ダンロップモータースポーツ

【レポート】SUPER GT 第1戦 決勝 – 岡山国際サーキット

開催場所:岡山国際サーキット

開催日:2024年4月14日(日)

 

最高気温27℃という4月とは思えない夏日となったSUPER GT開幕戦。昨日の公式予選も想定した温度域よりも各車軒並み高い状況となったにも関わらず、決勝日はそれを上回る気温を記録しました。
 
≪GT500クラス≫
予選13番手からスタートとなった64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT。開幕戦にダンロップタイヤが用意したタイヤはレースでの耐摩耗性と安定性を重視したコンセプトのタイヤでした。予選で2アタックしたタイヤでしたが、スタートから安定したラップを刻みます。オープニングラップにも関わらずヘアピンで前の車に並びかけオーバーテイクを試みます。インを抑えきり順位を上げると思われた瞬間、スピンした車両に上位陣のマシンが突っ込んでしまうというクラッシュが発生。セーフティーカーが導入されてしまいます。その後GT300クラスが現れるまで64号車は安定したラップで後方から追い上げてきたマシンをしっかりと抑え込むことに成功。31周目まで伊沢拓也選手がきっちりと走り、2番手の大草りき選手へマシンをつなぎます。大草選手はGT500デビューレースにも関わらず、コースインするとすぐに目の前を走るマシンをアドウッドコーナー立ち上がりでオーバーテイク。順位をひとつ上げ、10番手まで順位を押し上げます。その後、この順位を守り切り開幕戦で貴重はポイントを手にしました。
 
優勝 #36 au TOM’S GR Supra BS
2位 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra BS
3位 #100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT BS
10位 #64 #64 Modulo CIVIC TYPE R-GT DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/51620
 

 
GT500クラス/10位
#64 Modulo CIVIC TYPE R-GT
伊沢拓也選手
「予選での2アタックの影響はほとんどなく、レースの手応えとしては過去一くらい機能してくれたタイヤでした。この冬で体制もマシンもスタッフも大きく変わった中でこのタイヤを用意してもらったのはとても良かったです。大草選手に交代するタイミングできっちり前のマシンをアンダーカットしてオーバーテイクすることもできましたし、チームもいいタイミングでピットに導いてくれたと思います。今シーズンはチャンスがきたときにしっかり戦えるところまできたと思います。チャンスがあればしっかり上を狙って戦いたいと思います」
大草りき選手
「初レースは想定以上にタイヤもたれずに走ってくれて、自分にとってはとてもいいレースができたと思っています。アドウッドの立ち上がりで日産を抜くことができたのも良かったです。ただ、GT300をかわしながらレースをするのは初体験だったんで、もう少しどうにかしなくちゃいけないと思っています。伸びしろはまだまだあると思うのでこれからに活かしていきたいと思います」
 

 
≪GT300クラス≫
セカンドローから61号車と96号車が並んでスタートした決勝。序盤は61号車のSUBARU BRZが虎視眈々と前を狙うペースで追いかけると、車重の重い96号車のK-tunesが苦しい戦いとなりました。しかし、61号車のタイヤの摩耗が激しくリアタイヤからバランスを崩し始めるとペースを上げることができず徐々に順位を落としていきます。終盤、タイヤ無交換作戦をとった5号車に後ろから追突してしまいドライブスルーペナルティを受けると、オイル漏れが発生。再びピットへと戻ることになります。一方、出だしこそ厳しかった96号車は安定したペースを刻み、着実にゴールへとマシンを運びます。表彰台こそ逃してしまったものの6位入賞を果たしました。

優勝 #2 muta Racing GR86 GT BS
2位 #65 LEON PYRAMID AMG BS
3位 #7 Studie BMW M4 MI
6位 #96 K-tunes RC F GT3 DUNLOP
12位 #60 Syntium LMcorsa GR Supra GT DUNLOP
19位 #777 D’station Vantage GT3 DUNLOP
26位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT DUNLOP
全ての結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/51623
 

 
GT300クラス/6位
#96 K-tunes RC F GT3
新田守男選手
「僕たちの想定温度から随分ずれてしまっていたので、最初はタイヤを温存しながら序盤は抜かれてしまいましたが、自分のスティント終盤にはきちんと3番手争いの後ろにつけることができたので悪くなかったと思っています。6位という結果はでていますが、まだまだ僕らが思っているようなパフォーマンスは出せていません。シーズンを戦っていく上でもう少し改善しなくてはいけないところもあると思っています」
高木真一選手
「非常に厳しいレースでしたが、この暑さの中で新しいタイヤのテスト走行を兼ねたレースとなりましたが悪くない結果だったと思います。いろいろと新しくしたタイヤだったので、いろいろなものが見えたのは良かったと思います。とにかくこのレースでいろいろデータも取れたので、これからに活かしていかなくちゃいけないですね。レースはピットインのタイミングも良かったと思いますが、SC導入のタイミングを考えるとファーストスティントを短く、セカンドをロングというパターンが多くなると思います。よりタイヤに耐久性が求められるようになっています。自分がこの車に乗るようになって『得意』『不得意』があまりなくなってきていると思っています。次の富士でもいけるようならいつでもいけるようにしておきたいと思います」
 

 
そんな両レースを受け、タイヤ開発責任者の安田は今回のレースをこう締めくくりました。
 
ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直
「GT500クラスは結果だけみるととても良いものではないんですが、このシーズンオフにテストがまともにできていないことを考えると、データはとてもいいものがとれました。路面温度が45℃という条件で、物性も含めて想定したタイヤを持ってきてはいるものの、この路面温度は上限の中に入っているとは言え、いろいろ厳しかったところもあると思います。確かにトップから遅れてはいますが、タイムが落ちず、しっかり戦えた部分は良かったです。でも、やはり一発のタイムをもっと追い詰めていかないといけないと思います。今大会のバランスの良い減り方はそのままに予選から戦えるタイヤを次までには用意したいと思います。またGT300クラスは61号車では摩耗が激しく、96号車はしっかりときれいにタイヤが減っていきました。61号車は終盤リアのグリップが本当に厳しい中、あのクラッシュにあってしまったことを考えると、僕らの方でもっとサポートできる部分がなかったのかと反省するところが残ります。次の富士までにはバージョンアップさせたタイヤを投入できるよう頑張っていきたいと思います」