ダンロップモータースポーツ

SUPER GT 第6戦【GT500クラス 決勝レポート】

開催場所:スポーツランドSUGO

開催日:2022年9月18日

2022 AUTOBACS SUPER GT Round 6 SUGO GT 300KM RACE


 

前回鈴鹿で復活の兆しを見せたダンロップタイヤを装着する2台のNSX-GT。しかしながらここSUGOは他陣営が得意とするサーキット。そんな中でも、前日の予選ではQ1を席巻するなど高いパフォーマンスを示した2台に期待がかかります。
 
64号車Modulo NSX-GTをドライブするのは伊沢拓也選手と大津弘樹選手。そして16号Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTのステアリングを握るのは笹原右京選手と大湯都史樹選手です。
 
ウォームアップ走行がはじまると西から空がどんどんと険しくなっていきます。いまにも雨が降り出しそうな空。各車レインタイヤを用意してグリッドへと向かいますが、小雨は降るもののレインを履くほどに路面は濡れず微妙なコンディションでレースはスタートを迎えます。定刻通り、全車隊列が整ったところからのクリーンなスタート。7番手からスタートの16号車も順当なスタートを切ります。一方、64号車もクリーンなスタート。後ろから迫ってくる8号車を抑えながらレースを組み立てます。
 
すると9周目から雨が降り始め、10周目になると路面はほぼウェット状態へ。すると続々とチームがレインタイヤをピットの前へと用意します。いよいよスリックでは危険な状態になってきた15周目から各車一斉にピットイン。これによりピットは大混乱状態に。64号車はダイブで飛び込んでスリックからレインへ交換を済ませドライバーは大津選手のままコースへ復帰。ピットの準備を整えていた16号車をドライブするのは大湯選手。ここで大湯選手はチームに無線を飛ばします!「大丈夫!まだいける!」っと。この無線がチームの作戦の幅を一気に広げました。16号車はピットが混乱するこの周を避け、FCY導入のタイミングとなる20周目までタイヤ交換を遅らせます。これでダイブすることなくスムーズなタイヤ交換を行えたチーム無限は順位を押し上げることに成功します。
 
一方、ウェット路面でタイムを押し上げていく64号車。大津選手も追い上げ体制を構築。2台のダンロップ勢が上位を追撃しますが、雨は止んだり降ったりを繰り返します。この状態はレインタイヤには非常に厳しい状態。テストで性能を確認しているダンロップのレインタイヤも摩耗で厳しい状況に…。そして16号車は37周目にピットイン。ここでドライバーを大湯選手から笹原選手へと交代。タイヤはレインタイヤを装着してコースへと復帰します。すると雨がさらに小降りになり徐々に路面が乾きはじめます。ライン上がところどころドライになっていくダンプ状態の中、笹原選手はタイヤが厳しくなってきたことをチームに告げます。するとチームは同じNSX-GTでスリックに交換した17号車のタイムを確認。笹原選手にボックスの指示を飛ばします。タイムレンジが切り替わる絶妙なタイミングでスリックにタイヤ交換をした16号車。これで一気に3位まで順位を押し上げます。
 
この路面で他社を凌ぐ性能を発揮したダンロップタイヤに笹原選手は「ちょい濡れの路面では絶対的に速かったですね!この路面でのグリップ性能は抜群でした。一気に前も追いかけられると思ったんですが、タイヤマネージメントを考えると、無理してはいけないと思いペースを探りながら追いかけました」とこの時の状況を振り返ります。この結果、16号車はこの順位を守り切りダンロップタイヤ勢今季初となるGT500クラス表彰台を獲得。64号車も作戦が裏目に出てしまったものの7位でポイントを獲得しました。
 

 

  

 
<GT500クラス 結果>

優勝 #3 CRAFTSPORTS MOTUL Z MI
2位 #23 MOTUL AUTECH Z MI
3位 #16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT DUNLOP
4位 #38 ZENT CERUMO GR Supra BS
5位 #12 カルソニック IMPUL Z BS
6位 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra BS
7位 #64 Modulo NSX-GT DUNLOP

 
詳しい結果はこちら
https://mos.dunlop.co.jp/motorsports/supergt/38312

GT500クラス 3位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT


 
<大湯都史樹選手 コメント>
ウォームアップのときはシビアなレースになるかと思ったんですが、レース序盤で急に雨が降ってきたことで『ここで行くしかないだろう!!』と思って頑張りました。もし天候が回復してきたり、FCYがでたら有利に戦えるだろうと考えてのことでした。そしてGT300の車両がハイポイントで止まっているのを見てFCYが出そうだなと思ったんですが、このタイミングでチームからボックスの指示が出てレインへ交換しました。絶妙のタイミングでしたね。2回目のピットインは、元々引っ張れるだけ引っ張ろうという作戦だったんですが、タイヤも厳しくなってきたこともあり37周目にピットインしました。そのあとの笹原選手も力強い走りをしてくれて3位になることができました。タイヤもチームも成長してきているのを実感しています。次のオートポリスは去年トップを走りながらも取りこぼしたレースだったので、しっかりポールtoウィンをとれるように頑張りたいと思います。

<笹原右京選手 コメント>
お疲れさまでした。僕が出たときはレインで出たんですが、路面は段々とドライアップしていく状況でした。無理をしすぎるとタイヤはすぐオーバーヒートしてしまいそうで、凄い頭を使うスティントでした。もうタイヤも厳しいと思っていたタイミングでエンジニアの杉崎さんが17号車のタイムを見て、すぐさまボックスの指示を出してくれたんで迷わず飛び込みました。ちょい濡れスリックで周りが苦しむ中、僕らは他車と比較してグリップもあり良い感じでタイムを出せました。トップにも追いつけるかと思ったんですが、プッシュして最後まで持つかわからなかったことと、ラインを外すとタイヤカスがめちゃくちゃ多く、そして濡れていて地獄みたいな状態で…、冷静になって無理しなかったことが3位になれた要因かもしれません。次のオートポリスはタイヤに対する攻撃性の高いサーキット。タイヤの摩耗のバランスがとれれば一発チャンスがあると思っています。
 

ダンロップタイヤ開発責任者/安田恵直

今回持ってきている配合は、低温側が凄く柔らかいものにしているので気温が下がったことに不安はありませんでした。正直、雨が降らないといいなと思っていましたが願いはかなわず降ってきてしまいました。今回のレインは2019年のときのSUGOのゴムに近い実績のあるものを用意してきたので自信はありました。2台のパフォーマンスに大きな差はなかったと思いますが、作戦面で差がついてしまったと分析しています。次戦オートポリスはテストも行っているサーキット。昨年のようなことにはならないと思っています。次もさらに上を目指してチームをサポートしていきたいと思います。

メディア情報

前戦はSCに振り回されるレースでしたが、今回は16号車が完全にレースを読み切って表彰を勝ち取りました。次戦も頑張ります。
次回は10月1-2日にオートポリス(大分県)で開催されます。引き続きダンロップタイヤ装着車両へ熱い応援よろしくお願いいたします。
 

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