第3戦 ツインリンクもてぎ

2016/01/01

A28D8093

Epson NSX CONCEPT-GTが予選で
今季最上位の5番手からスタートを切る

11月11〜12日、SUPER GTシリーズ2016の第3戦代替レース、「MOTEGI GT GRAND FINAL」がツインリンクもてぎを舞台に開催された。今年もダンロップはGT500に、長い関係を築き上げているNAKAJIMA。RACINGの「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)で挑む。
前回のタイ、チャン・インターナショナル・サーキットでの第7戦では、予選で今季初のQ2進出を果たし、8番手を獲得。決勝でも順位を上げて5位でゴールし、長く続いた苦境からようやく脱出することとなった。また、今回は7戦目に当たるため、ウエイトハンデは半減されるが、それでもランキング上位陣は50kg前後のウエイトを積む中、わずか7kgで挑むのは前回の勢いをもってすれば、上位入賞のチャンスは十分にありそうだ。実際に昨年も、もてぎでは予選2番手と、相性の良さは証明されている。

本来ならオートポリスで開催されるはずだった第3戦が熊本地震の影響で中止になり、その代替レースが最終戦と合わせて開催されることとなった。土曜日のうちに予選と決勝を行い、日曜日にもまた予選と決勝を行う2レース開催は、シリーズ初の試みだ。舞台となるツインリンクもてぎは豊かな緑に囲まれているが、その緑も色を変えつつあり、冬の訪れを感じさせていた。
金曜日に行われた公式練習は、2回ともウェットコンディションで、土曜日の早朝に行われた予選は路面が濡れていたものの、上空には青空が広がっていたことから、ドライタイヤでコースインする車両もあった。それほど微妙な状態の中、ベルトラン・バゲットにチームはすべてを託した。今大会はノックアウト方式ではなく、15分間の一発勝負、ドライバーひとりが走ればいいからである。
ここでバゲットが魅せてくれた。ウェットタイヤを装着して走行し「タイヤが路面状態に合っていた。いいアタックができたよ」と、一時はタイミングモニターのトップに「64」が表示されたほど。終盤、逆転を許した車両もあったが、「Epson NSX CONCEPT-GT」は5番手につけて、今シーズン最上位から決勝に挑むこととなった。

第3戦の決勝レースは、コースが一転して完全なドライコンディションとなっていた。そればかりか日も差して気温も徐々に上昇していく。決勝もバゲットがステアリングを握ってスタートしたものの、ペースが思うように上がらない。決勝前に中嶋大祐が「今回はどのチームもドライコンディションで走ったことがないので、

我々もどんなラップタイムを刻めるか、スタートするまで分からない」と語っていたが結果的にはセッティングがマッチしなかった。タイでのレースではまったく生じなかった、タイヤかすがタイヤの表面にこびりついて振動を起こす、いわゆるピックアップ症状にバゲットは悩まされ、次々と後続車両に抜かれる展開となり、さらには12周目に接触もあってスピンし、クラス最後尾への後退を余儀なくされる。そのこともあって、早めの19周目にピットインしてドライバーチェンジ。しかし、代わった中嶋選手も同じ状況に苦しみ、ペースを上げられずにいた。
この状況を打破して活路を見出すため、中嶋は37周目に再度ピットイン。違うタイヤを装着してコースに復帰する。結果はトップから1周遅れの13位と、本来のパフォーマンスを見せることなく終わってしまったが、2回目のタイヤ交換が活かされることを信じて、翌日の最終戦に挑むこととなった。
「最初に選んだセッティングがコンディションに合いませんでした。それにタイヤかすを拾って振動も出てきました。もう一回ピットインしてタイヤを換えたら、そこからは安定して走れるようになったので、まだ上位を狙えるレベルではありませんが、とにかく全力で明日に臨みます」(中嶋)
「予選ではセミウェットの中、今年最上位を得られて決勝でも前半は着いていける感じだったんですが、ピックアップの症状が早い段階から起きて、ペースを上げることができなくなってしまいました。最近はあまり起きていなかったので残念です。ほぼぶっつけの決勝になっているので、難しいレースになってしまいました」(ダンロップモータースポーツ/斉脇課長)