●第9戦 11月3~4日(日)富士スピードウェイ(静岡県)
Epson NSXが、予選3位から待望の初優勝でラストを飾る!
BANDAI 00 DUNLOP SC430は11位でフィニッシュ

期待のかかる35号車

 第8戦オートポリスから3週間のインターバルで迎えた最終戦富士スピードウェイ。今回のレースは、94年に全日本GT選手権が初開催されて以来、100戦目となる節目のレースでもある。ダンロップ勢は、この記念すべきレースで有終の美を飾るべく、ラストバトルを展開した。舞台となる富士スピードウェイは、5週間前にはF1日本GPも開催され、スーパーGTでは、第3戦に次ぐ今季2度目のレースとなる。第3戦は500kmだったが、今回は300kmで争われた。全面改修から3年目となる富士スピードウェイは、高速セクションとテクニカルセクションが組み合わされ、攻略の難しいコース。昨年の最終戦では、Epson NSXとBANDAI DIREZZA SC430というダンロップ勢が1-2フィニッシュを飾っているだけに、期待が高まる一戦でもあった。
 ダンロップタイヤ装着車は、GT500クラスはEpson NSXとBANDAI 00(ダブルオー) DUNLOP SC430の2台、GT300クラスは宝山DUNLOP Zの46号車と47号車、クスコ DUNLOP スバルインプレッサ、LEYJUN DUNLOP MT900の4台。タイヤは2クラスともに、ドライ用はミディアムとソフトを用意。GT500とGT300は、全車がソフトをチョイスしてレースに臨んだ。

予選3位の32号車

 金曜日の練習走行は、前夜の雨も上がり、午前の走行までには路面はほぼドライとなり、午後の走行では雨がパラつく場面もあったが、やはり路面はドライのままで走行が続けられた。この日は、Epson NSXのロイック・デュバル選手が3番手のタイムをマーク。BANDAI 00 DUNLOP SC430は、セッティングを合わせ切れずに16番手で走行を終えた。
 土曜日に行われた予選1回目、10時10分から20分間のGT300クラスの占有走行が行われ、GT500は同じく20分間の占有走行でタイム計測、そして20分間の混走での計測と60分間のセッションが続いた。ここで、Epson NSXのロイック・デュバル選手が3番手のタイムをマークしてスーパーラップに進出。BANDAI 00 DUNLOP SC430は、タイムが伸びずに、16番手でセッションを終え、スーパーラップ進出は果たせなかった。
 午後のスーパーラップでは、Epson NSXはポジションアップとはならなかったが、予選1回目の順位をキープする予選3位を獲得。また、決勝を見据えたセッティングも順調に決まり、コンスタントに速いラップタイムをマークできる仕上がりを見せていた。

トップに立つ32号車

 決勝レースは、前日までとは一転して快晴となり、午後2時5分にローリングスタートが切られた。ロイック・デュバル選手のドライブするEpson NSXは順調にラップを刻み、7周目の1コーナーで前車をパスして2番手に浮上。さらに勢いに乗ったEpson NSXは19周目の1コーナーでトップに立って、レースをリードした。30周目にロイック・デュバル選手からファビオ・カルボーン選手に交代後もハイペースな走行は続き、後半は2位以下を20秒以上も引き離す場面もあったが、結局、16秒418差でEpson NSXは待望の今季初優勝を達成し、昨年と同じくダンロップ勢が有終の美を飾り、厳しかったシーズンが終わった。

トップでチェッカーを受ける32号車

「完璧でファンタスティックなクルマに仕上げてくれたチームに感謝したい。こんなにすばらしいクルマを用意してくれたホンダさんとすばらしいタイヤを造ってくれたダンロップさんに感謝している」とロイック・デュバル選手。
「とにかく最高の気分。ロイックが走った前半で大きなギャップがあったから、安心して走ることができた」とファビオ・カルボーン選手。
「去年は、リストリクター径などでヘルプをもらった状態での優勝でしたが、今回はハンデなしで完璧な勝利が出来たことは、とてもうれしいですね。予選のタイムよりも、レースで安定して速かった。日に日に進歩しているダンロップタイヤにとても感謝しています」と語る中嶋悟総監督。

見事優勝のデュバル/カルボーン両選手。シリーズも2位に

予選15位のBANDAI 00 DUNLOP SC430は、服部尚貴選手がスタートドライバーとして戦い、オープニングラップで1つポジションを落としたが、順調に順位を上げて、ピーター・ダンブレック選手に交代後の44周目には10番手までポジションアップ。だが47周目にはスローパンクチャーのためにイレギュラーのピットインを余儀なくされて13番手まで後退したが、再び11番手まで挽回してチェッカーを受けた。第3戦富士では表彰台に手が届く4番手を走るパフォーマンスを発揮したが、今季2回目の富士では、金曜日からコンディションの変化によるマッチングに苦しみ、厳しいレースとなってしまった。
 今シーズンのEpson NSXは、不運なアクシデントやトラブルにも見舞われたが、今回の優勝で、ロイック・デュバル選手とファビオ・カルボーン選手はランキング2位、ナカジマレーシングはチームランキング3位という輝かしい成績を残してシーズンを終えた。
 07年シーズンは終わったが、来年こそは頂点に立つべく、シーズンオフの開発テストに向けて、さらなる好成績を目指した新たな戦いが、今ここからスタートする。





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ニュルブルクリンク2014