●第1戦 ●第2戦 ●第3戦 ●第4戦 ●第5戦 ●第6戦 ●第7戦
2007年度D1第1戦エビス報告



スタート前の野村選手



ウェット路面で完璧な走りをする野村選手

さて、今年もいよいよD1グランプリシリーズが開幕しました。車両は引き続きER34を使う事になりました(もう少し使わせてください)が、昨年のシリーズチャンピオン争いを最後の最後まで戦ったクルマなので、戦闘力としては申し分ないはず・・・です。車はD1トップチームの車両として完全に熟成されており?第1戦については特に仕様変更も行いませんでした。ただ、当然激戦を戦ってきただけに色々な消耗品って言う部品(ブッシュとかその他モロモロ)は変えてるんですよ!これで新車同様と言う程ではありませんが、今年一年間戦っていく上での必要最低限の準備は整いました。野村さんは中古車って呼ぶけど・・・。

昨年のエビス戦では痛恨の!ミッショントラブルがあって、その後のオーバーホールでギア比の変更を行ったのです。変更前のギア日ではファイナル4.083の3速8600rpmと言うエンジンには非常に厳しい条件でしたが、変更後は4.111の3速8000rpmで走れる計算でした。ところが、木曜日に実際に走らせてみると、1コーナー進入時に若干回転が足りずにレブリミッターバリバリ!これでは白煙、迫力共に欠ける事になり、今回もギア比の選択は非常に頭を悩ませることになったんです。後は色々と走り方を変えてみて、どう言う方向性で行くかを決めなければなりません。その後のテストで走り方を研究した結果、今年のギア比では3速で最終コーナーを脱出して4速にシフトアップする方法や、4速のまま脱出してそのまま1コーナーへ向かうこともできることが判明しました。ファイナルを4.363に変更して4速脱出で行く作戦も考えましたが、それではウェット路面や追走の後追い時にはあまり向いていません。結局、ギア比はそのまま変更せずに、野村さんの走り方で何とかしてもらうのが一番♪ってことで、あとはうまい事やってもらうしかありません。でも・・・この日は色々とあーでもないこーでもないって、走り方を変えながら走ったので、4速にシフトアップ(ホリンジャー最高っ♪)した瞬間にリアバンパーをコンクリートウォールにヒット!・・・幸いにも大事には至りませんでしたが、愛しのスカイラインちゃんが寂しい姿に・・・。野村さんには「勲章ですよっ!」って笑って言いましたが、実は結構悲しかったりして・・・。(ホリンジャーのバカぁ!)

野村VS斉藤

昨年のシリーズランキング2位だった僕らは、初戦はシードからのスタートです。当然予選も免除になり、精神的にも余裕ができます。何よりも予選を見ながら審査基準を確認できるので、その後の走りの組み立てをしやすくなることが一番だったりします。今年のエビスも審査基準は昨年と変わらず、予選は非常に激戦となりました。上位7名は100点獲得となり、少しのミスがあるだけで翌日のベスト16入りは厳しくなりそうです。シードである僕達は決勝の1回戦に向けた練習走行を行い、そろそろ本番スイッチON!
次の日の決勝日は残念なことに天気予報が当たって、今年のD1は初戦から雨模様です。午後には晴れ間が出るという予報でしたが、どう考えても1回戦はウェット路面で走らなければなりません。幸か不幸か事前に雨を見越して前後共に皮むきの終ったタイヤを作ってあったので、それに履き替えて車をウェット路面に対応させます。ところが・・・野村さんは朝一の練習走行で、まさかのクラッシュをしてしまいます。幸いにも外装とマフラーのみの損傷だったので、1回戦までには修復は可能です。後は野村さんの精神状態を回復させなければ・・・。

開会式も終わり、いよいよ1回戦が始まります。相変わらず路面はウェットコンディションですが、走るしかありません。野村さんは朝一のクラッシュによって精神的にも落ち込んでいるようでしたが、そんなことは言っていられません。とにかく、気持ちを切り換えて、今年一番最初の大事な1回戦を何としても乗り越えなくっちゃ!ガンバレ野村さん!!

野村VS手塚

修復された車を見て一安心だった野村さんは、1本目から鋭い走りをしてきます。走行直前に僕が無線で「100点取ったら、二本松駅前の飲み屋ご馳走しちゃいますっ!」って言ったのが良かったのかはわかりませんが・・・「ウェットだから、1本目は抑えていくよぉ~」と言っていたその走りは見事に100点を獲得!!直ぐに無線で得点を伝えると「マジィ~?ごちそうさまぁ~」と返答が・・・。これで一気にゆとりが出た野村さんは続く2本目も99.9点の高得点を獲得し、見事に4位通過と言う結果で1回戦を終えることになりました。次の追走もこの調子で行っちゃいましょう!!

追走初戦の相手は若手のホープである、斉藤太吾選手です。斉藤選手は非常に高いスピードを武器としており、本当に侮れません。走行直前、今度は野村さんが「1回勝ったらボトル入れていーい?」って言うもんだから、思わず僕は「勿論っ♪」って無線で答えちゃいましたが、果たしてその勝負の行方は!?野村さんが先行時、お互いに素晴らしい走りを披露して判定は5:5です。その後入れ替えて後追いの時、野村さんはとんでもない攻めの走りをします。最終コーナー出口からビタビタの素晴らしい走りに加え、2コーナーではらんだ斉藤選手を見事にオーバーテイク!これにより、野村さんは見事にベスト8進出!野村さん、マジでカッコイイ~!!しかもボトル1本ゲットぉ!!


野村選手の白煙

次のベスト8の相手はビーレーシング手塚選手ですが、昨年の富士で負けているだけに非常に嫌な相手です。今回、手塚選手の車両はこの時点でエンジン不調を抱えていたようで、どう見ても直線の伸びがありません。野村さんにもそれを伝え、ある程度距離を離すように指示を出します。ところが、手塚選手が先行時、野村さんは先程の対戦のようにかなりアグレッシブに攻めて行きます。その後詰め過ぎた野村さんは若干戻ってしまい、判定は6:4で手塚選手です。入れ替えて野村さんが先行時、やはりパワーの無い手塚選手の車両は野村さんに着いて行けずに、6:4で野村さんが取って勝負はサドンデスへ突入です。ここで僕は一言・・・。「野村さん、次はやりすぎには注意しましょうね!もう少し間隔を空けて!!」

再戦1本目、野村さんが先行で若干の間隔は空けて来たものの、2コーナーで詰め過ぎて手塚選手に接触し!そのままドリフトが戻ってしまいました・・・。その後の後追いでは1本目のアドバンテージを引っくり返すことができず・・・残念ながらここで敗退・・・。残念ながらボトルも1本で終了です・・・。野村さんも「ごめんなさい。やりすぎました・・・」って。

今回の第1戦はシリーズチャンピオンの貫禄と、終始落ち着いた走りをしていた熊久保選手に運も見方が付き、優勝を持って行かれてしまいました。練習走行時のクラッシュなどもありチームとしては慌しい状況で決勝日を戦うことになってしまいましたが、その後の復旧作業も完璧にこなした結果、最後まで無事に戦い抜くことができました。結果としては勿体無いところもありましたが、単走の100点もプラスして11ポイントは獲得しています。次の富士は僕らの鬼門となっていますので、ここをどう攻略するかが今年の鍵となってきます。まだシリーズは始まったばかりですが、とにかくトラブルだけは起こさないように今後も万全の体制で臨んでいきますので・・・皆さんも応援宜しくです!!