ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第5戦 – SUZUKA GT 300km RACE

開催場所:鈴鹿サーキット

開催日:2025年8月24日(日)

 
2日間で48,000人の観客を動員した SUPER GT Round5 SUZUKA GT300km RACE。ダンロップタイヤを装着する中嶋レーシングの64号車ドライバー・伊沢拓也選手の今季限りでのGT500クラス引退発表もあり、非常に注目の集まった大会となりました。
 

GT500クラスは昨日の公式予選の結果、64号車は6番手からのスタート。スタートドライバーは伊沢選手が務めます。三重県警のパトカーと白バイによるサイティングラップを終え、いよいよレース開始。気温33.6℃、路面温度50℃というコンディションでスタートしました。伊沢選手は上々の立ち上がりを見せますが、密集の中ではダウンフォースが得られずピックアップが発生。ペースメイクに苦しみながらも後続を抑えてポジションをキープします。SCが出てもペースを乱すことなく、しっかりと大草りき選手へマシンをつなぎました。その間、伊沢選手は無線でチームにバックアップ用のソフトタイヤを提案。チームもこれを受け、低温側のバックアップタイヤを装着して大草選手を送り出すことを決定します。この週末、一度も使っていなかったタイヤで走り始めた大草選手は序盤こそペースに苦しみますが、路気温が下がってタイヤが本来の温度域に入るとペースを回復。ピット作業を含め9位まで落とした順位を8位に戻し、ラスト2周では前を走る12号車をシケインで詰め、最終コーナーでオーバーテイクに成功。今季最上位となる7位フィニッシュを果たしました。

 

GT500クラス
優勝 #23 MOTUL AUTECH Z /BS
2位 #14 ENEOS X PRIME GR Supra /BS
3位 #3 Niterra MOTUL Z /BS
7位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT

伊沢拓也選手
「少し硬いタイヤを選んでいましたがスタートは問題なく、序盤は良いペースを刻めていました。しかしSCが入ったあとのリスタート明けで途端にペースが厳しくなりました。特に新舗装のセクター1でバランス的にオーバーステアが発生し、難しいレースになってしまいました。でも、ちゃんと戦ったレースで内容はとても良かったと思います。今週、GT500の引退を発表しましたが、これまでダンロップに助けてもらったレース人生でした。最後に恩返しできるように、成績で返せるよう残り3戦を頑張ります」
 
大草りき選手
「伊沢選手最後の鈴鹿ということもあり、もっと上位で終われれば良かったですが、自分の中ではほぼ100%を出せたレースだったと思います。途中フェラーリに詰まってしまったり、まだ実力が足りない部分もあったので今後の改善点とします。12号車とのバトルでは、追いついたら行くしかないと思って仕掛けました。バックアップタイヤの選択については伊沢選手のフィードバックとチームを信じて走りました。周りが元気なときは厳しかったですが、セクター3・4では他の車両より優位性が出てきて後半は良いスティントになりました。次のSUGOではさらに良い結果を出せるようチームと準備します」
 
ダンロップタイヤ GT500クラス開発担当/佐藤洋平
「タイヤ性能的には狙いどおりのところに落ち着いたと思っています。バックアップタイヤでも途中で前の車両をパスでき、チームの選択は正しかったと感じました。しっかり戦ってくれたのは嬉しいですが、ピークが少し足りなかった部分は来年に向けて良いデータになりました。次のSUGOはGT500では走れていませんが、GT3でのテストでは摩耗が非常に厳しいので、きちんと対策します。伊沢選手とは中嶋レーシング加入以来ずっと一緒に開発してきました。叱咤激励を受けつつ、伊沢選手が作ってくれたタイヤでここまで来られたと思います。最後に笑える結果で締めくくれるよう、残り3戦もチームをしっかりサポートします」
 

 
今回もドラマチックな展開となったGT300クラス。全車予選Q1を通過したダンロップタイヤ装着の6台。ポールポジションから優勝を狙うのは61号車 SUBARU BRZ。60号車 LC500、777号車アストンマーチン、45号車フェラーリ296も背後から勝利を目指します。
 

スタートから良い蹴り出しを見せたのは61号車。後続の7号車を圧倒するペースでリードを広げます。しかし、SCが入ると徐々にタイヤ摩耗が進みペースが上がらなくなります。上位陣が18周目に給油のためピットインしたのに対し、61号車はステイを選択し23周目までコース上に留まります。この間に7号車や5号車にアンダーカットを許し、実質8位まで順位を落としました。このタイミングで実質トップに立ったのは21周目にピットインした60号車 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹選手)。しかし60号車も中盤以降、10周を消化したあたりからペースが落ち始め、背後の7号車が猛追。懸命にブロックしましたが、スプーンカーブで先行を許します。
 
一方、後方では7位まで上がっていた777号車の左リアタイヤが最終コーナー手前でバースト。藤井選手のリカバリーで大きな損害は免れましたがコースオフを喫します。また、61号車の山内英輝選手は猛烈な追い上げを見せ4番手まで浮上。残り5周、バックストレートエンドで6号車がバーストしFCYが導入されます。残り4周で解除された直後、61号車は前を走る5号車をパスし表彰台圏内へ浮上。そのままの順位でチェッカー。結果は60号車が2位、61号車が3位でしたが、レース後の公式車検で60号車は最低重量不足により失格。繰り上げで61号車が2位、11号車も貴重なポイントを獲得しました。
 
GT300クラス
優勝 #7 CARGUY Ferrari 296 GT3 /YH
2位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
3位 #5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 /YH
4位 #45 PONOS FERRARI 296 /DUNLOP
10位 #11 GAINER TANAX Z /DUNLOP
14位 #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
24位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
 
 
#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

井口卓人選手
「序盤のペースは自信を持てるもので、後続をしっかり離せました。しかしSC明けからはペース作りが厳しかったです。もう1段階上げられれば良かったのですが、タイヤが熱を持ちすぎてしまった感じでした。ただ、こうして順位を残せたのは本当に良かったと思います」
 
#60 Syntium LMcorsa LC500 GT
吉本大樹選手
「本当に久々に“レースができた”という思いです。シーズン終盤ですが、残りのレースもこういう戦いをして、準備を整え来年のチャンピオンを狙いたいです。ダンロップさんも良いタイヤを用意してくれて、チームのピットワークも完璧、河野選手も良い走りをしてくれました。今回はこういう結果でしたが、次のSUGOは車両的に相性の良いサーキット。次は2位ではなく1位でフィニッシュできるよう頑張ります」
 
ダンロップタイヤ GT300クラス開発担当/大小瀬求
「走行中のパフォーマンスは各車良かったと思います。特に61号車は速さを信じていたので、きちんと走り切れば結果を残せることを証明してくれました。60号車については富士と同じタイヤで、鈴鹿テストで得たセットを踏襲した結果、良い走りができました。これを他サーキットでも再現できれば上位に来られると確信しています。777号車に関してはチームに多大な迷惑をかけてしまいました。前日のロングランテストでは内部構造まで確認し問題はなかったのですが、レースでこうした状況になった理由を検証しなければなりません。次のSUGOまで時間は少ないですが、対策品を準備します」

 

 

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