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2008年度D1第3戦鈴鹿報告



秘密兵器投入


車両について
前戦の富士スピードウェイは独特のセッティングでしたが、鈴鹿は通常のセッティングに戻します。スプリングをフロント7k、リア7kに変更し、リアウイングもいつもの高さに変更です。又、今年に入って故障してしまった燃料計(残量計)を交換するついでにメインの燃料ポンプを新品にしたほか、2年間使用したファイナルギアも新品で組み直しました。ここまではトラブル回避の為のメンテナンスですが、今回は更に車を進化させるために、新たな新兵器を投入しました。URAS製の試作品ではありますが、ステアリングの切れ角を上げるためのナックルです。このナックルの変更により、フルカウンター時のスピン防止だけでなく、より角度を付けたドリフトが可能になります。タイロッドエンドの支点が変わるショートタイプの物なので、ステアリングレスポンスが上がりすぎてしまう(少し切っただけで、従来以上に切れてしまう)と言うデメリットもありますが、扱いに慣れればかなりの武器になるはずです!

切れ角向上

23日(金) D1グランプリ公式練習走行日
前日の木曜日にピットの設営を済ませ、金曜日は朝からとにかく走りこみます。エンジン、足回り、ギア比等の車の状態を確認しながら、今回より投入したナックルの具合を探ります。レスポンスが上がって若干のステアリング修正でも車がフラつく傾向はあるようでしたが、とにかく角度に耐えられる事がかなりのプラスになり、これで今まで以上に迫力のある走りが可能になりました。野村さんの走りを外から見ていても振り返しの時の車の動きがクイックになっているし、かなり良さそうな感じっ!!現場での仕様変更も特に無く、野村さんにはとにかく走ることに集中して車に慣れてもらいました。

ドライ路面で練習走行

24日(土) D1グランプリ予選、D1SL1回戦、ベスト16
今回の鈴鹿はD1SLの併催と言うこともあり、練習走行の時間がかなり短くなってしまいました。土曜日一日だけで全車の練習走行、D1SL1回戦、D1予選、D1SLベスト16の全てが行われるスケジュールなのです。御存じの通りD1シード選手は予選が免除されていますが、土曜日の練習走行が1本だけなのは非常に辛いっ!!朝一の練習走行はドライで走れましたが、午後から雨が降り出して、日曜日の昼まで天気予報は雨・・・。せめてウェット路面でのセッティングを確認したかったのですが、D1SLの表彰式が終わったのは18時過ぎに・・・。練習走行は1本だけでしたが、車も野村さんも絶好調なのでトラブルが起こらないようにしっかりとメンテナンスを行い、翌日の決勝に備えました。

決勝前の野村さん

25日(日) D1グランプリ決勝
前日から降り始めた雨は残り、朝のドライバーズミーティングの時点でもまだ降り続けていました。ウェット路面の中で練習走行が始まり、とにかくクラッシュだけはしないように恐る恐る走ります。(ここでぶつかっちゃったらどうにもならないので・・・)どうやらスタート地点から振り出しのポイントまではグリップが高く、そこから先は全くグリップしないと言う非常に難しい路面コンディションのようでした。(ラバーグリップが乗っているところはウェットでは全く食わないみたい…)ところが、練習走行終盤に近づくにつれ、天候は一気に回復します。路面も徐々に乾き始め、一周ごとにコンディションが変わっているようです。ドライ路面に照準を合わせるか、それともそのままウェットなのか・・・前回富士と同様、1回戦開始までに路面が完全に乾くかが勝負の分かれ道になりそうです・・・。

迫力ある走りをする野村さん
1回戦
大勢のファンの前でベストな走りをしたい、と言う選手達からの提案により、1回戦開始前に全車両でグリップ走行による路面を乾かす為の走行がありました。このお陰で完全なドライコンディションでの戦いとなりますが、ウェット路面で練習走行を行った直後からぶっつけ本番のドライ路面スタートとなるので・・・油断は禁物です。

