気温34℃の真夏日の中開催された真夏のSUPER GT第5戦。戦いの場はグランプリコースの聖地・鈴鹿サーキットです。ハイダウンフォースと左右にGが次々とかかる複合コーナーの連続する鈴鹿は、非常にタイヤに厳しいサーキットとして知られています。しかし、ダンロップにとってこのコースは非常に相性の良いサーキット。昨日の公式予選ではGT500クラスが2番手フロントロー、GT300クラスでは2位、3位、4位と上位を占める結果に! 32,000人にも及ぶ動員を記録する中、今日の決勝にも大いに期待がかかりました。
■GT500 – ウォームアップに苦しんだ週末
悔し涙を流した公式予選から一転。フロントローからスタートを担当するのは大草りき選手でした。上位トップ4をホンダプレリュードで占めた公式予選。前後を同じマシンに挟まれる中、スタートから非常に厳しい展開がやってきます。富士でのスタート同様、タイヤのウォームアップに苦しむ大草選手。トップには間隔を開けられ、後続からはプレッシャーをかけられてしまいます。しかし、その速度差には勝てずにポジションを譲ることに……。5周目を終了したあたりから徐々にグリップ感が増し、本来のスピードを取り戻す64号車。トップと遜色ないタイムを記録するラップもありました。今度はそのスピードで前を走る8号車との差を詰め、FCY解除のタイミングでオーバーテイク。表彰台の位置までポジションを回復します。
その後、ミニマムの周回数となる18周でピットインした車両をフォローするように64号車も19周目にピットへ。しかし、ここでインパクトレンチがホイールナットを噛んでしまいタイヤ交換に手間取ってしまいます。ここでのタイムロスがパッケージで走っていた集団に飲み込まれるきっかけとなってしまい、64号車は大きく順位を落としてしまいます。さらにウォームアップに時間がかかってしまうこともあり、イゴール選手は高いフラストレーションのかかる走行となってしまいます。その後、GT300のマシンと接触してしまったことでゴールタイムに40秒が加算されるペナルティが宣告。10位でフィニッシュするもリザルトは12位という結果でレースを終えることとなりました。レース後、イゴール選手は悔し涙を見せる場面も……。次戦SUGOでの活躍に期待せずにはいられません。
■GT500ダンロップタイヤ装着車両結果
12位 Modulo PRELUDE-GT
大草りき選手
「序盤からウォームアップに苦しんだレースになってしまいました。僕のスティントはそんなに悪くなかったんですが、トップが逃げるのを止めることはできませんでした。自分のスティントの最後にARTAを抜けたのは良かったんですが、もっと前との差を詰めてピットへマシンを運べていたらと反省もしています。ちょっと悔しいですね。幸いなことに一番軽い状況でSUGOを迎えることができます。昨年はしっかり力のあるレースをすることができました。クラッシュこそありましたが去年の感じを見ると決して悪くないと思っています」
イゴール・オオムラ・フラガ選手
「……悔しいですね。フロントローからのスタートだったんで、今回こそいい結果につなげられると信じていたんですが……。大草選手も凄く良い仕事をしてくれた。でも、自分もタイヤのウォームアップに苦しんでしまい、レースの展開としても非常に苦戦する状況になってしまいました。自分でも分からないうちに気が付いたら8番手、9番手を走っていました。300の処理にも非常に気を使わなくてはいけなくて、その中でちょっとしたミスがあり接触を起こしてしまいました。外側のタイヤがロックしてしまって止めきれませんでした。いまは、『あの時どういう判断をしておけば良かったんだろう?』と自問自答しています。次のSUGOですが早くレースをしたい気持ちでいっぱいです。できることは全部やって、万全の状態で臨みたいと思います」
伊沢拓也監督
「スタートで少しポジションを落としてしまったんですが、その後はペースもしっかりキープできましたし、大草選手もポジションを取り戻してくれるなど良い仕事をしてくれました。セカンドスティントに入るタイミングでミスがあり、ちょっとした綻びが大きな影響となって順位を大きく落としてしまったのは残念で仕方ありません。争っている集団がパックで走っていたこともあり、数秒遅れると何台もの車両に前にいかれてしまった感じです。SUGOは昨年も良いレースができたサーキット。良い走りをしたいですね」
■GT300 – タイヤに厳しい高負荷、高温での決勝
今大会もダンロップタイヤ装着勢に厳しい路面コンディションが襲い掛かります。予選2番手からスタートした777号車。しかし、ストレートスピードで苦しむ同車をトップ9号車は序盤から突き放していきます。予選では速さを見せていた777号車ですが、決勝ではレコードラインを外すことも多く、ペースを上げることができません。しかし、順位をキープしながらレースは進行。ピットに入ると給油リストリクターがかけられていることもあり順位を大きく落としてしまいます。ダンロップタイヤを装着する60号車に前にいかれるも、その60号車がタイヤトラブルで緊急ピット。そこからチャーリー・ファグ選手は粘り強い走りを見せ4位でチェッカーを受けました。この結果、777号車はシリーズランキング2位に浮上。トップと1ポイント差という好位置でSUGOへ向かうこととなりました。
■GT300ダンロップタイヤ装着車両結果
4位 D’station Vantage GT3
9位 GAINER TANAX Z
13位 Syntium LMcorsa GR Supra GT
28位 SUBARU BRZ R&D SPORT
■GT300 – コメント
4位 D’station Vantage GT3
藤井誠暢選手
「正直、富士のレースがあって鈴鹿はQ1も通らない、ポイントも獲れないというのを想像はしていたんですが、ストレート以外でできることを全部やった結果がこのリザルトを生んだと思っています。タイヤ選択に関してもコンサバティブにはならず、いままで一番攻めた選択をしました。一発の速さを求めて選んだタイヤですが、いままでのダンロップタイヤの特性を考え、ピークグリップが高くてもきちんと使えれば意外と持つんだと信じていきました。それが功を奏した感じです。そして、チャーリーのスティントでは少し硬めのタイヤを選択したんですが、それもダンロップさんの良い提案でした。戦略もドライビングも全てが上手くいった大会になりました。残り3戦、ここから良いレースを続けていきたいと思います」
チャーリー・ファグ選手
「第1スティントから非常に良いペースでした。ウェイトハンデやピットストップでのハンデが非常に厳しいものがあったため、順位を落としてしまいましたがこの順位でゴールできたことには満足しています。順位を回復するのは正直厳しい状況でした。でも、ダンロップタイヤの性能は非常に力強いものでした。ロングランのペースもとてもよかったことが最良の結果につながったんだと思います。SUGOは我々が好きなサーキットのひとつ。過去の成績も良いですし、我々のマシンに合っていると思っています。タイヤを上手く最適な作動領域に入れることさえできれば、またダンロップタイヤが高いパフォーマンスを発揮してくれると信じています」
■ダンロップタイヤ開発陣コメント
モータースポーツ部・安田恵直
「今大会もGT300クラスではタイヤに問題が発生。工場に持ち帰り早急に原因究明に取り掛かりたいと思います。そんな中、ウェイトハンデが重い777号車が好成績で終えてくれたことには驚きを隠せません。とてもよくできたレースでした。GT500クラスはまだまだ厳しい戦いが続いています。タイヤのウォームアップ問題に関しても、レース後にチームとミーティングを行い、セットアップも含めもう1度SUGOまでに見直しを図りたいと思っています。さらにSUGOに持ち込むタイヤは今大会使用したスペックとは少し異なる構造をしています。昨日の予選のような力強い走りをレース中にも安定して刻めるようにチームをサポートしていきたいと思います」