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2010 D1GP 第1戦 お台場 レポート


はじめに
 今年で10年目となるD1グランプリシリーズですが、各方面からのご支援によりチームBLITZとして昨年と同じ様な体制で本年も参戦することが出来るようになりました。取り急ぎ、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

新しいカラーリング。ヘルメットとスーツも新しいカラーリングです!

車両について
 2010シーズンは新たなスポンサーにあの「なめんなよ」が加わり・・・カラーリングもド派手に変更しました。イメージ的には作業時も長ラン&ドカンで行きたい所ですが・・・今はまだ止めておきます。(笑)
 今シーズンの車名は「DUNLOP/Norton なめんなよER34」とし、エントリーチーム名は昨シーズンに引き続き「BLITZ」です。ドライバーはもちろんっ!野村さんで、このコンビは今年で10シーズンを迎えました!(祝)
 今シーズンのD1グランプリは、お台場特設コースからの開幕となります。2008年、2009年とエキシビジョンマッチは行われましたが、シリーズ戦の開催は2005年以来です。通常は駐車場であるこのコースは事前の練習走行もできず、車のセッティングの時間も限られてきます。又、比較的小さなコースレイアウトなので馬力もそれほど必要ではありません。野村さんとの事前打ち合わせ(飲)によって、開幕戦は車両側の大幅な変更は行わず、昨年から乗りなれたセットアップのままで挑むことになりました。(決して時間が無かったわけではないっス)
26日(金) 練習走行日、第1戦予選
 日曜日がエキシビジョンのオールスターショーだった為、金曜日に開幕戦の予選が行われました。・・・と言うことは、当然一日しか練習走行の時間が無く、そのまま本戦を迎えるスケジュールです。ここお台場ラウンドをシードで迎えられると言うことは精神的にも非常に余裕ができ、セッティングにもハマらなかった僕らは練習走行に集中できました。基本的なコースレイアウトは昨年までとほぼ同じですが、1コーナーの幅が10m程広くなっているため、進入であまり減速すると審査員席前のアウトクリップまで届きません。全体的な審査基準をトータルで考えると、1コーナーのクリップが重要なポイントっぽく、ここを1.5m程度放して通るライン取りで行けば、進入の迫力と2コーナーへの綺麗なアプローチを両立させることができそうです。
27日(土) 第1戦決勝
 桜の季節らしからぬ超寒空の下、決勝が始まりました。まるで真冬のような寒さではありましたが、朝から観客席は満席となり、会場は大盛り上がりです。第1戦はこの先のシリーズ争いにおいて非常に重要なラウンドとなり、ここで10位以内に入ることができないと次戦は予選からのスタートとなってしまいます。まずはここで「1回戦単走」と言う最初のプレッシャーが野村さんに圧し掛かります。

1回戦終了後にほっと一息
1回戦単走
 野村さんは朝の練習走行から完璧なラインをトレースしていたので、1回戦突破はまず問題無いはずです。
 1本目・・・とにかくベスト16に残れる走りをしなければなりません。大丈夫、と分かっていても、この緊張感はハンパじゃありません。
 のむ:それじゃ~行ってきます・・・。
 あべ:ハイ。とりあえず、95%位で・・・。
 何故だか、お互いガチガチ系に・・・。

 野村さんはボチボチの振り出しで1コーナーに進入し、審査員席前のアウトクリップもスポンジバリアギリギリの所を通って行きます。
 あべ:いやぁ、振り出しが恐る恐る系でしたが、99.5点獲得です。
 のむ:いやぁ、1本目はやっぱりガチガチよぉ・・・。

 このやや抑え気味の走りでも99.5点の平均得点を獲得し、この時点で野村さんは7位に食い込みました。1本目の走行でベスト16進出が確定したので、2本目は更に高得点を狙った走りに切り替えます。

 あべ:とりあえず、ベスト16は確定したので、次は思いっきり行きましょう!
 のむ:いやぁ、良かったバイ!んじゃ、次はガッツリ行きま~す♪

 続く2本目、1本目よりも振り出しから角度を付けた走りで高得点を狙いますが、残念ながらスピン・・・。2本目はファンサービスも兼ねた魅せる走りを目指しましたが・・・失敗に終わりました。

 あべ:ま、2本目は惜しかったですが、とりあえずおつかれさまでした~!
 のむ:ノーコメントで無線を切るバイ・・・。

 結局、若干順位が入れ替わり、最終的には9位で1回戦を突破しました。

内海選手に勝利した野村さん
追走トーナメントベスト16
 追走トーナメント最初の相手は、8位で通過した内海選手との対戦です。ここで勝ち上がれば第2戦のシードが確定するので、何としても負けられない対戦となりました。ここへ来て2度目のプレッシャーが野村さんに圧し掛かりますが・・・とにかく落ち着いて攻めるしかありません。
 1本目、野村さんは後追いからスタートし、ほぼ同時に振り出しました。角度のある走りに加え、1コーナー、2コーナー共に内海選手に詰め寄ります。これで野村さんは6:4でアドバンテージを獲得です。
 2本目、野村さんの先行です。野村さんは単走と同じ様にスピード、角度を両立した走りで1コーナーに飛び込みましたが、内海選手は野村さんに対して角度が浅くなってしまいました。2本目の判定も野村さんに軍配が上がり、これでベスト8に進出です!

川畑選手との対戦

追走トーナメントベスト8
 続くベスト8は2007年シリーズチャンピオン、川畑選手との対戦です。この時点で第2戦のシードが確定しているので、とりあえず長い緊張との戦いからは解放されました。後はリラックスして、追走を楽しみながら戦って行くだけですが、川畑選手は単走から抜群の走りをしており、かなりの強敵であることだけは間違いありません。
 1本目、野村さんは後追いからのスタートとなりました。川畑選手は単走と同じ様に手前からキレのある振り出しを見せ、野村さんもこれに合わせて振り出します。ところが川畑選手は野村さんより早めに1コーナーのクリップに付くライン取りで、詰め寄り過ぎた野村さんは行き場が無くなってしまいます。この結果、2コーナーへのアプローチが苦しくなってしまい、審査員からは「若干の失速」と指摘されてしまいました。ここは6:4で川畑選手のアドバンテージです。
 続く2本目、野村さんは今まで通り進入から角度を付けた振り出しを見せますが、川畑選手はあまり詰めすぎない五分狙い?の走りで来ました。川畑選手に対して終始距離を離した野村さんでしたが、この判定は川畑選手の狙い通り?五分となり・・・野村さんはここで敗退となってしまいました。

決勝はDUNLOPユーザー対決!

総括
 シリーズを戦う上で毎年重要になる開幕戦は、野村さんにもチームにも大きなプレッシャーが圧し掛かりました。ここで10位以内に入れないとシード落ちしてしまう為、予選からの戦いとなってしまいます。仮にシード落ちをして予選を走ったとしても問題無くベスト16に残れるチーム力はある筈ですが・・・何が起こるかわからないのがD1の怖いところであり、少しでも不安要素を消去していくことがレースを戦い抜く上で非常に重要になってきます。この意味でも初戦7位と言う結果は目標達成ではありましたが、野村さんの気持ちはそうではありませんでした。川畑選手との対戦でミスをして負けてしまった事を非常に悔やんでおり、次戦でこの借りを必ず返してくれるハズです。
 追走の戦い方について、僕らもそろそろ考え方を変えなければならない時期になったのかも知れません。次のオートポリスでは他の選手の走りも研究して・・・たまには「作戦勝ち」を目指して行っちゃおうかなぁ~なんて思ってたりします・・・。