DIREZZA CHALLENGE 2017 中部エリアチャンピオンシップ
美浜サーキット 2017.10.9

10月9日、体育の日に今年3戦目となるディレッツァ・チャレンジが開催された。中部エリアチャンピオンシップ。開催サーキットは、愛知県は知多半島の南端に近い美浜サーキット。250mのストレートを持つ全長1200mのコースは、13Rから40Rまで9つのコーナーで構成されているテクニカルなレイアウト。コース全体が傾斜のある斜面に作られており、進入から立ち上がりまでフラットなコーナーは一カ所だけ。その中でも最終コーナーは、立ち上がりが急激な上りになっているため、ギヤ比が合っていないとホームストレートのスピードが伸びず、大きなタイムロスとなってしまう。このコースの特徴に合わせたセットアップが必要になってくるコースといえよう。
今回のエントリー台数はほぼ満員御礼の75台。受付が開始された午前7時は想定外の霧雨が舞う曇天。土曜日までは雨が続いていたということもありコンディションは微妙だったが、そのような天候にも関わらず沢山のギャラリーが訪れ、賑やかな大会となった。

大会ダイジェストムービー

ペダル操作付きオンボードムービー

Class1

クラス1のエントリー台数は募集定員を超える20台。クラス1のエントリー車種は今回も多彩。新旧ロードスター、スイフトスポーツ、AE111型カローラレビン、BMWミニ、ロータスエキシージ、そして残りの14台がホンダ車だが、プレリュードからFD2シビックまで8車種がエントリーしている。
エンジョイ組から勝負組までが集まった20台の中で10台が過去のディレッツァ・チャレンジで入賞経験を持っている猛者達。その中でも注目は、2012年の本庄予選大会でクラス優勝している石川EK9。12年目となるディレッツァ・チャレンジでただ一人、優勝経験を持つ女性ドライバーだ。彼女にとって美浜サーキットはホームコース。優勝を狙うドライバーが沢山いるクラス1を制するのは誰だ!

セッション1

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上位5台にシード権が与えられるセッション1。参加台数が多いこのクラスは、2グループに分かれて10分ずつ走行。このセッションでトップタイムをマークしたのは石川EK9。練習走行では路面が微妙に湿気っていたコンディションにも拘わらず44秒463をマーク! このセッション1では空気圧のセッティングに失敗し不本意だったというが、それでも44秒605。2番手に付けた強敵、加藤FD2にコンマ2秒近い差を付けた。3番手は44秒961をマークした長谷川エキシージ。4番手は44秒998で竹内EK9。ここまでが44秒台。5番手には45秒321をマークした牧田DC5が入りシード権を獲得した。

セッション2

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シード権を獲得した5台を省く15台でファイナルセッション進出を競うセッション2が13時00分から開始された。今回も台数が多いため、セッション1のリザルトをベースに2グループを編成して10分ずつ走行。
まずはセッション1の下位、Aグループの7台がコースイン。計測1Lap目では先頭でコースインした西坂EP3がトップに立つ。タイムは46秒351。2番手の池本EK9に対して2秒以上の差を付けてはいるものの、ファイナルセッション進出が見えるのは45秒台。まだ足りない。しかし、2回目、3回目とアタックする度にタイムを縮め、チェッカー間際の計測9Lap目には45秒729をマーク!
そしてBグループがコースイン。ここで一発を決めてきたのは、安藤FD2。計測1Lapで45秒774をマーク! まだ西坂EP3に0.045足りない。しかし計測3Lap目、2回目のアタックで大須賀EK9が45秒574をマークしてトップに。続いて安藤FD2が45秒698で2番手。杉本FD2も45秒台に入れてきた。この時点で、ファイナルセッションに進むことが出来る5番手は佐々木EK9。しかし、6番手の羽田EG6とのギャップは0.022秒。まだまだ読めない展開と思われたが、大須賀EK9と安藤FD2はこの時点でピットイン。セッション3へ向けて温存作戦に出た。このまま順位が確定するかと思われた計測6Lap目、6番手だった羽田EG6が46秒001をマークして5番手に浮上! セッション3進出を決めた。

