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2009年度D1第2戦オートポリスレポート



650馬力オーバー仕様


車両について
第2戦も大きな仕様変更は行わず、エビスで好調♪だった高回転型のエンジン特性をそのまま採用しました。オートポリスは進入までの直線距離が長く、エンジンの馬力差が顕著に出てしまうコースなので・・・斉藤選手等の800psオーバーの車両と対等に戦う為には、僕らの車も限界までエンジン出力を上げる必要があります。今回はオクタン価の高いガソリンを使用し、ブーストと点火時期を攻めて650psオーバーの仕様でチャレンジです。足周りについてはリアをトーアウトにし、振り出しからプリっと出るハズ?のセッティングを試すことにしました。

リアをトーアウトへセッティング変更が・・・。

24日(金) 練習走行日
残念ながら今年のオートポリス戦は木曜日の練習走行枠が設けられず、金曜日の午後から練習走行が始まりました。通常は逆走で走れないこのサーキットで30分×3回の練習走行しかできないのとてもイタイ・・・のですが、とにかく1回目の走行枠はエンジンや足周りのセッティングを確認しながらコースとスピードに徐々に慣れていきます。野村さんもようやく車速に慣れてきたので、2回目の走行枠から全開で進入!・・・と思ったのですが、1コーナーのクリップから先でどうしても車が流され気味になるようです。どうやらプリっと行くハズ?のトーアウトのセッティングが裏目に出てしまったようで、アクセルを踏むとドンドン外側に行っちゃうみたい!これじゃイカン!と言うことで、慌ててリアトーをインに戻してみると、幸いにも今まで通りの良い方向へ行ったみたい・・・。いやぁ良かった良かった!とホッとしていると、何とこれで今日の練習走行は終了! 結局、この日は車のセッティングだけで終わってしまい、走りの検証があまりできないまま、翌日の予選日を迎えることになりました。しかも翌日の降水確率は100%です・・・。もしかして、このまま十分な練習走行ができないまま決勝を迎えるのでしょうか??

天候不良で霧がコースを覆います

25日(土) D1グランプリ予選
残念ながら天気予報の通りに朝から雨が降り、オートポリス周辺は霧で包まれています。完全に視界不良になってしまい、練習走行すら行えない状況です。さすがにこれではコンディションが回復するまで待つしかなく、スケジュールも大幅に変更となりました。雨は上がっても霧が晴れず、路面も乾きそうにありません。結局予選が始まったのは午後3時過ぎになり、シード選手の練習走行は無いまま、この日は終了することになりました。やはり・・・十分な練習時間が無いまま決勝を迎えると言う、最悪の事態になってしまいました。
26日(日) D1グランプリ決勝
前日からの曇り空を引きずり、残念ながら決勝日も晴れ間が見えない生憎の天気です。4月下旬とは思えない程の極寒の中・・・決勝日がスタートしました。

1回戦終了してピットへ戻る
1回戦
ここまで十分な練習時間がありませんでしたが、幸いにも決勝日は朝一の練習走行からドライ路面で走れます。短い走行時間ではありますが、野村さんの走りを審査員席から確認し、1回戦突破に向けて細かい修正を行います。今回のポイントは・・・進入はもちろんですが、2コーナーのクリップへのライン取りが重要になり、アウト側に流されたようなラインは大きな減点になります。
1本目はとにかく抑え目に行き、確実にポイントを稼ぐ作戦でしたが、野村さんは進入で思いのほか流され、失敗してしまいます。
のむ「やばい失敗したーー!!」
あべ「大丈夫っす、焦らず確実に!野村さんはできる子です!!」

もう後が無い2本目・・・1本目で失敗している以上、ここはとにかく無難に走りきるしかありません。全体的に点数が低いので、99点台が出れば確実にベスト16には進出できるはずですが、2本とも失敗してしまっては元も子もありません。ここは焦らずに確実な走りを心がけ、いよいよスタート!・・・2コーナーで若干のミスがありましたが、それ以外は無事にクリアして99.0点を獲得し、8位で1回戦を終えました。決して格好良い走りでは無かったかもれませんが、極度の緊張感の中、無難にまとめられたのはさすがっす!!

