第1戦 岡山国際サーキット
2016/01/01
GAINER TANAX AMG GT3が4位、
FIA-GT3ユーザーは揃って入賞を果たす
4月9〜10日、SUPER GTシリーズ2016の開幕戦、「OKAYAMA GT 300km RACE」が岡山国際サーキットで開催された。ダンロップはGT300において、昨年ダブルタイトルを獲得したGAINERの「GAINER TANAX GT-R」(アンドレ・クート/富田竜一郎)と「GAINER TANAX AMG GT3」(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)、そしてR&D SPORTの「SUBARU BRZ R&D SPORT」(井口卓人/山内英輝)の3台を引き続き、さらにAudi Team Hitotsuyamaの「Hitotsuyama Audi R8 LMS」(リチャード・ライアン/藤井誠暢)も陣営に加えることとなった。それぞれに個性のある車両だけに、幅広い対応が期待された。
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その一方で、平中克幸とビヨン・ビルドハイムのコンビは不動のまま。しかしながら、マシンはメルセデスベンツAMG GT3にスイッチ。今年はGT-R以外のFIA-GT3はニューモデルが投入されており、ほとんどのチームが採用している。ただし、オフシーズンのテストは繰り返されたとはいえ、本番での戦闘力は未知数。どんな戦いになるのか注目された。
そのFIA-GT3を用いるチームが、今年からもう1チーム、ダンロップ陣営に加わった。Audi Team Hitotsuyamaは、過去にGT500にも参戦していた経験を持つチームで、ニューモデルのアウディR8 LMSをドライブするのは、リチャード・ライアンと藤井誠暢だ。
そして、引き続きR&D SPORTのスバルBRZを駆るのは井口卓人と山内英輝。マシンはフロントのオーバーフェンダーを拡大し、大径タイヤを装着することによって、本来のコーナリングマシンとしての特性をより強調することになった。こういったバラエティに富む車両に、ダンロップがタイヤを供給することで、豊富なデータを蓄積することができ、パフォーマンスは次第に高まっていくはずだ。
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一方、Q1でトップだったのは「SUBARU BRZ R&D SPORT」の山内だった。「いいアタックができたし、タイヤも一発のタイムが出るようになりました」と満足そうだったが、Q2に挑んだ井口は4番手に留まってしまう。「僕らが想定していたより、いいタイムは出たんですけど、まわりはもっと速かったです。思った以上にGT3勢が速かったのですが、チーム力で最後まで戦い抜きたいと思います」と井口は巻き返しを誓っていた。
そしてGAINERだが、「GAINER TANAX AMG GT3」こそビルドハイムが11番手でQ1を突破するも、「GAINER TANAX GT-R」はクートが17番手に留まり、富田はQ2を走れなかった。平中はQ2で5番手にまで上がり、何とか面目を保った。「決勝を見据えたタイヤ選択なので、それほど心配していないというか。むしろ決勝には自信があります。ただ、GT-Rはアップデートがない分、このコースではきつかったようですね。優勝はともかく、確実にポイントは稼いでもらいます」と田中哲也総監督。
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スタート担当は、「SUBARU BRZ R&D SPORT」が井口、「GAINER TANAX AMG GT3」がビルドハイム、「Hitotsuyama Audi R8 LMSは藤井、そして「GAINER TANAX GT-R」はクート。井口はポジションキープを果たすも、スタートから間もなくビルドハイムと藤井はポジションをひとつ落とす。それでも上位陣から大きな遅れを取ることなく、機が熟すのを待っていた。逆にじわりじわりと順位を上げていたのがクートだ。
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しかし、他の3台に関しては積極策が功を奏し、平中は4番手に、富田は7番手に、ライアンは9番手に上がっていた。特に勢いが最後まで衰えなかったのがライアンで、徐々に順位を上げていって、最終ラップに富田と順位を入れ替えた。
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この結果を受けてダンロップモータースポーツ部の斉脇課長は「ちょっと力が足りなかったと思っています。想定していた温度の範疇ではあったのですが、高めの状態での保ちが思っていた以上に良くなくて、スティント後半のタイムダウンにつながってしまいました。そこはもうちょっと幅を広げるようなことをしないといけないと思っています」と悔やむ。だが、この無念の思いこそが、今後にきっと活かされるに違いない。