セッション3

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いよいよファイナルセッション。走行時間は10分。
全車、ゆっくりとコースイン。行列を作っていたクルマ達が一台一台フライングラップに入って行く姿は、まるで週末の羽田空港。計測1Lap目、トップに立ったのは45秒328をマークした石川EK9。2番手には長谷川エキシージ、3番手には0.097秒差で大須賀EK9。まったくの同タイムで竹内EK9。
計測3Lap目、2回目のアタックでトップに立ったのは竹内EK9。タイムは45秒206。しかし、その直後でアタックしていた石川EK9が44秒856をマーク! 3番手には加藤FD2、4番手には牧田DC5という展開。2番手の竹内EK9が45秒005をマークしてトップの石川EK9に0.149秒差に迫るが、石川EK9は更にベストを更新! 竹内EK9を0.255秒差に引き離す。
たった10分間のセッション3。残り時間は僅か。このタイミングで加藤FD2と長谷川エキシージがベストタイム更新! 2番手の竹内EK9に0.119秒差に迫る。トップの石川EK9は更にベストを更新して44秒599! 2番手をコンマ5秒近く引き離すブッチギリ独走状態。しかし、ベストを更新した長谷川エキシージが連続アタックで44秒785をマーク! 4番手から2番手にジャンプアップ!! 石川EK9に0.226秒差と迫るが、チェッカー。
石川EK9が全セッショントップタイムの完全優勝! 2番手には長谷川エキシージ、3番手には竹内EK9が入った。
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Class2

クラス2のエントリー台数は、クラス1を上回る22台。
その内訳は、S2000が13台というのはいつも通りだが、86が7台というのは嬉しい変化。そして1950ccに排気量アップしたNAロードスター、Z33型フェアレディZが1台ずつ。
その中の有力選手は、今年の開幕戦@TSタカタ大会で優勝!、2戦目の日光サーキット大会では手負いの状態で2位に入った佐鳥AP1。日光サーキット大会を制した宮地AP1改。TSタカタ大会で2位表彰台の町川AP1。開幕戦はトラブルに見舞われ、日光サーキット大会では難しいハンドリングに苦戦しながらも3位に入り、今回はタイヤサイズの見直しなどリフレッシュして挑戦の可児AP1などトップクラスのドライバーがほぼ勢揃い。これだけのメンバーが揃ってしまうと86勢としては苦戦が予想されるが、7台もいると86の中でトップに立つことに価値が出てくる。もちろん、Z33とNAロードスターがどこまで食い込んでくるかも興味深いところだ。

セッション1

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セッション1でブッチギリの速さを見せたのは、練習走行でも唯一の44秒台をマークした可児AP1。2番手は45秒230で梅野AP1改。3番手には、0.15秒差の45秒380をマークした河合AP1。そしてあと2台のシード権争いが熾烈だった。45秒496で内藤AP1が4番手、5番手には45秒533で町川AP1が入ったが、6番手の佐鳥選手との差は0.048秒差。更にその0.043秒差にはソフトトップにエアコン、ナビ付きでクラス2に挑戦してきたクラス3チャンプの前川AP1が7番手と続いた。
結果、町川AP1までがシード権獲得。86勢のトップは46秒249をマークした加納ZN6が10番手。まだ本気を出していない秋本33Zは12番手、大杉ロードスターは15番手。
残念だったのは優勝候補の一台だった宮地AP1改。練習走行でサスペンショントラブルが発生。S2000仲間のお陰で、自走で帰宅出来る状態には出来たものの、この時点で戦列を離脱することに。最終戦での復活を期待!

