、12台での勝負となった。
有力選手としては、開幕戦のTSタカタを制し、美浜サーキット大会でも3位表彰台に上がった加藤AP1。美浜サーキット大会を制した川口FD。開幕戦で2位表彰台に上がった堀尾FD。地元勢では、2014年の決勝大会で3位表彰台に上がっている谷川FDがエントリーしている。
このクラスのマシンはすべて過給器付きの後輪駆動。間違いなくパワーを持て余すこのコンディションを考えると、トラクション性能的に優れるミドシップのロータスが有利かもしれない。
クラス4のエントリー台数は、10台。7台がランエボでスバルが2台。そしてNSXが1台。NSXはクラス2じゃないかって? 何と、最新型のNSXがエントリー! 有力ドライバーは、開幕戦の西日本エリア大会を制した山本GVB、中部エリア大会を制した石川CT9A、同じ大会で0.093秒差の2位だった石原CT9A、そして2016年の決勝大会@筑波でクラス4Bを制した武内CT9Aと猛者揃い。今年の4戦中、最もストレートの長いタカスでトップに立つのは誰だ。
オープンクラスのエントリー台数は6台。ランエボが3台、S14シルビア、DB8型インテグラタイプR、そしてEG6型シビックという内訳。台数は少ないが、内藤CT9Aは地元で開催された開幕戦のTSタカタ大会を制し、美浜サーキット大会でも3位表彰台に乗っている超ベテランのディレッツァ・チャレンジャー。田辺CT9Aは、2015年、2016年の決勝大会でチャンピオンを獲得! 前回の美浜サーキット大会でも2位表彰台に乗っている強者。そして尾崎CP9Aは進化する60代と言われて早7年。今年はマシンのセッティングに苦労しているようだが、ここ一発が怖いドライバー。
渡辺EG6はタイムアタック大会初参戦のルーキードライバー。松井S14は前後に295を装着する武闘派女子。堤DB8は10月の美浜サーキット大会を見ていたら走りたくなってエントリーしたが、11月上旬に肋骨を骨折。練習無しで勝負! といういろんな意味でオープンなクラスとなった。