10月9日、体育の日に今年3戦目となるディレッツァ・チャレンジが開催された。中部エリアチャンピオンシップ。開催サーキットは、愛知県は知多半島の南端に近い美浜サーキット。250mのストレートを持つ全長1200mのコースは、13Rから40Rまで9つのコーナーで構成されているテクニカルなレイアウト。コース全体が傾斜のある斜面に作られており、進入から立ち上がりまでフラットなコーナーは一カ所だけ。その中でも最終コーナーは、立ち上がりが急激な上りになっているため、ギヤ比が合っていないとホームストレートのスピードが伸びず、大きなタイムロスとなってしまう。このコースの特徴に合わせたセットアップが必要になってくるコースといえよう。
今回のエントリー台数はほぼ満員御礼の75台。受付が開始された午前7時は想定外の霧雨が舞う曇天。土曜日までは雨が続いていたということもありコンディションは微妙だったが、そのような天候にも関わらず沢山のギャラリーが訪れ、賑やかな大会となった。
クラス1のエントリー台数は募集定員を超える20台。クラス1のエントリー車種は今回も多彩。新旧ロードスター、スイフトスポーツ、AE111型カローラレビン、BMWミニ、ロータスエキシージ、そして残りの14台がホンダ車だが、プレリュードからFD2シビックまで8車種がエントリーしている。
エンジョイ組から勝負組までが集まった20台の中で10台が過去のディレッツァ・チャレンジで入賞経験を持っている猛者達。その中でも注目は、2012年の本庄予選大会でクラス優勝している石川EK9。12年目となるディレッツァ・チャレンジでただ一人、優勝経験を持つ女性ドライバーだ。彼女にとって美浜サーキットはホームコース。優勝を狙うドライバーが沢山いるクラス1を制するのは誰だ!
クラス2のエントリー台数は、クラス1を上回る22台。
その内訳は、S2000が13台というのはいつも通りだが、86が7台というのは嬉しい変化。そして1950ccに排気量アップしたNAロードスター、Z33型フェアレディZが1台ずつ。
その中の有力選手は、今年の開幕戦@TSタカタ大会で優勝!、2戦目の日光サーキット大会では手負いの状態で2位に入った佐鳥AP1。日光サーキット大会を制した宮地AP1改。TSタカタ大会で2位表彰台の町川AP1。開幕戦はトラブルに見舞われ、日光サーキット大会では難しいハンドリングに苦戦しながらも3位に入り、今回はタイヤサイズの見直しなどリフレッシュして挑戦の可児AP1などトップクラスのドライバーがほぼ勢揃い。これだけのメンバーが揃ってしまうと86勢としては苦戦が予想されるが、7台もいると86の中でトップに立つことに価値が出てくる。もちろん、Z33とNAロードスターがどこまで食い込んでくるかも興味深いところだ。
クラス3のエントリー台数は、ほぼ定員の15台。相変わらずFD3Sが8台と幅を利かせているが、シルビアが3台、ロータスエキシージ、SW20型MR2、そして過給器を装着した86とS2000とバリエーションは多彩。
その中での有力選手は、開幕戦のTSタカタ大会で優勝、2戦目の日光大会では日光初走行ながら練習走行でトップタイムをマークしたがミッショントラブルでリタイヤしてしまった加藤AP1。TSタカタ大会ではオープンクラスにエントリーし、2位表彰台に立った川上FD3S。同じくTSタカタ大会でクラス3の2位だった堀尾FD3S。他にも全日本ジムカーナ選手権でも活躍している鰐部FD3Sなど、強豪が揃っている。
クラス4のエントリー台数は、9台。そのすべてがランサーエボリューションという三菱ワンメイクとなったが、細かい話をするとエボ4からエボ10、エボ10の一台は2ペダルのSSTという多彩なバリエーションだ。
この中で有力選手は、このクラスで無敵の存在とも言われた石川CT9A。2012年のYZ予選大会で優勝、2013年の美浜予選大会で2位。そして2014年の決勝大会では4位に入っている石原CT9A。車重が重く戦闘力的には厳しいと言われているエボ10のSSTながら2015年の4Nクラスで3位に入った中園CZ4A。今年のTSタカタ大会で2位表彰台に立った木原CT9A。同じ大会で4位に入った里崎CZ4Aもエントリーしている。
オープンクラスのエントリー台数は9台。4台がランエボ、あとはR35 GT-R、FD3S、S15、CL7型アコードユーロR、そしてMRSというまさに多彩なメンバー。中でもアコードユーロRはGTウイングの幅でオープンクラス入りとなったが、実車を見ると1700mmのウイングで走らせたい気持ちが分かった。かなりカッコいい(笑)。
この中で有力選手は、2014年、2015年の決勝大会で2連勝している田辺CT9A。TSタカタのオープンクラスを制した内藤CT9A。同じTSタカタでオープンクラス3位表彰台に乗った中田FD3S。クラス3でもクラス4Nでも優勝経験を持つ寺浦CZ4A、クラス4マシンではここ美浜の優勝経験を持つ高柳S15、2016年の筑波ではクラス1の2位を獲得した石井MRS。そして強烈な一発を隠し持ち決勝大会で表彰台に立ったこともある尾崎CP9A。そしてR35 GT-Rの使い手、田谷GT-Rなど強者揃い。タイトコーナーで構成される美浜サーキットではどう考えてもランエボ優勢な雰囲気だが、誰が勝つかは予測不能。