セッション2

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沢山のギャラリー、そしてセッション1でシード権を獲得した上位5台の選手が見守る中、セッション2が開始された。まずAグループの8台がコースイン。その中でトップタイムをマークしたのは谷口ZN6。タイムは46秒724。2番手を0.657秒引き離すタイムだが、このタイムではセッション3進出は難しい。Bグループのアタックが始まると、あっという間に5番手。トップは45秒897をマークした前川AP1。2番手は0.03秒差で森本AP1。3番手には佐鳥AP1、4番手には相原AP1。そして計測3Lap目には矢島AP2と加納ZN6が46秒6で谷口ZN6の前に出た。5番手(ファイナルセッション進出)の矢島AP2と6番手(セッション2敗退)の加納ZN6の差は0.014秒! 7番手の谷口ZN6との差もたったの0.094秒。まだまだ安心することは出来ない。
ここで、森本AP1が45秒590をマークしてトップに立つ。前川AP1、佐鳥AP1もベストを更新するが、順位は変わらず。上位の数台がセッション3進出を確信しピットインする中、加納ZN6がベストタイムを更新し、5番手に浮上! 矢島AP2は0.013秒差の6番手。これを見てピットアウトした矢島AP2だが、既にチェッカーが近いことを知らせるフライングDが提示されているタイミング。加納ZN6は連続アタックで更にベストタイムを更新! しかもこのタイミングで秋本33Zが本気を出し?自己ベストをコンマ4秒更新する46秒372で5番手に浮上! チェッカー間際のどんでん返し。まさに連続ラップでもグリップが落ちないZⅢならではと言える展開! しかし、矢島AP2は強かった。大きなプレッシャーを背負いながらの一発アタックを見事にキメ、46秒275をマーク! 秋本33Zを0.097秒上回り5番手の座を奪回! セッション3進出を決めた。

セッション3

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結局S2000ワンメイクとなったセッション3。計測1Lap目のアタックをキメたのは可児AP1。45秒316はセッション1のタイムにコンマ4秒近く及ばないが、2番手の相原AP1とのギャップは0.439。3番手は梅野AP1改、4番手には佐鳥AP1と続いている。しかし、2番手の相原AP1と梅野AP1改との差はたったの0.013秒。それどころか、6番手の森本AP1までの差が0.176秒という大接戦。計測3Lap目、町川AP1が2番手に浮上! 計測5Lap目には、森本AP1が自己ベストを更新し45秒673をマーク。2番手の町川AP1とのギャップは0.01秒!! 計測7Lap目、内藤AP1が45秒748をマークし4番手。2番手の町川AP1と3番手森本AP1の差は依然0.01秒。その0.075秒差で内藤AP1。5番手の相原AP1は0.007秒差。更にその0.013秒後方に梅野AP1改というもの凄い接戦。計測9Lap目には町川AP1がベストを更新するが、トップの可児AP1には届かず時間切れ。優勝は、可児AP1。2位は、町川AP1。3番手には森本AP1という結果となった。
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Class3

クラス3のエントリー台数は、ほぼ定員の15台。相変わらずFD3Sが8台と幅を利かせているが、シルビアが3台、ロータスエキシージ、SW20型MR2、そして過給器を装着した86とS2000とバリエーションは多彩。
その中での有力選手は、開幕戦のTSタカタ大会で優勝、2戦目の日光大会では日光初走行ながら練習走行でトップタイムをマークしたがミッショントラブルでリタイヤしてしまった加藤AP1。TSタカタ大会ではオープンクラスにエントリーし、2位表彰台に立った川上FD3S。同じくTSタカタ大会でクラス3の2位だった堀尾FD3S。他にも全日本ジムカーナ選手権でも活躍している鰐部FD3Sなど、強豪が揃っている。

セッション1

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セッション1でトップタイムをマークしたのは、鰐部FD3S。前日の練習走行でターボトラブルに見舞われ、出場自体が危ぶまれたが見事に復活し、44秒640をマーク! 2番手は44秒726をマークした今福FD3S。熾烈を極めたのが3番手争い。結果的に3番手の座をGETしたのは44秒823をマークした扇谷S14だったが、4番手の海老FD3Sとのタイム差は0.009秒の44秒832。それどころか4番手の海老FD3Sと5番手に入った川上FD3Sの差もたったの0.03秒。惜しくもシード権を逃した6番手の川口FD3Sも44秒864。5番手とのギャップはたったの0.012秒ということになる。結果、3番手と6番手のタイム差は驚きの0.041秒。この差の中に4台がひしめいているのである。