1本目
のむ「いつものように、最初は抑えて行くよー」
あべ「最初は程々にー!」
僕らの心配は物ともせず、野村さんは1本目から角度、迫力共に十分な走りを披露します。
127km/h進入の100点を獲得です。
あべ「いやぁ、最初から100点ごちそうさまですー」
のむ「おや?抑えて100点はラッキーやねぇ!」

2本目
あべ「えーっと、1本目で100点取ってるので、あとは遊びましょう!!」
のむ「りょうかーい!やはり手前からやりますか!?」
あべ「よろしくですー!」
迫力重視の超手前から真横にして出て行く作戦は、やっぱりスピードが足りずに99.8点です。
あべ「残念ながら、ちょっぴり遅いみたいですー。100点は行きませんー」
のむ「ちくしょう、今までで一番頑張ったのにぃ~!」

3本目
あべ「まぁ、100点出てるので、最後は任せますねー」
のむ「はーい、最後は好きに走りまーす!」
3本目は1本目のように車速を乗せた走りに戻し、角度、迫力共に十分な走りで、再び100点を獲得!

100点2本ゲットで見事に6位通過!ですが・・・野村さん的には2本目が一番行けてたハズだったようです・・・。(笑)

ベスト16の相手は内海選手

追走ベスト16
ベスト16最初の対戦は、昨年の第5戦エビスの決勝戦で戦った内海選手です。野村さんの先行で始まった1本目は終始迫力で勝り、5.5:4.5で野村さんがアドバンテージを取ります。入れ替えて後追いでは1コーナーからインに飛び込みますが、2コーナーでフロントに若干の修正があり、判定は五分でサドンデスに突入です。1度目のサドンデスは先行、後追い共に両者良い走りを披露して五分となり、勝負はそのまま2度目のサドンデスにもつれこみます。リアタイヤを確認して若干エアーを落とした後、2度目のサドンデスがスタートします。先行では迫力のある走りのまま逃げ切って野村さんがアドバンテージを取り、後追いでは1コーナーの振り出しから最後のS字まで内海選手に食い込みます。この後追いの判定が6:4で野村さんとなり、見事にベスト8に進出です!

ベスト8の相手は黒井選手

ベスト8
続くベスト8は迫力勝負の黒井選手との対戦です。今回からナックルを変更したこともあり、角度、迫力共に野村さんも負けてはいません。野村さんの先行で始まった1本目、ダンロップコーナーの振り出しからS字まで迫力で勝り、5.5:4.5でアドバンテージを取ります。入れ替えて後追いでは、1コーナーから終始食い込みを見せましたが、最後の最後でハーフスピン気味にぃ!!このミスを取られて、勝負はそのままサドンデスに突入します。サドンデス1本目の先行は両者ノーミスの素晴らしい走りで五分となり、次の後追いで野村さんは勝負に出ます。
のむ「俺はやる時はやるぜぃ!!」
そう言い残してスタート!
このとき「やり過ぎには注意してください!」と僕が言い忘れたのに気づいた時・・・すでに遅し・・・。
1コーナーの振り出しから全開で黒井選手に食い込み、超接近して振り返したところで・・・やっぱり近付き過ぎて行き場がなくなり、審査員席前をショートカット気味に通ってしまいました。
のむ「えー、やりすぎました・・・。」
あべ「いやぁ、でも超カッコ良かったっス!!何だか負けたけどスッキリ!!」

残念ながらこ野村さんはここで敗退することになってしまいましたが、毎回素晴らしい走りだったので、悔いはありません!!

黒井選手と対戦直後

第3戦まとめ
全7戦中の3戦目を終え、現在のシリーズランキングは2位をキープしています。今回から投入したナックルの調子も良く、今まで以上に角度を付けた走りが出来るようになったことは今後も非常に武器になります。車もタイヤも絶好調なので、今年はマジで行けそうな予感!?がするのは僕だけではないハズ!
今回はベスト8で負けてしまいましたが、どの対戦も全員がフェアに戦い、素晴らしいレース内容だったので本当に悔いはありません。次戦岡山は初開催なので何が起こるかわかりませんが、何としてもノントラブルで乗り越えてシリーズランキング上位を死守したいと思います!

(勿論、お台場のエキジビジョンもがんばりますよーっ!!!)