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2007年度D1第6戦オートポリス報告



エビスの優勝を記念してつくったTシャツ


車両について
オートポリスは超高速進入の為、サイドブレーキや駆動系のトラブルが一瞬で命取りになります。タイヤが取れちゃったりしたら(笑)そりゃーもう大変なことになるので、足回り、ブレーキを中心に全てリフレッシュです。だいぶ使ったリアのナックル、ハブを新品に交換して、サイドブレーキを含む前後のブレーキも全てオーバーホールしました。前回のエビスでクラッシュして割れちゃった運転席側のドアやフェンダー、バンパー等も修復して、高速域での車両の安全性についても十分に考慮しました。さすがにオートポリスでドアがガムテープってのは、ありえないですもんね。それと前回問題になった無線機の不調についても、出発日の前日に思い出し、急いで秋葉原に新しいヤツを買いに行きました。これで野村さんとの会話も盛り上がって、まさに「Enjoy D1!」ですっ!!(エビスの優勝記念にTシャツ作っちゃったりしました)

ロガーで燃調をあわせていきます。


20日(木)練習走行日
神戸港からフェリーで北九州まで移動し、そこから約3時間程走るとようやくオートポリスに到着します。今回はトップシークレットの高橋さん(大食い)も一緒の旅で、船中は勿論大盛り上がり♪長旅の疲れも何のそので、木曜日の午後から公式練習走行に参加しました。エアフロレスのMoTeC制御では、標高の高いオートポリスは若干燃調が狂うので、ロガーを確認しながら徐々に合わせていきます。又、ブレーキ関係を全てオーバーホールしたこともあり、ブレーキローター、パッド、シューの当たりを十分に付けなければなりません。何周か周回を重ねるうちにローターとパッドのあたりは十分にとれたようですが、肝心のサイドブレーキは効きが未だ悪いようです。ワイヤーやローター、シューを全部新品にした事が仇になってしまったのかも!?
野村さんはこのまま走っても意味が無い(サイドが効かないと、ホント怖いんです)と言う判断だったので、練習走行の時間はまだ残っていましたが、そのままピットインしてサイドブレーキの状態を確認することになりました。

ブレーキを何度もチェック
21日(金)練習走行日
サイドブレーキの表面を確認すると当たりは十分に取れていたようでしたが、新品に交換したブレーキローターとの相性が悪いことや熱の入れ方が悪かったことも考えられたので、もう一度シューを新品に交換することにしました。当たりの付いたローターに新品のシューの組み合わせで徐々に熱を入れて行き、互いの表面を整えていきます。練習走行が始まり、何周か走った後にサイドブレーキの効きを野村さんに確認すると、返答は・・・まだ駄目みたい。フットブレーキを併用すれば効きは十分のようですが、これでは進入スピードを大きく殺してしまうことになります。やはりこれでは走る意味が無い・・・(悲)と言う事でしたので、効きについて実績のある、野村さんの個人所有の車両からサイドブレーキを移植する作業に取り掛かり、この日の練習走行もこれで見送ることになりました。

オートポリスは真夏の天気
22日(土)D1グランプリ予選
今年は9月末の開催となったオートポリス戦ですが、まるで真夏のような猛暑の中での戦いとなりました。審査コーナーは例年通りですが、今回は1コーナーのイン側に副審を置き、サイドブレーキの長さ、減速具合などを厳しく取られ、それらの条件全てを満たさないと高得点は取れません。
前日、前々日と僕らは車両の不調に悩まされていたので、実質この日からが本当の練習走行になります。今回はストリートリーガルと併催ではなかったので、予選日も練習走行の時間は十分にあります。幸いにもサイドブレーキ移植後は絶好調だったので、野村さんもこれなら安心して進入できるようです。ようやく好調を取り戻したマシンでしたが、野村さんの錬習走行を見ていた神本副審から、「サイドを引いている時間が長すぎて減速感が強すぎる」と言う指摘がありました。翌日の1回戦はここを見直さなければ高得点獲得は難しそうです。
予選結果については0-400mを9.5秒で走る記録を持つS14(この車、チョーカッコ良いんです)に乗る猪瀬選手が203km/h進入でトップ通過し、チームDUNLOPは幸先の良いスタートが切れました。
23日(日) D1グランプリ決勝
いよいよ決勝日の始まりです。前日の練習走行で指摘のあった「1コーナー進入の減速感」を無くす為、サイドブレーキを引いている時間を短くするように野村さんと話し合います。そう言えば・・・前日までは車の事で手一杯だったので、野村さんの走りを外から見ていないっ!!と言うことに気づき、この日の練習走行は急いで審査員席へ移動します。短い時間の中で本番に向ける走りの組み立てをする為に、1本1本無線でコミュニケーションを取り、1回戦突破へ向け少しずつ走り修正していきます。