セッション2

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計測1Lap目から45秒403という好タイムを叩き出したのは、川口FD3S。ギヤ比が合わないと泣き言を言っていた加藤AP1も45秒998をマークして2番手。計測2Lap目には、連続ラップをキメた川口FD3Sが45秒359、加藤AP1も45秒681とジリジリと差を詰める。3番手には、46秒207の竹内FD3Sと続いている。計測3Lap目、更に連続アタックを掛けた加藤AP1は川口FD3Sに0.102秒差の45秒461をマーク! そしてトップ2台はピットイン。
計測4Lap目には竹内FD3Sも45秒台に入れるが、堀尾FD3Sが45秒785をマークして竹内FD3Sの前へ出るが、計測6Lap目には竹内FD3Sが45秒683と自己ベストを更新し再び3番手! この時点でセッション3進出を賭けた5番手には守澤FD3S。しかし、6番手の藤井S15とのギャップは0.101秒。チェッカー間際に川口FD3Sがダメ押しの45秒105! 川口FD3S、加藤AP1、竹内FD3S、堀尾FD3S、守澤FD3Sという5台がファイナルセッションへと駒を進めた。

セッション3

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45秒台の戦いとなったセッション2だが、シード組は全員44秒台でセッション1をクリアしているドライバーばかり。勝ち上がり組にとっては苦戦が予想されたセッション3。計測1Lap目のアタックでトップに立ったのは、扇谷S14。しかしまだ45秒554。2番手は今福FD3Sだが、まだ全開ではない48秒053。スロースタートの勝負となった。
計測2Lap目、勝負に出たのは鰐部FD3S。2番手に上がってきた川上FD3Sをコンマ5秒近く引き離す44秒871でトップに立つ。しかし、計測4Lap目のアタックでセッション2トップ通過の川口FD3Sが44秒836のトップタイムをマーク! 鰐部FD3Sとのギャップは0.035秒。加藤AP1も44秒928と鰐部FD3Sに0.057秒差と迫る3番手! トップとのタイム差はたったの0.127秒。こうなったら行くしかない。コース上にいる10台がフルアタック状態。
計測6Lap目、川上FD3Sが扇谷S14のタイムを0.046秒逆転し4番手に浮上。すると扇谷S14が44秒台に入れ、ポジション奪回! それどころか3番手の加藤AP1とのギャップはたったの0.022秒! というところでチェッカー。
優勝は川口FD3S。2番手には0.035秒差で鰐部FD3S。3番手には0.057秒差で加藤AP1という恐ろしくシビアな勝負となった。
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Class4

クラス4のエントリー台数は、9台。そのすべてがランサーエボリューションという三菱ワンメイクとなったが、細かい話をするとエボ4からエボ10、エボ10の一台は2ペダルのSSTという多彩なバリエーションだ。
この中で有力選手は、このクラスで無敵の存在とも言われた石川CT9A。2012年のYZ予選大会で優勝、2013年の美浜予選大会で2位。そして2014年の決勝大会では4位に入っている石原CT9A。車重が重く戦闘力的には厳しいと言われているエボ10のSSTながら2015年の4Nクラスで3位に入った中園CZ4A。今年のTSタカタ大会で2位表彰台に立った木原CT9A。同じ大会で4位に入った里崎CZ4Aもエントリーしている。

セッション1

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エントリー台数の関係からセッション1でシード権を獲得出来るのは3台。練習走行に続きこのセッションでもトップタイムをマークしたのは、石原CT9A。タイムは42秒965。2番手は0.046秒差の43秒011で石川CT9A。やはりこの2台が来た! 3番手には43秒580をマークした楠野CT9Aが入ったが、4番手の加藤CN9Aとのタイム差は0.05秒。開幕戦のTSタカタ大会では5番手でセッション2敗退となったが、表彰式で特別賞のアルミホイールをGET! 今回はその賞品を装着。それに合わせてオーバーフェンダーも新調してエントリー。練習走行6番手からのジャンプアップだ。6番手には竹内CT9A。
どうやらこのクラス、優勝ラインは42秒後半となりそうな雰囲気だ。

