第8戦 10月23日(土)~24日(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)
Epson HSV-010は、予選11位から追い上げて9位でチェッカー
DUNLOP SARD SC430は、着実な走りを見せて11位でフィニッシュ
土曜の公式練習を走るEpson HSV-010(前)
ツインリンクもてぎを舞台に開催された2010年スーパーGTシリーズ第8戦「もてぎGT250kmレース」。今季は全8戦で争われる予定だったが、第7戦富士スピードウェイ(9月11~12日)が台風の影響で中止となり、シリーズは全7戦の成績でランキングが決まることになった。前戦となる第6戦鈴鹿サーキットから9週間のインターバルを経て、ノーウエイトハンデの勝負となる最終戦を迎えた。ツインリンクもてぎのロードコースは、1周4.801km、ストップ&ゴーが続くテクニカルサーキットである。
今回、ダンロップが用意したドライ用タイヤは、ミディアムとソフトの2種類。GT500クラス、GT300クラスともにソフト側をチョイス。今回は250kmと通常より50km短かく、タイヤ無交換や2本交換という戦略も取りやすいが、ダンロップ勢は4本交換でレースに臨んだ。
予選11位となったDUNLOP SARD SC430
【GT500】
今季、ダンロップを装着して戦う、「NAKAJIMA RACING」のEpson HSV-010と、「LEXUS TEAM SARD」のDENSO DUNLOP SARD SC430。「NAKAJIMA RACING」は、新加入のベテラン道上 龍選手とスーパーGT参戦2年目となる若手の中山友貴選手。「LEXUS TEAM SARD」は、ベテランのアンドレ・クート選手が欠場となり、カルロ・ヴァンダム選手が代役として参戦。チーム加入2年目の平手晃平選手とともに最終戦に臨んだ。第6戦までは前戦までの獲得ドライバーズポイント(1点を2kgに換算) によってハンデウエイトが搭載された。だが最終戦はノーウエイトハンデとなるため、速さを抑えられていたマシンが速さを取り戻す一戦ともなる。予選はノックダウン方式で行われた。
土曜の予選日は快晴となり、午前9時5分から1時間45分間の公式練習は、気温10℃、路面温度19℃という秋の朝らしい肌寒いコンディションとなった、Epson HSV-010は
道上 龍選手が11番手、DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が12番手のタイム。
予選1回目が始まる午後1時5分には、気温19℃、路面温度22℃まで上昇。予選1回目は、各ドライバーが基準タイムクリアするための予選であり、Epson HSV-010は道上 龍選手が12番手、DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が13番手となった。
午後2時45分からの予選2回目は、3段階でタイムの遅い順にふるい落とされるノックダウン方式。セッション1で上位10台、セッション2で上位7台が残り、最後のセッション3でトップ7のグリッドが決まる。ダンロップ勢は思うようにタイムが伸びずに、2台ともにセッション2への進出はならす。Epson HSV-010は道上 龍選手が11番手グリッド、DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が13番手グリッドという結果で予選を終えた。
中山友貴選手と道上 龍選手(左から)
決勝日は曇り。午前8時30分から45分間に渡って行われた朝のフリー走行では、DENSO DUNLOP SARD SC430は6番手と好調さを見せ、Epson HSV-010は11番手。
53周、250kmで争われた決勝レースは、気温19℃、路面温度20℃と低めの状態のままで、午後2時にローリングラップが始まり、午後3時4分にスタートが切られた。第3戦富士に次いで、中山友貴選手が今季2度目のスタートドライバーを担当。予選11位のEpson HSV-010は、1周目にポジションを1つ落とすが、3周目には他車のペナルティストップで11番手に復帰。その後も着実に順位をアップして22周目には6番手まで浮上。23周目に道上 龍選手に交代して10番手でコースに復帰。各マシンがルーティンのピット作業を終えた後も安定した走行を続けながら、今季のシリーズ最終戦を9番手でゴール。
一方、予選13位のDENSO DUNLOP SARD SC430は、平手晃平選手がスタートドライバーとなり、レース前半を大健闘。ピットインのタイミングを遅らせる作戦で2番手まで浮上して30周目にピットイン。カルロ・ヴァンダム選手に交代して11番手でコースに復帰。初のGTレースとなったが、そのまま最後までポジションをキープして、11位でチェッカー。
アンドレ・クート選手の代役で参戦したカルロ・ヴァンダム選手と平手晃平選手(左から)
次につながる手応えを感じたレースになったというEpson HSV-010。
「予選はセッション1での脱落は予想外でしたが、レースペースは悪くはなく、ドライバーは2人ともいい走りをしてくれました。今季は結果的にはよくはありませんでした。クルマもスタッフも入れ替わって一歩一歩やってきたので、この成果をシーズンオフに、さらに進化させていきたいです。応援ありがとうございました」と中嶋 悟総監督は振り返った。
「フロントタイヤが厳しくなり、相手の後ろにつくとダウンフォースが抜けてアンダーが強くなる状況だったので、あまり無理することはできなかったですね。この1年はトライ&エラーの繰り返しでしたが、着実に進化してきたと思うし、これから絶対によくなると信じてやっていくだけです。次のFUJI SPRINT CUPはノンタイトル戦ですが、最後のレースという意味で、結果を出したいと思っています」と道上 龍選手。
「スタートドライバーでしたが、予想よりもペースがよく走れたので、ピットインのタイミングを予定より遅らせて道上さんに交代することができました。FUJI SPRINT CUP は、スプリントレースなので、また違った走りを見せられると思います」と中山友貴選手は語った。
アンドレ・クートの欠場となったDENSO DUNLOP SARD SC430は11位となった。
「今回はアンディ(アンドレ・クート選手)がいなかったこともあり、出来る限りのことはやったのですが、ちょっと届きませんでしたね。今年はいい成績を残せず全体的には厳しいレースとなりました。最後のFUJI SPRINT CUPは頑張ります」と菅野純博監督は語った。
「今季は安定したタイムは出るのですが、予選での一発のタイムが出ない状態が続いて、厳しいシーズンになり、悔しい思いをしました。ヴァンダム選手も、立派に代役を果たしてくれました」と平手晃平はコメント。
「初めてのGT500はとてもいい経験だった。マシンとタイヤを十分に乗りこなす時間はなかったが、再びこのカテゴリーに挑戦できればうれしい」とカルロ・ヴァンダム選手。
今季最後の戦いは、FUJI SPRINT CUP(11 月12~14日)。ダンロップ勢の健闘が期待される
今季のスーパーGTシリーズは全8戦(内1戦中止)が終了。ダンロップ勢は光る走りを見せながらも勝利を飾ることはできなかった。ポイントランキングでは、DUNLOP SARD SC430がチーム12位、Epson NSXがチーム13位。ドライバーでは平手晃平選手が12位、アンドレ・クート選手が13位、道上 龍選手と中山友貴選手が14位という結果。
今季のスーパーGTシリーズは幕を下ろしたが、まだノンタイトル戦となるFUJI SPRINT CUP(11月12~14日)が残っている。土曜と日曜にドライバー交代なしで100kmのスプリントレースが各1回行われる。今までのGTシリーズとは違った展開のレースだけに、シーズンオフ前の今季を締めくくる見逃せないファイナルバトルとなるだろう。