第6戦 8月24日(日) 鈴鹿サーキット(三重県)
Epson NSXはアクシデントに見舞われながら11位でフィニッシュ
クスコDUNLOPスバルインプレッサは今季2度目のポール獲得!
ダンロップコーナーを立ち上がるEpson NSX
8月23~24日、真夏の鈴鹿サーキットを舞台に、2008年スーパーGTシリーズ第6戦が開催。鈴鹿1000kmは、今年で37回目を迎える伝統の耐久レースだが、06年からスーパーGTシリーズの一戦として組み込まれた。通常は300kmから500kmで争われるスーパーGTだけに、1周5.807km、テクニカルコースの鈴鹿サーキットを舞台にする1000km、約6時間に渡るレースは、マシンとタイヤにとっては過酷だが、見ごたえある一戦となる。
ダンロップタイヤ装着車は、GT500クラスは、第1戦10位、第2戦5位、第3戦7位、第4戦、第5戦とリタイアに終わったEpson NSXと、今季からダンロップユーザーとなり、第5戦ではスーパーラップに進出し、6位入賞を果たしたDENSO DUNLOP SARD SC430の2台。GT300クラスは、ダンロップユーザーとして2年目を迎え、唯一のAWDマシンであるクスコDUNLOPスバルインプレッサ。第1戦6位、第2戦3位、第4戦セパンでは、抜群の速さでポール・トゥ・ウインを達成している。
今回のタイヤは、GT500とGT300ともにハードとミディアムのコンパウンドを用意し、金曜のテスト走行の結果から、2クラスともにハードを選択した。
決勝でピットインするDENSO DUNLOP SARD SC430
【GT500】
今回は、1000kmレースということで、第3ドライバーを加えたチームも多かったが、Epson NSXは、ロイック・デュバル選手と今季からチームに加わった平中克幸選手の2人でレースに臨んだ。今季はアクシデントもあり、第2戦の5位がベストリザルトとなるEpson NSX。昨年、強さを発揮したNSX勢にはシーズン当初から特別性能調整としてウエイトが搭載されたこともあり、ようやく第5戦でNSX勢が今季初優勝を達成した。
DENSO DUNLOP SARD SC430は、高木虎之介選手とアンドレ・クート選手に加えて、F3やGT300にも参戦経験のある若手の嵯峨宏紀選手がエントリー、GT500での新たな経験を積むことになった。前戦と同様に飯田章監督が別のチームの代役ドライバーとして参戦するため、今回もチームオーナーの加藤眞サード代表が監督代行を務めた。
金曜の練習走行は晴れだったか、土曜の予選日は雨となった。ウエットで始まった予選はGT500の占有走行になると雨が弱まり、最後のGT300との混走時間帯までには上がり、最後はハーフウエットで争われた。Epson NSXはロイック・デュバルがタイムアタックを担当したが、12位でトップ10によるスーパーラップ進出ならず。DENSO DUNLOP SARD SC430は、前回と同様にアンドレ・クートがアタックをしたが、連続のスーパーラップ進出は果たせなかった。
午後には雨がさらに強くなったため、予選2回目とスーパーラップは中止となり、予選1回目の順位でスターティンググリッドが決定することになった。
決勝では後続車との接触でダメージを受けたEpson NSX
173周、1000kmで争われた決勝レースは、ドライコンディションでスタート。Epson NSXはロイック・デュバル選手がスタートドライバーを担当。1周目に10番手にポジションアップ。9番手走行中の53周目、シケインで後続のNSXとの接触で両車はスピン。大きく順位を落とすことになった。Epson NSXは、接触のスピンと補修のためのピット作業をしたことが響き、トップから2周遅れの11位でフィニッシュとなった。
「速いタイムではなかったのですが、着実な走りを組み立てることによって上位入賞を目指していました。でも後続との接触でその予定が崩れてしまい、最後まで取り戻すことができませんでした。あの接触がすべてでしたね。残り3戦なので、次からはガムシャラに上位を目指して行きます」と中嶋悟監督はレースを振り返った。
予選13位からスタートしたDENSO DUNLOP SARD SC430は、アンドレ・クート選手をスタートドライバーに順調な走行を続け、6番手走行中の34周目にピットイン。だが、その後、パワーステアリングとトランスミッションのトラブルによる2回のピットストップをすることとなり、トップから40周遅れの15位で完走に終わった。
トラブルで遅れた後半は次戦を見据えた走行となったDENSO DUNLOP SARD SC430
DENSO DUNLOP SARD SC430の加藤眞監督代行は、「メカニカルトラブルが2回も発生したために、いい結果は残せませんでした。今回1000kmということでかなりの距離を走れたこともあって、最後の40周はタイヤのデータ収集をメインに走って、いい方向性を見い出せました。次のもてぎもかなり行けるのではないでしょうか」と語った。
「自分にとっては初めてのダンロップタイヤでした。レースでは2スティントを走りましたが、タイヤのフィーリングもよく、マシンにも慣れてきた2スティント目は、いいパフォーマンスを出せたと思います」と嵯峨宏紀選手は振り返った。
「タイヤとのマッチングは前回の菅生からよくなってきて、今回もいい手応えでした。マシントラブルがなければ、前回以上の成績を残せそうな感じでした」と高木虎之介選手。
第7戦(9月13~14日)は、ツインリンクもてぎを舞台に開催される。ストップ&ゴーのテクニカルサーキットで、NSXが強さを発揮しているコース。3月に開幕したスーパーGTシリーズも残り3戦。今季初表彰台が待たれるEpson NSX、着実な進化を見せるDENSO DUNLOP SARD SC430、ダンロップ勢の健闘を期待したい。