2007年度D1最終戦富士報告
いよいよ最終戦の富士
車両について
長いようであっと言う間だった2007年シリーズも、いよいよ最終戦を迎えました。
前回のオートポリスに引き続き、今回の富士も超高速進入サーキットです。300Rの振り出しまでにどこまで車速を乗せられるかがポイントになってきて、もっと馬力が必要!になってきます。と言うことで、今回はタービンのエキゾーストハウジングを大きくし、ブーストも上げてパワーアップ!!です。
・・・一年間開けていなかったエンジンですが、最後の力を振り絞って頑張るのだぁ~!!
足回りを仕様変更
19日(金)練習走行日
富士スピードウェイは事前の練習走行時間が非常に少ないので、初日はとにかく車両のセッティングに集中します。ターボの小変更に合わせてECUの燃料マップと点火マップを見直し、少しでもパワーが上がるようにセッティングを煮詰めていきます。足回りに関しては第2戦のデータを基にフロントスプリングを7kから9kに変更し、300Rからヘアピンに向けてフルカウンターで減速する区間のステアリングの操作性を上げました。又、第5戦にエアロパーツをTYPE-GTに変更してから、ダウンフォースが強くなってリアのトラクションが上がったので、ストローク量が増えてリアタイヤの接地面積にも変化がありました。この状態では弱アンダー気味だったので、リアスプリングも6kから8kに変更し、ショックの沈み込みを抑制しました。足回りのセッティングはタイヤの表面を見るのが一番わかりやすくって、これもまた立派なセッティングツールの一つなんです。
その後の走行でも300Rの振り出しでまだリアが強い傾向だったので、リアウイングを低くマウントしてみると・・・ようやく野村さんのコメントはバッチリ!!これでセッティングは決まったので、後は走りを研究しなくっちゃ!!と言う所で残念ながら雨が・・・。
翌日からは晴れの予報だったので、初日の走行はここまでにして、明日に備えて早めに切り上げることになりました。
セッティングもバッチリ
20日(土)D1グランプリ予選
天気予報通り、土曜日は朝から快晴ですっ!車のセッティングもバッチリになったので、審査員の方々のコメントを参考に、単走の走りのラインを見極めます。審査基準は第2戦同様、300Rをミドルラインから飛び出してきてクイックに振り返し、審査員席前に向かって真っ直ぐ飛んでくるようなラインが理想とされました。大きく振ってアウト→アウトに行くようなラインは減点が多く、これではベスト16に残るのは厳しくなりそうです。300Rからのスピードも重要になり、このボーダーラインに乗せる為にブーストを1.7kg/cm2まで上げて馬力を絞り出しました。馬力が上がったことによって、振り返してから審査員席前に飛ばすラインにも楽に乗せることができるようになり、単走の走りについてはこの時点で既に完璧な状態に近づけることができました。後は車が壊れないようにしっかりメンテナンスをして、今日も早く寝るぞー!
21日(日) D1グランプリ決勝
いよいよ今年最後のD1グランプリ決勝の始まりです。
残念ながら前回の時点でシリーズチャンピオン争いから離脱してしまった僕らは、今回も「エンジョイD1」のスタイルで臨んでいるので、あまりピリピリしたムードではありません。天気も良いし、最後は良い形で締めくくれるように、頑張って行きましょう!!
300Rから自称Vラインを走る!
1回戦
車のセッティングもバッチリだし、朝の練習走行でも完璧な走りだったので、1回戦突破は余裕な感じです。車速を上げる為に燃料、点火時期、ブーストと、どれもギリギリの所まで詰めちゃったので、後は壊れないことを祈るのみ!
