第7戦 10月1日(土)~10月2日(日)オートポリス(大分県)
【GT300】

快調な走りを見せたJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458
2位入賞でランキングトップに再浮上してタイトル争いに王手!

2位の平中克幸選手と田中哲也選手(左から)

 昨年からダンロップユーザーとして参戦する「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)。ドライバーはベテラン田中哲也選手と若手の平中克幸選手。昨年はFIA GT仕様の「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430」で第1戦鈴鹿は予選2位、第4戦マレーシアではポールを獲得、11月の特別戦では100km(22周)レースで2連勝を達成した。今季はFIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTC「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」を新投入。雨足が変化する難しいウエットとなった初戦の富士、ドライとなった延期開催の第1戦岡山、フェラーリF458 GTC は、ダンロップタイヤとのマッチングは良好で、ハイポテンシャルを発揮。ポイントリーダーとなって60kgのウエイトハンデを搭載した第3戦セパンと、3戦連続で2位入賞を達成。 第4戦SUGOは7位、第5戦は4位と着実にポイントを加算してポイントリーダーをキープしたが、第6戦富士ではノーポイントでランキング2位に後退。
 今回、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、ドライバーの獲得ポイントによるウエイトハンデが合計57kg(獲得ポイント1点につき1kg)、性能調整のウエイトと合わせて車重は1402kgと、前戦より43kgほど軽くはなったが、ヘビーなマシンに変わりはない。

JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458

 土曜の午前9時に始まった公式練習はドライで争われた。JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、予選に向けてのセットアップを進めていった。走り始めの路面がよくなかったこともあり、タイムは伸びずに田中哲也選手の1分53秒046がベストで14番手。ランキングトップのライバルである4号車(BMW Z4)は、15番手と続いた。
 今回は予選1回目のトップ10が上位グリッドを獲得できる権利を得られるスーパーラップ方式で争われた。公式予選1回目は午後0時にGT500とGT300の混走でスタート。25分から10分間のGT300占有時間までがタイム計測される。JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、平中克幸選手がタイムアタックを担当し、3番手のタイムをマークしてスーパーラップへと駒を進めた。4号車(BMW Z4)は、10番手でスーパーラップへと進出した。
 スーパーラップでも平中克幸選手タイムアタックしたが、1コーナーで姿勢を乱すことはあったが、その後はベストなアタックを続けて、見事に予選6番手のグリットを獲得した。注目の4号車は7番手とピタリと後に続くことになった。
「スーパーラップの時点で、想定より路温も上がっていたので、オーバーステアが強めに出てしまい、1コーナーでダートに落ちてしまったが、途中である程度挽回できたので6位で残ることができました。決勝でも上位を目指します」と福田洋介エンジニア。

激しい追い上げを見せた平中克幸選手

 決勝朝のフリー走行は、前日とは違って薄曇りの肌寒い天候となった。決勝用セッティングに終始したJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、平中克幸選手がトップタイムをマーク。4号車(BMW Z4)は、2秒046差の7位につけた。
 午後2時、セーフティカー先導による1周のローリングラップの後、54周の決勝レースがスタート。1コーナー手前で、鋭い加速を見せた予選7位の4号車(BMW Z4)が5番手にジャンプアップ。田中哲也選手のドライブするJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は7番手に後退。15周目には再び6番手に浮上して19周目にピットイン。平中克幸選手にドライバーチェンジして後半戦を戦った。スーパーラップに進出したマシンは、スーパーラップで使ったタイヤを装着してスタートする。平中克幸選手は、ドライバーチェンジ時にスーパーラップとは違うハードコンパウンドタイヤを装着しコースインした。それが路面にピタリとマッチして、テール・トゥ・ノーズのバトルを展開して、グングンとポジションアップ。終盤には4番手につけて、前方で展開される2台による2番手争いのバトルに加わっていた。
 ラスト4周の1コーナーでの2番手争いで、前方の2台が接触したスキを突いたパッシングで、平中克幸選手は2番手にジャンプアップ。独走中のトップのマシンには追いつけなかったが、今季4度目の2位入賞を果たした。田中哲也選手と平中克幸選手は、15点を加算してランキングトップを奪還。ランキング2位となった4号車に5点差となった。

ゴールするJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458

「マシンとタイヤとのマッチングが、さらによくなってきました。これでランキングも元に戻ったので、最終戦は全力で行きたいですね。こういうチャンスは、なかなかありませんから。最終戦は頑張ってチャンピオンを獲りたいです」と語る山本俊茂監督。
「レースでは前半をショートスティントで攻めて、後半はライフのあるタイヤで行く方向で考えていました。序盤は田中選手に我慢のレースをしてもらい、給油のロスのない最小限の19周でピットイン。そこからはタイヤのバランスもよくて、追い上げることができました。最終戦のもてぎはストレートが速いマシンが得意なコースなので、ウチのマシン特性には合わないので厳しい。ストレートでは4号車(BMW Z4)に分があり、コーナーで稼ぐのも難しいです。いいタイヤを造ってもらって、そこにセットアップを合わせるしかない。これだけの結果を出せたのはダンロップの開発能力の成果と、それぞれの仕事をしっかりとできたから。雨が降ればマシン特性の差を埋めることができるし、ダンロップはウエットが得意なので、希望としては最終戦では雨が欲しいです」と福田洋介エンジニア。
「スタート直後は厳しかったのですが、なんとか走り切ってピットインしました。後半のスティントで平中選手が履いたタイヤがとてもよかったので、それに助けられました。ぜひダンロップタイヤでチャンピオンを獲りたいですね」と語る田中哲也選手。
「土曜日のフリー走行では苦戦した部分もありましたが、予選はとてもいい状態で迎えられました。ウチは直線が遅くてピット作業の時間も長いので、後ろに下がってしまいましたが、後半に履いたタイヤはベストマッチで、前車をうまく抜けたので2位まで挽回できました。今回チャンピオンシップのトップに復帰して最終戦を迎えられるので、ぜひとも勝ってチャンピオンを獲りたいと思います」と平中克幸選手は最終戦への強い決意を語った。

JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458、最終戦に期待

 第6戦では無念のノーポイントに終わり、8点差のランキング2位に後退したJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458。だが今季4度目の2位入賞を果たし、4号車(BMW Z4)に5点差をつけて再びトップに返り咲いた。2週間後には、最終戦ツインリンクもてぎ(10月15~16日)が控えるが、現在のマシンレギュレーションによる特性上、ストレートが遅いJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458にとっては、ここは厳しいサーキットとなる。コーナーでタイムを稼いでラップタイム的には速くても、よほどタイム差がない限り、ストレートで抜かれたり離されたりする可能性は高くなる。
 ノーウエイトハンデとなる最終戦。ランキング2位の4号車(BMW Z4)とは5点差。4号車が優勝すれば、たとえ田中哲也選手&平中克幸選手/JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458が2位となってもタイトルは獲れない(同点の場合は上位入賞成績の多い方が上位となる)。4号車の前でチェッカーを受ければ、田中哲也選手&平中克幸選手のタイトルが決まる。JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458、そしてダンロップのタイトル獲得への戦いは、10月16日、ついにフィナーレを迎える。





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ニュルブルクリンク2014