DIREZZA CHALLENGEが始まってから12年目となる2017年。2015年までは各地で予選大会を開催し、初冬に決勝大会を開催するというもの。2016年は予選大会をオンライン化し、決勝大会は筑波サーキット一発勝負! しかし、今年はイベントの開催方式を大きく変更! 去年とは対照的に年末の決勝大会を廃止。そして予選大会も廃止し、各地で決勝大会を開催するという新たなチャレンジとになった。
クラス1の参加台数は募集枠一杯の16台。このクラスの特徴は、車種バリエーションが多彩なこと。注目は、例年このクラスで幅を効かせているEK9シビック、DC5インテRといったV-TEC軍団に2Lターボエンジンを搭載するFK2型シビックタイプRが加わったこと。ノーマルで310馬力! そのパワーをミニサーキットで活かすことが出来るかが一つ目の注目ポイント。そしてロータスエリーゼ、MR-S、RX8、新旧ロードスターという後輪駆動車が何処まで頑張るかも興味深い。前輪駆動と後輪駆動は共に8台ずつ。面白い戦いになりそうだ。
クラス2も定員となる16台がエントリー。S2000ワンメイク状態が続いていたこのクラスだが、86が3台、NC型ロードスターが2台、そしてBRZが1台。ちなみにBRZはTsというSTI製の限定モデルだが、2ペダルのAT車。オーナーの藤原久子選手は、クラス1にNAロードスターでエントリーしている藤原裕也選手のお母さん。これはディレッツァ チャレンジ初のトピックスだろう。他には毎回イベント取材という立場で顔を見せていたREVSPEEDの加茂編集部員が取材11年目にしてマイカーの86で遠征初参戦。ノーマルに近い86で排気量アップ当たり前のS2000勢に立ち向かおうとは・・・と思ったが、「ライバルは石井選手のNDロードスター!」。それぞれが、それぞれの目的で楽しめるというのもディレッツァ チャレンジの良いところです。
ここで残念な出来事が一つ。何と、2012年と2016年の決勝大会を制している可児AP-1が練習走行終了間際、Wヘアピンのコース脇でストップ。2015年の決勝大会ではトラブルから立ち直りトップ争いを演じた可児選手。今回も復活するに違いないと期待したが、エンジントラブルでリタイヤとなってしまったのだ。
クラス3のエントリーは7台。その内訳は、シルビア3台、RX-7が1台、そして86、BRZ、S2000の過給器後付け組が1台ずつ。ここは広島県。クラス3にRX-7が1台しかいないことには強い違和感を感じたが、その原因はどうやらレギュレーション変更にあったようだ。販売終了から既に14年が経過するセブン。年を追うごとにチューニングが進み後戻りし難い状態になっているクルマが多いようだ。オープンクラスにRX-7が3台エントリーしていることがその証なのかもしれない。
しかし、セブンが少ないからと言ってこのクラスがトーンダウンしたわけではない。過去のこの大会で優勝2回、2位1回という好成績を残している内藤S15。しかし、今までのディレッツァ チャレンジを戦ってきた赤いS15はナンバーを切ってしまったため、今回はライトチューンの2号機でエントリー。とは言えTSタカタを庭とする広島内藤軍団の若頭、今回も暴れることは間違いない。対するライバルの筆頭は、S2000の排気量を2.2Lにスケールアップし、スーパーチャーヂャーを装着した加藤AP-1。セブンはディレッツァ チャレンジ常連組、堀尾FD。三浦86(スーパーチャージャー)は2016年の3Nクラスを制したドライバーだ。
クラス4の出走台数は7台。GT-Rのエントリーはゼロ。新旧ランエボ6台とインプレッサWRXという2Lターボ4WDの宿敵対決となった。優勝候補の筆頭は2015年のタカタ大会で4Nクラスを制した実績を持つ木原CT9A。そのライバルの筆頭は、2015年のタカタ大会で木原CT9Aと優勝争いをした山本GVBだが、両車共にNクラスでの話。Nクラスが廃止された今年のレギュレーションでのポテンシャルはまだ分からない。
久しぶりに復活したオープンクラス。過去にはEK9シビックが全体ベストをマークしているTSタカタだけに、激ハヤ軍団勢揃いを期待していたが、今回のエントリーは6台。大井競技長的には進化したオープンクラスと呼んで欲しいようだが、残念ながらまだその存在、進化の内容が浸透していないというのが現実。もう一つの要因としては、準備が大変のこのクラス、4月1日に詳細が発表されても対応が出来ないという声もあった。何はともあれ復活したオープンクラス。今回の6台にはオープンクラスの魅力を知らしめる走りを期待しよう!