1本目、練習走行通りに300Rで車速を乗せてミドルからクイックに振り返し、審査席前に真っ直ぐ飛んできます。僕らはこれを「Vライン」と呼んでいて、これがまさに理想的なライン取りでした。ヘアピンに向けてのクリップも完璧にトレースし、見事に100点獲得!!当然、すぐに野村さんに無線で伝えます。
あべ「えー、やはりVで100点ゲットです」
のむ「おぉーそれはラッキーやねぇ!次はどうしようか?」
あべ「折角だから300点狙って10万円をゲットしましょう!」
のむ「りょかーい。10万円ゲットしたらおごってあげるよー」
あべ「じゃぁ僕は財布持って行かないっすー」
2本目、300Rで1本目より若干角度を付けて飛んで来て、ラインは「Jライン」(Vよりも若干アウト側を通るライン)気味になりました。ヘアピンに向けてのラインも完璧でしたが、車速が1本目より遅く、ここが減点となって残念ながら100点は獲得できませんでした。
のむ「どーう??」
あべ「いやぁ、車速が足りず、100点じゃありませんでした」
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のむ「うーん、角度つけたからなぁ・・・」
あべ「3本目はお任せしまーす」
のむ「じゃあ最後は自分の好きなように走るねー」
3本目、野村さんはVラインでより角度をつけた走りを目指したようですが、審査員席前で角度を付けすぎた状態になり、残念ながら失敗です。
結局8名程が100点を獲得し、車速の順位で野村さんは8位で1回戦を終えました。
ベスト16初戦は
ダンロップユーザー猪瀬選手
べスト16追走
ベスト16初戦の相手は、同じDUNLOPドライバーの猪瀬選手です。猪瀬選手は高いスピードと迫力を兼ね備えており、高速サーキットである富士でも非常に手強い相手です。
選手紹介の為にコースインし、タイヤを温めながらスタート地点に戻ってきた野村さんですが、何とここで思わぬトラブルが発生していました。シフトノブの下に取り付けてある歪み計(点火カットの為の物)の取り付けボルトが折れて、シフトレバーがブラブラです。ステンレスワイヤーで固定して対策をしてみましたが、ウォームアップの時にシフトダウンした瞬間、今度はセンサー自体が折れてしまいました。これで完全にシフトノブが取れた状態になってしまい、レバーはノーマルとほぼ同じ位置まで下がってしまいました。シフトの操作自体には支障はありませんが、突然レバーの位置が低くなってしまったことにより、体で覚えている瞬時の操作には支障があるはずです。そのような手負いの状況で・・・無残にも1本目がスタートします。
1本目、野村さんが先行で単走と同じようなラインを走りますが、後追いの猪瀬選手は振り返したあと綺麗にイン側に並び、物凄い食込みを見せます。
ここで判定は6:4で猪瀬選手です。
入れ換えて2本目、野村さんは300Rで若干離されましたが、振り返したあとは同じように綺麗にイン側に並びヘアピンを抜けていきます。ところが、この詰め寄りは猪瀬選手ほどの距離ではなく、この判定は5:5となりました。
手負いの状態でも素晴らしい走りを披露した野村さんでしたが、2007年シリーズ最後の戦いはここで幕を閉じることになりました。
今回は車のセッティングも良い方向へ行き、練習走行か終始好調だっただけに、良い形で締めくくれなかったのは非常に悔しく思います。何故か富士とは相性が悪いようで、いつも何かとトラブルが起こってしまいます。シフトレバーのトラブルも全く予想できなかったもので、ただ運が悪いとしか言いようがありませんでした。最終戦に11位と言う結果になり、残念ながらシリーズランキングも5位に転落してしまいました。
07年応援ありがとうございました!
2007年シリーズを振り返って
昨年最後までシリーズチャンピオン争いをしていただけに、今年こそは、と言う気持ちで前半戦は戦っていました。ところがこれがどこかで歯車が狂ってしまい、あまり良い結果に結びついていなかったのかも知れません。又、今年のシーズンは周りの車の進化に対して、若干遅れを取っていたことも否めません。若干の小変更は繰り返していましたが、大きなアドバンテージを取れるような大幅な変更点はこれと言って特に無く、オートポリスや富士スピードウェイ等の高速サーキットでは若干不利になるシーンも多々ありました。長いようであっと言う間に終わってしまった2007年シーズンですが、来年に向けて色々と課題を残したのも事実です。今のところ来年もほぼ同じ体制で参戦することが決まっていますので、今から十分に準備して、今年以上に良い成績を残せるよう頑張ります!
と言うことで、皆さん、また来年も応援宜しくお願いしますねっ!!
・・・その前に11月のオールスター戦を制覇して、2連続世界チャンピオンを狙うぞーーー!?