1回戦にむかう野村さん
1回戦
練習不足ということもあり、野村さんはいつに無く緊張している様子でした。走りについて色々と迷いがあったようでしたが、後は野村さんの集中力に全てを賭けるしかありません。
1本目、進入スピードは192km/hと十分で、1コーナーにかけての減速感も無く、綺麗にクリップを取ってクイックに振り返し、審査員席前のアウト側にアクセルを踏みながら飛んで行きます。野村さんは悩んでいると言っていましたが・・・見事に100点獲得!!すばらしいっ!!
のむ「どーお??」
あべ「えー、見事に100点獲得っス。」
のむ「なーんだ、あれでいいんじゃーん!」
あべ「いやぁ、悩んで損したっすねぇ」
のむ「でも、よかったぁ~♪」
続く2本目、もう一度同じような走りを披露しますが、審査員席前アウトクリップが若干余り、得点は99.9点です。
のむ「ちょっぴり失敗しまちた」
あべ「1本目に100点取ってるので、残りは気楽にやっちゃってくださーい」
のむ「ロングサイドは評価どーお?」
あべ「個人的にはロングサイド、見てみたいっス」 のむ「りょうかーい」
話し合いの結果、最後の3本目は違ったスタイルで走ろうと言う事になり、更に手前から振り出す超ロングサイド進入を試みました。評価は高かったのですが、1コーナークリップを若干外してしまうことになり、結果は99.9点に留まりました。
のむ「ちょっぴり流されてクリップを外しまちた」
あべ「まぁ1回戦突破は間違いなしっス!おつかれさまでしたぁ~」
今回のオートポリス戦では7名が100点を獲得し、進入スピードでその順位が決まってきます。野村さんのトップスピードは192km/hだったので、6位通過と言う形で1回戦を終えました。

ベスト16 1回戦の相手は
今村陽一選手戦

べスト16追走
ベスト16の初戦はORC with TOPSECRETの今村選手です。今村選手は2003年のシリーズチャンピオンであり、ニューマシンのZが仕上がってきた昨今、非常に手強い相手です。同じ6気筒勢で進入のスタイルも似ており、苦戦を強いられるのは間違いありません。
1本目、野村さんが先行でスタートし、今村選手は野村さんのスリップ(スリップストリームのこと)に付きます。今村選手はそのままビタビタの距離で、1コーナーの進入目掛けて若干早めに振り出し、その先でもインに食込み野村さんは6:4でアドバンテージを取られます。
入れ換えて2本目、野村さんが後追いでは直線でスリップに付けず、進入で若干距離を離されてしまいます。ほぼ同時に振り出し、野村さんはイン側に飛び込んでいきますが、完全に入りきるまでには行けませんでした。
結局この走りは5:5となり、1本目のアドバンテージを覆す事ができずに、野村さんはここで敗退となってしまいました。
まとめ
今回のオートポリス戦は、ベスト16初戦で敗退となってしまいました。練習走行でのサイドブレーキ不調に悩まされたこともありましたが、追走での敗因の一つとしてエンジンパワー不足がありました。毎年のようにハイパワー化されて行くD1マシンですが、ここオートポリスでは加速区間でいかに車速を伸ばせるかと言うことが重要になってきます。追走でもアクセル全開のギリギリの所で前車に合わせるのではなく、加速にも若干の余裕がある方がミスも少なくなります。今回はエンジンの出力が周りの車両に若干劣っていたこともあり、野村さんも思うように合わせられなかったようです。最終戦の富士も同じように加速区間でのエンジンパワーが必要になってきますので、それを余すことなく路面に伝える足回りのセットアップを含め、対策をして行く必要があります。

シリーズ6戦を終え、この時点でチャンピオン争いからは脱落してしまいましたが、最後まで全力で戦って行きます!次の富士も野村さんの素晴らしい走りを皆に披露できるよう、僕も頑張りますよぉ~!!