ベスト16前に余裕の野村さん
追走ベスト16
ベスト16の相手は初対戦となる藤中選手です。藤中選手は3ローターターボのFD3Sを操り、トップクラスの進入スピードで1回戦を突破してきた強敵ですが、野村さん先行の1本目、1回戦の無難な走りが嘘のような鋭い走りを披露します!!進入の距離、角度共に上回り、アドバンテージは野村さんです。後追いの2本目、野村選手は藤中選手より早いタイミングで振り始め、1コーナークリップ付近からビタビタで2コーナーに向けて振り返します。藤中選手は2コーナーでコースアウトをしてしまいますが、野村さんはノーミスでイン側をクリア!この結果、野村さんは見事にベスト8に進出です!

ベスト8前にマシンチェック

ベスト8
ベスト8の相手は今年からチームWELDのJZX100に乗る山下選手との対戦です。山下選手はD1優勝経験もある大ベテランであり、車両も800psオーバーのモンスターマシンです。山下選手先行の1本目、野村さんは後追いでアドバンテージを獲得する同時振りをここでも披露し、2コーナーから先でも終始ビタビタの走りを見せます。これで野村さんは若干のアドバンテージをゲットです!!野村さん先行の2本目は全開からの超ロングサイド進入を決め、山下選手はこれに合わせて必死に食らいつきます。しかし2コーナーでギリギリ止めきれずに軽く接触してしまい、これが決め手となって野村さんのベスト4進出が決まりました!

熊久保選手と接触したがマシンは軽傷

ベスト4
単走の走りとは打って変わり、鋭い走りを連発する野村選手はトントン拍子にベスト4まで駒を進めました。次の相手は良きライバルである熊久保選手との対戦です。ここまで来ると二人はファンを沸かせることしか考えていないみたいなので(笑)、後はお二人に好きに走ってもらうしかありません。お互い120%の力で走れると言うこの対戦カードは、何度見ても驚きと興奮を皆に与えます。(ホントにステキ♪)熊久保選手が6:4でアドバンテージを取ると野村さんが6:4で取り返し、勝負は当然のようにサドンデスに突入します。1本目と同じ様に熊久保選手アドバンテージで始まった野村さんの後追いで、熊久保選手はものすごい角度で1コーナーに進入します・・・って、あれあれ?それはやっぱり無理では!!と言う感じで熊久保選手はハーフスピン(笑)野村さんも止めきれずにぶつかってしまいましたが、幸いにも車は軽傷な感じ。この結果は熊久保選手のミスと言う判定になり、野村さんは2戦連続で決勝進出です!

決勝前でもリラックムード

決勝戦
決勝戦は開幕戦と同じ対戦カードになりました。前回は今村選手のエンジンブローで野村選手が勝利しましたが、今回は今村選手もリベンジに燃えています。野村選手先行の1本目、今までと同じように角度を付けて迫力のある進入を披露しますが、今村選手も同じように綺麗に合わせ、2コーナーではイン側に詰め寄ります。この判定はほぼ五分です。入れ替えて野村選手の後追いでは、超ロングサイドの今村選手に合わせる為には少し間隔をあけて振り出しを遅らせ、2コーナーで詰め寄る作戦に出ました。ところが思いのほか2コーナーで距離を縮めることができなく、この判定もほほ五分に・・・。非常に僅差ではありましたが、1本目、2本目の若干のアドバンテージの合計で勝者は今村選手となりました。

次戦岡山も頑張ります!

第2戦まとめ
開幕戦に続き、2戦連続の決勝進出と言うことで、今のところシリーズランキングは1位を死守しています。野村さんはゼッケン1番のプレッシャーがかなりあったようですが、チームとしてはそれほどの気負いは無く、今回も楽しみながら戦えました。今まで以上に馬力を上げて行ったこともあり、追走の後追いであまり焦ることなく前車に付いて行けたことも勝因の一つだったと思います。とにかく今回も車両のトラブルが無かったことが何よりで、予選日、決勝日共に余計な作業を必要としなかったのは完璧な事前準備の賜物です。第3戦からは恐怖のダブルヘッダーが始まります。何が起こるかわからない過酷な戦いが想像できますので、今から気持ちを引き締めていきたいと思います!!