第2戦 富士スピードウェイ

2016/01/01

Epson NSX CONCEPT-GTがGWの長丁場で
10位完走、貴重なポイントを獲得する!

5月3-4日、SUPER GTシリーズ2016の第2戦、「FUJI GT 500km RACE」が富士スピードウェイを舞台に開催された。今年もダンロップはGT500に、長い関係を築き上げているNAKAJIMA RACINGの「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)で挑む。岡山国際サーキットで行われた開幕戦では、ハイブリッドシステムを外したNSX CONCEPT-GTのバランス悪化に苦しみ14位でのフィニッシュに甘んじていた。それでもしっかり完走を果たしたことでデータを蓄積。対策も施されたことで、巻き返しに期待がかかった。

シリーズ第2戦は恒例の大型連休真っただ中の富士スピードウェイが舞台で、500kmレースということもあって通常より1回多い、2回のピットストップが義務づけられている。開幕戦では参戦5台が、すべて下位に沈んでしまったHonda勢。劣勢を挽回するべくチームはセッティングの変更など、さまざまなトライを試みながら公式練習に臨んだが、期待したほどにタイムは伸びず。「マシンはあまり良くなったとは感じない。やらなければいけないことがまだたくさんある」とベルトラン・バゲットは語る。
そんな状況下、公式予選が始まった。バゲットがQ1を担当したものの、14番手に終わり、「Epson NSX CONCEPT-GT」はQ2に駒を進めることなく予選を終えることとなった。それでも「朝の練習走行から比べると、予選でクルマの動きは良くなった。決勝も走りながらいろいろ試してみます。路面状況が変われば、パフォーマンスを見せることもできるのではないでしょうか」と中嶋大祐。決勝は雨がらみの予想。コンディションも変化を味方につけて、ひとつでもポジションアップを狙うつもりだ。

荒れたコンディション、荒れた展開になればチャンスは広がる。そんな期待もあったが、前夜から降り出した雨は早朝には止み、朝のフリー走行は初夏のまぶしい太陽が照りつける状況。その時点では一部にウェットパッチを残したものの、時間が経つにつれて気温、路面温度とも上昇し、決勝レースは完全なドライコンディションで争われることとなった。
今回のスタート担当はバゲット。まずはポジションキープからレースを開始し、ひとつでも順位を上げようと「Epson NSX CONCEPT-GT」を必死にねじ伏せるも、予選からの厳しい状況は変わらず。

35周終了でピットインし中嶋に交替。走りながらいろいろ試してみる、の言葉どおりロングランを想定した、違うセットアップを施して粘り強い走行を続けた。中盤に発生したアクシデントによって行われたセーフティカーランをうまく利用して、再びバゲットに交替。トラブルやアクシデントが多発する中で堅実な走行を重ね、「Epson NSX CONCEPT-GT」は10位でフィニッシュ。完走とともにポイントを獲得。「ライバルに比べ、ストレートスピードの差も大きく厳しかった。9番手だったけど最後の最後にGT-Rに抜かれて悔しかった」とバゲット。
そして中嶋も、「ペースが上がらず苦しかったが、粘り強く走ってポイントを獲れたので良かった。違うセットアップも試したが、狙いどおりにはいかなかった。引き続き、いろいろやっていかなければいけない。ただ今回、大きなトラブルはなかったし、GT-Rやレクサスと一緒に走れて、どこが違っているとかを見ることができたので、収穫は大きかった。次のSUGOは昨年、予選も良かったし、相性のいいコースなので頑張ります」と語る。
思いはダンロップモータースポーツの斉脇課長にも共通した。「岡山で問題点が分かって、少し改善できましたが、まだ速さが足りなくて。また新たな課題も見つかりましたので、それを克服できるアイテムを強化して、今後に活かせるようにしたいです」と、ここで得られた貴重なデータは、必ず次の戦いに活かされるはずだ。
なお、本来は第3戦が5月21〜22日にオートポリスで開催されるはずだったが、熊本地震でサーキットの施設にも被害が及び、また周辺環境の影響も考慮し、延期ではなく中止が正式に発表された。代替レースに関しては未定。そのため、次回のレースは7月23〜24日に、スポーツランドSUGOで開催される。その間に2回のテストが予定されているだけに、飛躍的な進化が望まれる。