第6戦 9月8日(土)~9月9日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
【GT300】
予選14位から好走したGAINER DIXCEL R8 LMS
連続7位入賞でタイトル獲得のチャンスを残す
タイトル獲得の可能性を残す
GAINER DIXCEL R8 LMS
3年目のダンロップユーザーとしてGT300で戦う「GAINER」(ゲイナー)。昨年はFIA GT耐久仕様のフェラーリF458 GTCを新投入し、田中哲也選手と平中克幸選手が最終戦までタイトル争いを展開したが届かず、ドライバー&チームランキング2位という結果を残した。
今季のGAINERは、フェラーリから最新のFIA GT3仕様マシンであるAudi R8 LMS Ultraにスイッチ。3チーム4台が参戦するAudi R8 LMS。「GAINER」の投入した「Ultra」は、空力特性の改善やさらなる軽量化が進められた最新モデル。
GAINER DIXCEL R8 LMSは、開幕戦岡山では、予選3位から待望の初優勝。第2戦富士スピードウェイでは、ウエットの予選でポールを奪うなど好調な滑り出しを見せた。だが、現状ではストレートスピードが伸びにくいという弱点もあり、給油流量の制限の関係でピットストップも長くなり、コース上で大きくリードを広げても、ピット作業時で逆転されてしまうこともある。レースに勝つには、さらにマシンのパフォーマンスをアップして、コーナリングとストレートスピードを高めないことには厳しい状況である。そしてダンロップの得意とする雨のレースとなれば、優勝のチャンスも高まるだろう。
予選に向かうGAINER DIXCEL R8 LMS
予選はドライとなり、公式練習は、午前9時40分にスタートし、1時間40分の混走セッション、そして各クラスの10分間ずつの占有走行となる。今回、GAINER DIXCEL R8 LMSは、新仕様タイヤを中心にチェックに入った。前回の鈴鹿と同様に、マシン特性のために、走り初めからオーバーステアを修正しながらの走行となった。
田中哲也選手と平中克幸選手がドライブしたGAINER DIXCEL R8 LMSは、16番手でセッションを終えた。第3戦以降の予選は2桁が定位置となり、レースで追い上げて入賞というパターンが続いている。いくらレース中の速さに定評があっても、ライバルのパフォーマンスがグングンとアップしているスーパーGTでは、予選上位からスタートしないと、優勝するのは、なかなか難しくなっている。
ノックアウト方式の予選は、Q1(予選1回目)は田中哲也選手が予選8番手で予選2回目に進出。予選2回目は平中克幸選手のアタックで14番手となりQ3進出できずに、予選14位となった。
「結構いい感じで走り出したんですが、予選が終わってみれば、最近の定番となりつつある14番手という順位になってしまいました。決勝では安定して走れるのですが、予選では前に行けないというパターンが続いてしまっています。とりあえずチャンピオン争いをしているので、Q3で何位という予選をしたいですね。」と田中哲也選手。
ピットウォークでの田中哲也選手と平中克幸選手
GT300クラスの決勝レースは、スタートからポールの31号車プリウスが1コーナーでスピンして後退という波乱の幕開けとなった。予選14位の田中哲也選手は、1コーナーに9番手争いで43号車ガライヤとともに進入。その時に田中哲也選手は右のミラーを失うこととなりポジションもダウン、10番手で1周目を終えた。その後も田中哲也選手は激しいバトルを続けながら、再び順位をアップしていった。
23周目にはピットインして、平中克幸選手とチェンジ。新仕様のミディアムタイヤは、スティントの終盤になっても好タイムをマークできるほどベストマッチ。終盤には0号車BMW Z4とスリリングな7番手争いを展開。結局、0号車を抑えて7番手でゴール。ドライバーズランキングは1つ落として4位、チームランキングは2位に浮上した。
GAINER DIXCEL R8 LMSのピットイン
「タイヤは後半までよく持ってくれました。予選より速いタイムが出そうなくらいでしたが、トップスピードは遅いですね。次のオートポリスでウエイトを半分降ろせるので、ツインリンクもてぎのテストで、ウエイト半減と、もてぎに向けたノーウエイトでのテストをするので、それがよければ、残り2戦は行けると思います」と山本俊茂監督。
「今回は86kgとウエイトも増えているので、ブレーキやタイヤの負担が大きくなり、厳しい戦いになっています。次のオートポリスはウエイトが半減するので、それをいい方向にしたいですね。オートポリスでは、タイトル争いをしているライバルより少しでも前でゴールして表彰台を獲得することを目標に戦います」と小笠原康介エンジニア。
「スタートは、すごくよくて、1コーナーでガライヤのすぐ横までいったのですが、ガライヤが止まり切れなかったようで、ボクの横に絡んでしまい、せっかくいいスタートを切ったのに順位を落とし、さらに右側のミラーもなくしました。厳しい展開になりましたが、次からは軽くなるので、ウエイトがボクらにいい方向に出てくれるといですね。チャンピオンが決まってしまうこともあるので、それだけは絶対にないように頑張りたいですね」と田中哲也選手。
「予選14位だったので厳しいレースになったのですが、いつもどおりに追い上げるレースが出来ました。今回は富士ということで、ボクらはストレートスピードがあまり速くないし、思いどおりの抜くレースが出来なかったので、結果的に7番手でした。タイヤ的には最後まで、いいパフォーマンスを発揮してくれました。レースのラスト2周で自己ベストを更新できました。そういった意味では、厳しいレースでしたが、いいパフォーマンスを発揮できたと思います。タイヤは最後まで安定したラップを刻んでくれました。やはり予選が悪いと、いくら頑張っても5~6番手がいいところだと思うので、もっと予選で上のポジションを獲れるようにしなければと痛感しました。ポルシェやアストンマーチンが速いので厳しいレースが続きますが、次のレースは、ボクが個人的に得意としているオートポリスなので、表彰台に上がることを目標として、絶えず自分たちのパフォーマンスを高めて、集中していきたいですね」と次戦への決意を語る平中克幸選手。
オートポリスがタイトル争いのキーポイントとなる
第6戦では4点を獲得したが、ランキングは3位から4位に後退。トップの33号車ポルシェとは13点差となっているだけに、3週間のインターバルで迎える第7戦(9月29~30日)が勝負だ。ここではウエイトハンデは半減、そして最終戦ツインリンクもてぎではノーウエイトハンデとなる。 残り2戦、GAINER DIXCEL R8 LMS、田中哲也選手&平中克幸選手、そしてダンロップのタイトル獲得へ向けた戦いで生き残れるのか、注目の一戦となる。