ダンロップモータースポーツ

【決勝レポート】SUPER GT 第3戦 – SUPER GT MALAYSIA FESTIVAL 2025

開催場所:セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)

開催日:2025年6月28日(土)

 
 12年ぶりの海外レースとなったセパン・インターナショナル・サーキットでの第3戦。現地時間16時半からのトワイライトレースとはじめて尽くしの大会となりました。梅雨明けした近畿地方も初夏の暑さとなりましたが、その暑さを凌ぐ現地の気温は33℃。そして驚くべきはその湿度…、50%超えとまさに熱帯地域そのものとなりました。

 そんな中、GT500クラスは64号車 Modulo CIVIC TYPE R-GTが3番手からスタート。ドライバーは大草りき選手。予選からの温まりの良さを活かして前との距離を詰めていきます。しかし、前日の夜に降った雨が路面を変えてしまい、予選日とは大きくコンディションの変わってしまった路面。大草選手はその中で順位をキープする走りに徹します。しかしバックマーカーをパスするタイミングでラインを外すしかなくピックアップがつきはじめペースを上げることができません。徐々に順位を落とすしかない大草選手。6番手まで下がったところでペースを回復させます。ここでステイする選択をとった64号車。23周目でピットへと飛び込み伊沢拓也選手に交代します。これで順位を9番手まで落としてしまったModulo CIVIC TYPE R-GT。ときおり上位陣と遜色のないタイムを記録する64号車ですが、バックマーカーが現れた瞬間に大きくタイムを落としてしまいます。ダスティな路面が伊沢選手を苦しめます。それでも後続から順位を守る走りに徹する伊沢選手。なんとか9位を死守し続けます。しかし、残り2周を残して14号車に交わされてしまい10位となり、ここでチェッカー。悔しいレースとなってしまいましたが貴重な1ポイントを持ってかえることができました。
GT500クラス
優勝 #37 Deloitte TOM’S GR Supra /BS
2位 #8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8 /BS
3位 #12 TRS IMPUL with SDG Z /BS
10位 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT /DUNLOP
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
「望んでいた結果にはなりませんでしてが、前回の富士から使用している新しいコンパウンドが機能してくれている時間もありました。僕のスティントは大きなピックアップよりも低速域のコーナーグリップが足らず、あと少しのきっかけで大きく進歩出来る手応えを感じたレースになりました。次戦の富士は今回の結果を元に、さらに上位を目指していきます」
大草りき選手
「GT300が出てきてからはピックアップに悩まされてしまい、ペースを上げることができませんでした。僕のスティントの中盤からはペースの良いグループと上がらないグループの2つに分かれてしまった形でしたね。そこからはコースにマシンを残すのも厳しい状況でしたが自分のできることはやれたと思っています。次の富士はスプリントになりますがもっといい結果を残せるように頑張ります」
 

ダンロップタイヤGT500クラス開発担当/佐藤洋平
「レースは厳しい結果となってしまいましたが前向きな手応えもあったレースでした。ウォームアップ走行では予選のよときのようなポジションで走れていたので、決勝も期待はしたのですが、決勝の路面が大きく変化してしまいウォームアップ性の良さも失ってしまいました。また、GT300が現れるとピックアップに悩まされたのが痛かったです。ただ、クリアな状況で走れればピックアップが取れている様子もありました。しかし、レースが進むにつれクリアに走れる時間がなくなりピックアップに悩まされ続けてしまいました。伊沢選手のスティントはより柔らかいコンパウンドも考えたのですが、大草選手と同じコンパウンドを選択しました。走り出しこそ厳しかったですが、ペースはトップと遜色ないタイムも出ており、テストと同じようなデータが取れていたので悪くなかったと思います。ただ、こういった混走状況になったときを見据えたデータがまだまだ足りていないのかもしれません。次の富士もいま作っているタイヤの方向性を維持しつつ、しっかりとコンディションに合ったタイヤを提供できるように努めたいと思います」
 

 

GT300クラスは45号車が過給圧違反でピットスタートとなってしまいましたが、61号車と777号車が上位からスタートしました。スタートで仕掛けた61号車井口卓人選手でしたが、前を塞がれてしまったところを777号車藤井誠暢選手に交わされてしまい7番手までポジションを落としてしまいます。しかし、ペースの上がらない777号車にぴたりと張り付く61号車。このタイミングで現れたGT500の上位車両にと交錯する中、後続の車両に接触されてしまいさらに順位を落としてしまいます。さらにこのタイミングで61号車をピックアップが襲います。それでも前にくらいつく井口選手。21周目にピットへ入った井口選手は山内英輝選手へとマシンを託します。全車ピットを終え、777号車が7位、61号車が9位、60号車が14位、92号車が15位、45号車が16位につけます。ハードタイヤで終盤に勝負をかけた山内選手。前を行く65号車との距離を詰めますが抜くスピードはありませんでした。序盤からペースに苦しみながらも安定したラップを刻んだ777号車がシリーズタイトル争いをしている65号車の追撃をなんとかしのぎ切り、ダンロップタイヤ装着車両最上位となります。どのマシンもピックアップに悩まされながらのレース。ダンロップ装着車両を表彰台に送り込むことはできませんでしたが全車無事完走を果たしました。
GT300クラス
優勝 #18 UPGARAGE AMG GT3 /YH
2位 #2 Green Brave GR Supra GT /BS
3位 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG /YH
6位 #777 D’station Vantage GT3 /DUNLOP
8位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT /DUNLOP
14位 #45 PONOS FERRARI 296 /DUNLOP
17位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT /DUNLOP
16位 #96 K-tunes RC F GT3 /DUNLOP
18位 #333 EBM Vantage GT3 /DUNLOP
 

ダンロップタイヤGT300クラス開発担当/大小瀬求
「決勝前の朝は雷も落ち、ものすごい雨が降ったことでラバーがなくなってしまうためグリップが低くなってしまうのですが、思いのほかその心配はありませんでした。しかし、ゴムが減っていく中、どんどんグリップを失う傾向がありました。特に777号車は予選で使ったハード側のタイヤでスタートしたんですが藤井選手が、グリップが足りないタイヤでも着実にラップを重ねてくれたのは良かったです。チャーリー選手にドライバー交代したときはひとつ低温側のタイヤを選択したんですが、ハード側よりは良くなりましたが、それでもピークグリップが足りませんでした。その中でもチャーリー選手がポイントリーダーの65号車を抑えきってゴールしてくれたのは嬉しかったです。僕らが提案したタイヤが条件に合わなかったことは非常に申し訳なく思っています。ただ、その中でもそのタイヤでいかに性能を引き出すためのディスカッションをできた週末でもあったと思います。お互いを信頼し、チームの皆さんとひとつひとつ段階を踏んでレースを組み垂れられたのは良かったと思います。また61号車に関しても、ピークが足りなかった故に難しい中団でのレースを強いてしまい、余計なプレッシャーのかかるポジションでのレースとなってしまいました。次の富士は『夏の富士』というコンディションを考えたタイヤをご提案してチームをサポートしていきたいです」

 

 

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