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20165/4SUN第2戦 富士スピードウェイ

GAINER TANAX GT-Rが粘りの走りで5位入賞
優勝も見えたGAINER TANAX AMG GT3は、無念のリタイア

5月3-4日、SUPER GTシリーズ2016の第2戦、「FUJI GT 500km RACE」が富士スピードウェイで開催された。ダンロップはGT300において、昨年ダブルタイトルを獲得したGAINERの「GAINER TANAX GT-R」(アンドレ・クート/富田竜一郎)と「GAINER TANAX AMG GT3」(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)、そしてR&D SPORTの「SUBARU BRZ R&D SPORT」(井口卓人/山内英輝)の3台を引き続き、さらにAudi Team Hitotsuyamaの「Hitotsuyama Audi R8 LMS」(リチャード・ライアン/藤井誠暢)も陣営に加えることとなった。前回のレースでは3台が入賞、今回は全車揃っての入賞に期待がかかった。
岡山国際サーキットで行われた開幕戦では、「GAINER TANAX AMG GT3」の平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組が4位、「Hitotsuyama Audi R8 LMS」のリチャード・ライアン/藤井誠暢組が7位、そして「GAINER TANAX GT-R」のアンドレ・クート/富田竜一郎組が8位と、ユーザー4台のうち3台が入賞を果たすこととなった。その一方で、「SUBARU BRZ R&D SPORT」の井口卓人/山内英輝組は、ペナルティによって下位に沈んでいた。
しかしながら、入賞を果たしたドライバーも揃って表情は今ひとつ。それはトップ争いには一切加われなかったのが原因だ。幸い、全車が完走を果たしたこともあり、しっかりデータを蓄積、また課題なども明らかになった。タイヤにもしっかり対策が施されていただけに、それぞれが逆襲を誓っていたのは言うまでもない。今回は国内レースとしては最多の観客動員を集める、ゴールデンウィークの恒例イベント、富士500kmレースであるだけに、アピールには絶好の場でもあるからだ。最初の走行となった公式練習では、「Hitotsuyama Audi R8 LMS」のライアンが2番手につけ、好発進に成功。その一方で、他の3台がやや苦戦を強いられているようではあった。予選でうまく立て直してきたのが、「SUBARU BRZ R&D SPORT」と「GAINER TANAX GT-R」で、それぞれQ1を井口と富田が担当し、7番手、12番手で突破を果たしたからだ。そして、「Hitotsuyama Audi R8 LMS」の藤井も8番手につける。ところが、「GAINER TANAX AMG GT3」の平中は、あとコンマ2秒及ばず16番手となり、Q2で待つビルドハイムにバトンを託すことはできずに終わる。
だが、それには前回の入賞で積まれた20kgのウエイトハンデや、クリアラップが取れなかったことなどの理由があった。
ともあれ、Q2に挑んだ「Hitotsuyama Audi R8 LMS」のライアンは6番手、「SUBARU BRZ R&D SPORT」の山内は8番手、そして「GAINER TANAX GT-R」のクートは9番手と、それぞれシングルグリッドを獲得することとなった。「リチャードがすごくいい走りをしてくれたので、6番手からのスタートになります。上出来じゃないでしょうか。絶対的な武器はないんですけど、ミスやトラブルなく、コツコツ走っていけば、きっといい結果が残ると思っています」と藤井。

決勝当日は、雨の予報に反して強い日差しがコースに注がれ、早朝のフリー走行スタート時には、前夜の雨による路面状況を回復させていた。気温は予報どおり上がっていたため、平中はようやく笑顔を見せる。「もっと上がってもいいぐらい。少なくてもネガティブな要素は、ひとつもありません」と語るとおり、フリー走行でタイムを6番手に巻き返していたからだ。他の3台も、あくまで決勝に向けたセットのため、順位は今ひとつだったものの、スタート前のウォームアップ走行と合わせ、ドライバーは揃って好印象を告げていた。
決勝レースでいきなり見せ場を作ったのが、「Hitotsuyama Audi R8 LMS」のライアンと「SUBARU BRZ R&D SPORT」の山内だ。4周に渡って激しいバトルを繰り広げ、やがて「GAINER TANAX GT-R」の富田も加えることに。

ここでの軍配は山内に上がって5番手に浮上、そして5周目には富田も6番手に上がる。さらに、その後方では「GAINER TANAX AMG GT3」のビルドハイムが徐々に順位を上げていた。11周目にはライアンに続き、20周目には逆転して8番手に浮上する。だが、その一方で山内が大きく順位を落とす。ペースが思うように上がらなくなったため予定を変更、28周目には井口と交代する。それより早く、22周目にはライアンも藤井と交代。その後も順位を上げ続けていた、平中とは好対照な状況となっていた。
富田は30周目に、ビルドハイムは33周目に交代、「GAINER」の2台は戦略がピタリとはまっていたのは明らかだ。その後、クートと平中が3番手、4番手を走行。クートが61周目にピットに入ったことにより、平中はついに3番手にまで浮上することとなる。が、それから間もなく「GAINER TANAX AMG GT3」がスローダウン。63周目に急きょピットに入り、ビルドハイムが再び乗り込むも、すぐにマシンを止める。ギヤトラブルが原因だった。
一方、早めの交代を余儀なくされた「SUBARU BRZ R&D SPORT」と「Hitotsuya Audi R8 LMS」が、スタートタイヤとは異なるタイヤに改めたことで、ペースを取り戻していく。そしてGT500車両のアクシデントでセーフティカーが入ったことで、それぞれに明暗が分かれることになった。まず「SUBARU BRZ R&D SPORT」の山内がセーフティカーを抜いたと判定され、ドライビングスルーを課せられてしまう。「そんなことがあるはずがない」と辰己英治総監督は必死に抗議するも、判定は覆らなかった。これに対して、セーフティカーとの位置関係により、6番手の「GAINER TANAX GT-R」と7番手の「Hitotsuyama Audi R8 LMS」は後続が周回遅れとなり、プレッシャーにさらされずに済むようになったからだ。それどころか、91周目に「GAINER TANAX GT-R」が一台を抜いて5位、「Hitotsuyama Audi R8 LMS」は7位でゴールし、2戦連続の入賞を果たした。その一方で、「SUBARU BRZ R&D SPORT」の激しい追い上げもあと一歩届かず、11位と悔しい結果に終わることとなった。「ペナルティが納得いかない」と辰巳総監督。また5位入賞にも富田は「表彰台に上がれる力はあったのに、僕には理由が分からないのですが、セーフティカーが入ったところで不利な状況に追い込まれていて……」と、その表情に笑みは浮かんでいなかった。これに関して、ダンロップモータースポーツの斉脇課長は「セーフティカーの件もありますが、優勝したのが同じGT-Rとあって、もっとレベルアップしないとダメですね」と述懐する。さらに「BRZは今年からフロントのタイヤサイズを変えて、1周の速さは見えてきたのですが、決勝をずっと速く走るところには課題がありました。メルセデスに関しては表彰台が見えていただけに残念ですし、アウディも同じクルマの中ではトップで終われたのですが、目指すところはもっと高いところなので、底上げを……。今回はそれぞれに課題が見つかったので、一緒に克服できるようやっていきたいと思います」と巻き返しを宣言。きっと今の苦労は、今後実を結ぶはずだ。