セッション2

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トップ3台がパドックで待機する中、セッション2が開始された。コースイン台数は6台。セッション3進出が約束されそうなタイムは43秒台前半。まず一発をキメてきたのは、加藤CN9A。計測1Lap目から当日の自己ベストを更新する43秒621をマークしてトップに立った。2番手は竹内CT9Aだが、まだ44秒台。計測3Lap目には竹内CT9Aも43秒台に入れるが加藤CN9Aとは0.316秒差。3番手には中園CZ4A。セッション後半には里崎CZ4Aと木原CT9Aが熾烈な4位争いを展開するが、トップ3のバトルに加わることは出来ず、ここで敗退。

セッション3

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シード組3台、勝ち上がり組3台の6台がコースインしたセッション3。計測1Lap目でトップタイムをマークしたのは、練習走行、セッション1共にトップタイムをマークしている石原CT9A。タイムは43秒260。2番手には0.253秒差の43秒513をマークした加藤CN9A。加藤CN9Aは初っ端からこの日のベストタイムを更新! 賞品でGETしたDIREZZA ST-01Fのマッチングは上々のようだ。そして2回目のアタックが一斉に行われた計測3Lap目、石川CT9Aが渾身のアタックをキメ、トップに浮上! タイムは42秒967。直後に石原CT9Aもベストを更新するが0.239秒差の43秒206。4番手に付ける楠野CT9Aもベストを更新するが、加藤CN9Aには届かず4番手のまま。それどころか、5番手の竹内CT9Aに0.05秒差まで迫られる。
遂にフライングDボードが提示された計測7Lap目、石原CT9Aが石川CT9Aに対し0.093秒差に迫る43秒060をマーク! 加藤CN9Aも43秒465と更にベストを更新。楠野CT9A、竹内CT9Aもベスト更新! チェッカーフラッグが振られた計測8Lap目には加藤CN9Aが43秒283と更にベストタイムを更新! 連続アタックをもろともしないZⅢの熱耐久性を証明したが、順位をひっくり返すまでには及ばず石川CT9Aが優勝! 2番手に石原CT9A、3番手に加藤CN9Aという結果となった。
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Class Open

オープンクラスのエントリー台数は9台。4台がランエボ、あとはR35 GT-R、FD3S、S15、CL7型アコードユーロR、そしてMRSというまさに多彩なメンバー。中でもアコードユーロRはGTウイングの幅でオープンクラス入りとなったが、実車を見ると1700mmのウイングで走らせたい気持ちが分かった。かなりカッコいい(笑)。
この中で有力選手は、2014年、2015年の決勝大会で2連勝している田辺CT9A。TSタカタのオープンクラスを制した内藤CT9A。同じTSタカタでオープンクラス3位表彰台に乗った中田FD3S。クラス3でもクラス4Nでも優勝経験を持つ寺浦CZ4A、クラス4マシンではここ美浜の優勝経験を持つ高柳S15、2016年の筑波ではクラス1の2位を獲得した石井MRS。そして強烈な一発を隠し持ち決勝大会で表彰台に立ったこともある尾崎CP9A。そしてR35 GT-Rの使い手、田谷GT-Rなど強者揃い。タイトコーナーで構成される美浜サーキットではどう考えてもランエボ優勢な雰囲気だが、誰が勝つかは予測不能。

セッション1

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出走台数からセッション1でシード権を獲得出来るのは上位3台。このセッションでトップタイムをマークしたのは、42秒784をマークした寺浦CZ4A。2番手は0.031秒差の42秒815をマークした田辺CT9A。そして3番手には43秒077をマークした内藤CT9A。この3台がシード権を獲得。4番手の尾崎CP9Aは44秒005と3番手の内藤CT9Aに1秒差を付けられているが、尾崎選手を侮ることは出来ない。
興味深いのは、練習走行の結果。練習走行でトップタイムをマークしたのは内藤CT9A。42秒782とセッション1でトップタイムをマークした寺浦CZ4Aのタイムを0.002秒上回っている。2番手は田辺CT9A。そう、練習走行の1位から3位がひっくり返っているのである。
3番手の内藤CT9Aは前回の日光大会で、優勝争いをしながらセッション3でデフトラブルに見舞われリタイヤ。今回はマシンを温存する作戦に出ているのかもしれない。

