第9戦 11月9日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
予選10位のデュバル:平中/Epson NSXが4位入賞!
クスコDUNLOPスバルインプレッサは3位表彰台を獲得!

レース中盤、激しいバトルが展開された

 全9戦で争われる2008年スーパーGTシリーズは、第8戦オートポリスから3週間のインターバルを経て、富士スピードウェイで最終戦を迎えた。5月4日の第3戦に次ぐ今季2度目の富士スピードウェイとなった。前回の富士は500kmで争われたが、今回は300kmで争われた。改修から4年目となる富士スピードウェイは、長いメインストレートを持ち、前半の高速セクションと後半のテクニカルセクションが組み合わされた難しいコースだ。
 ダンロップタイヤ装着車は、GT500クラスは、第1戦10位、第2戦5位、第3戦7位、第4戦と第5戦はリタイア、第6戦11位、第7戦5位、第8戦では待望の2位表彰台を獲得したEpson NSXと、今季からダンロップユーザーとなり、第5戦では6位入賞を果たしたDENSO DUNLOP SARD SC430の2台。Epson NSXは、06年と07年の最終戦富士で2年連続優勝を飾っているだけに、期待の高まる一戦でもあった。
 GT300クラスは、ダンロップユーザーとして2年目を迎え、唯一のAWDマシンとなるクスコDUNLOPスバルインプレッサ。第1戦6位、第2戦3位、第4戦セパンでは、ポール・トゥ・ウインを飾るが、その後は特別性能調整などの影響でポテンシャルを抑えられてはいるが、着実にマシン開発を続けた結果、ポテンシャルは確実にアップしている。
 今回のタイヤは、GT500とGT300ともにソフトとミディアムのコンパウンドを用意したが、予想されるコンディションに合わせて、2クラスともにソフトを選択した。

インターミディエイトでスタートしたEpson NSXだったが、すぐにスリックに交換

【GT500】

 レースウィークは、金曜午前の練習走行1回目は、前夜に降った雨の影響でウエットコンディションからスタートし、セッションの終盤には完全なドライコンディションとなった。午後の練習走行2回目では、路面を太陽が照らす好天となった。
 だが、土曜日の予選は一転、朝から雨が降り続き、ウエットコンディションで争われることになった。予選1回目は、路面コンディションが好転した2クラス混走時間帯の終盤にロイック・デュバル/Epson NSXが2番手のタイムをマークして、トップ10のマシンでスターティンググリッドを争うスーパーラップ進出を決めた。アンドレ・クートがアタックしたDENSO DUNLOP SARD SC430は思うようにタイムが伸びず、予選14位となった。
 続くスーパーラップでは、最後から2番目のタイムアタックとなったロイック・デュバル選手がポールを目指して果敢に攻めた。だが、ブレーキをロックさせてコースオフ、大きくタイムロスした結果、予選10番手グリッドからのスタートと、大きく後退となった。

決勝朝のフリー走行では、タイヤ交換とドライバー交代の練習を重ねていた

 決勝当日、雨は上がっていたが、朝のフリー走行前には、まだ路面が湿っており、ウエット宣言が出されていたが、マシンが走り出すと、走行ラインはすぐに乾いていった。
 午後2時からの決勝レース直前に小雨が降り出し、スターティンググリッド上では、ドライ用のスリックから浅溝のインターミディエイトに履き替えるマシンが続出。Epson NSXはインターミデイト、DENSO DUNLOP SARD SC430はスリックのままで、300km、66周のレースがスタート。一時は完全なウエットとなったが、小雨は止んでしまい、路面が乾くにつれてインターミディエイト勢はタイムダウンすることとなり、タイヤ交換のためのイレギュラーなピットインが続いた。ロイック・デュバル選手がスタートドライバーを担当したEpson NSXは4周目にタイヤ交換のためにピットインして大きく後退。
 一方、アンドレ・クート選手のドライブするDENSO DUNLOP SARD SC430は5周目にはトップに浮上した。18周目には、スリックタイヤでスタートしたマシンにパスされて2番手に後退したが、そのままの順位をキープ。27周目にピットインして高木虎之介選手に交代したDENSO DUNLOP SARD SC430だったか、その直後から再び雨が降り始めてしまい、高木虎之介選手はレインタイヤへの交換のために再度ピットインをすることになってしまった。結果的にはイレギュラーのピットインを強いられてしまった2台だったが、その後は果敢な追い上げを見せて、Epson NSXは4位、DENSO DUNLOP SARD SC430は5位と、ポイント圏内で揃ってチェッカーを受けた。

左からEpson NSXのロイック・デュバル選手と平中克幸選手

「タイヤをドライかインターミディエイトか悩みましたが、大半のチームがインターミディエイトを選んでいたのでギャンブルはできませんでした。でも、自分たちの持っているパッケージで、ベストなパフォーマンスが発揮できたと思います。今シーズンの流れを反省し、来シーズンは、もっと上を狙っていこうと思います」とEpson NSX中嶋悟総監督。
「雨が強くなると判断したのですが、コースは乾く方向にの変わりました。タイヤ交換でピットインした分、タイムロスになりましたが、そこからはペースを上げて挽回することができました。周回遅れのクルマでタイムロスした分、ポディウムに届きませんでしたが、いいパフォーマンスでシーズンを終えることができました」とロイック・デュバル選手。
「クルマのバランスはよかったです。トラクションは高くて、あんなコンディションでしたが安定して、速いペースで周回を続けることが出来ました。終盤のスピンが反省点です。でも、何とか4位まで追い上げることができてよかったです」と平中克幸選手はコメント。
そして、ピットインのタイミングが、あと2周遅ければ、上位入賞の可能性もあったDENSO DUNLOP SARD SC430。「ドライが決まって2番手になったんですが、ピットインのタイミングが悪くて、もったいなかったですね。でも、ウエットのパフォーマンスがとてもよくて、5位まで追い上げることができました」とレースを振り返る高木虎之介選手。
「ダンロップのレインタイヤは、素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれました。高木選手も好バトルを見せてくれたたげに、惜しい一戦でした。この勢いを来年の開幕戦につなげたいですね」とDENSO DUNLOP SARD SC430の加藤眞チームオーナーは語った。
 これでスーパーGTシリーズは全9戦が終了。今季のGT500最高位は2位と勝利は逃してしまった。だが、来季に向けての新たな戦いは、休む間もなくスタートが切られる。





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ニュルブルクリンク2014