セッション2

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上位3台がセッション3への進出権を獲得するセッション2。4WD勢は何としても生き残りたいところだろうし、残りの4台は2WD勢のトップを勝ち取りセッション3に進出したいところだろう。
計測1Lap目でトップに立ったのは、尾崎CP9A。2番手には田谷GT-R。2WD勢のトップは石井MRSだがまだまだバランスを整えるための47秒台ラップ。計測2Lap目、アタックしてきたのは中田FD3S。45秒462は尾崎CP9Aとコンマ1秒差。3番手は田谷R35の45秒704。2WDマシンに負けないことも重要だが、4番手の高柳S15との差はたったの0.151秒。そして計測3Lap目、尾崎CP9Aが更にタイムを更新し45秒020をマーク。田谷GT-Rは45秒476をマークし、中田FD3Sまであと0.014秒と迫る。しかし、中田FD3Sが計測4Lap目にベスト更新! 田谷GT-Rに0.456秒差を付け、尾崎CP9Aまで0.156秒差に迫る。後ろ髪は引かれるが、本当の勝負はセッション3。冷静な田谷GT-Rはマシン温存のためピットイン。しかし、セッション1では44秒フラットをマークしている尾崎CP9Aが6Lap目に44秒655! 中田FD3Sも44秒655までタイム更新! まるでZⅢの熱耐久性を実証するコマーシャルのようにジリジリとタイムを更新していく展開。計測9Lap目には尾崎CP9Aが44秒086をマーク! 高柳S15も計測9Lap目のアタックで45秒539までタイムアップ! しかし、惜しくも田谷GT-Rに0.063秒届かず、このセッションで敗退となった。

セッション3

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そしてファイナルセッション。計測1Lap目のアタックでトップに立ったのは、田辺CT9A。タイムは43秒251。計測3Lap目、尾崎CP9Aが自己ベストを更新して43秒960をマーク! 3番手に浮上。しかし、それも束の間。寺浦CZ4Aが田辺CT9Aに0.008秒差の43秒259をマークして2番手! 直後に43秒236をマークして田辺CT9Aが逃げる。3番手には内藤CT9Aがキタ! トップの田辺CT9Aと寺浦CZ4Aのギャップは0.023秒。3番手の内藤CT9Aも0.046秒差で続いている。トップと3番手のタイム差がたったの0.069秒差というシビアな展開! そして1Lapのクーリングを挟んだ計測5Lap目、寺浦CZ4Aが42秒835をマークしてトップに立った! 直後を走行していた田辺CT9Aもベストを更新するが、43秒032。計測7Lap目、田辺CT9Aが42秒台に入れてきた。しかしまだ寺浦CZ4Aとのタイム差は0.138。このタイミングでフライングDボード提示。全車、最後のアタックに入るが、ここでベストを更新したのは内藤CT9Aただ一台。しかし、順位は変わらず。
優勝は42秒835で寺浦CZ4A。2位は42秒973で田辺CT9A。3番手には内藤CT9Aが入った。
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大井競技長賞

熊倉車検長賞

ゲストドライバー賞(山田 英二)

ダンロップ アルミホイール賞

Weds Sport アルミホイール賞

キワミローター賞(S2000)

キワミローター賞(86)

大井競技長のコメント

今回は超満員の75台。それに加え、美浜サーキットの大会はいつもギャラリーが多く、各クラスとも超シビアなアタック合戦が展開され、中部エリアのディレッツァ・マイスターを決めるに相応しい大会となりました。反面、運営側としては、特にクラス1と2が定員を大幅に超えていたためタイムスケジュール通りに進行出来るかが心配でしたが、参加者の皆さまの御協力もあってスムーズな進行をすることが出来ました。
残るは最終戦となる北陸エリア大会。既にエントリーは締めきってしまいましたが、応援団は大歓迎! 蟹も解禁されているので是非遊びに来てください。客観的にタイムアタックを見るのもとっても勉強になりますよ!

DUNLOP MOTORSPORT CHANNEL