第5戦 7月24日(土)~25日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
予選7位のEpson HSV-010は、11位でフィニッシュ
DUNLOP SARD SC430は、ゴール直前で逆転して10位入賞
予選7位を獲得したEpson HSV-010
スポーツランドSUGOを舞台に開催された2010年スーパーGTシリーズ第5戦。全8戦で争われるシリーズ後半に突入する一戦となる。スポーツランドSUGOは、高低差約73m、最終コーナーからメインストレートは上り10%勾配が続く、テクニカルサーキット。最終コーナーからストレート、そして1コーナー進入では、スリリングなパッシングシーンが展開されるが、一瞬のミスから大きなアクシデントにつながることも多い。
今回、ダンロップが用意したドライ用タイヤは、GT500クラスとGT300クラスは、ともに2種類。予選では、GT500はともにソフト側、GT300はハード側をチョイスした。
レース序盤、Epson HSV-010は快調な走りを見せた
【GT500】
今季、ダンロップを装着して戦うのは、「NAKAJIMA RACING」のEpson HSV-010と、「LEXUS TEAM SARD」のDENSO DUNLOP SARD SC430。「NAKAJIMA RACING」は、新加入のベテラン道上 龍選手とスーパーGT参戦2年目となる若手の中山友貴選手、「LEXUS TEAM SARD」は、ベテランのアンドレ・クート選手と、チーム加入2年目の平手晃平選手というラインナップ。DENSO DUNLOP SARD SC430は、昨年のスポーツランドSUGO戦では2位入賞を果たしているだけに、活躍が期待された。
また、連続しての上位入賞を抑えるために設定されるハンデウエイトは、前戦までの成績 (第6戦までは前戦までの獲得ドライバーズポイント1点を2kgに換算) によって搭載される。Epson HSV-010は6kg、DENSO DUNLOP SARD SC430は16kgを搭載する。
土曜の予選日は晴れとなり、気温と路面温度は急上昇。午前9時からの練習走行時は気温34℃、路面温度49℃。Epson HSV-010は道上 龍選手が2番手、DENSO DUNLOP SARD SC430はアンドレ・クート選手が13番手のタイムとなった。
午後12時45分から行われた予選1回目では、気温32℃、路面温度44℃というコンディションでスタート。予選のトップ8台に権利があるスーパーラップへの進出と、9番手以下のグリッドが決まる。Epson HSV-010は道上 龍選手、 DENSO DUNLOP SARD SC430はアンドレ・クート選手が、それぞれタイムアタックを担当。道上 龍選手は、練習走行での好調さをキープしたまま、7番手で今季初のスーパーラップ進出を決めた。アンドレ・クート選手はコンディションにセッティングを合わせ切れず、いいタイミングでクリアラップとならず。予選13位が決まった。
スーパーラップに臨んだ道上 龍選手は、コースイン直後に電気系トラブルでパドルシフトが不調となり、アタックラップに入る前には直るが、タイヤのウォーミングが不十分なままでのアタックだったこともあり、思うようなタイムアップができずに予選7位となった。
前週に行われたフォーミュラ・ニッポンでは、今季初優勝を飾った平手晃平選手
決勝日も朝から晴れたが、午後には小雨が降ることも予想されていた。朝のフリー走行では、Epson HSV-010が4番手のタイムをマークし、決勝での活躍が期待された。
レースのスタートが近づくにつれて、上空には部分的に黒い雲も見え始めて、35℃を超えていた気温が、32℃まで下がっていた。81周、300kmの決勝レース、ローリングスタートが切られると道上 龍選手のドライブするEpson HSV-010は7番手のポジションをキープ、アンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430は、1台がピットスタートとなったために、予選より1つ上の12番手でオープニングラップを終えた。道上 龍/Epson HSV-010は、3周目には上位2台の接触で5番手に浮上。アンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430は、2周目に11番手、3周目に9番手、10周目に8番手と順調にポジションアップしていった。道上 龍/Epson HSV-010は、31周目にピットインして中山友貴選手に交代。その後、まだピットに入っていないアンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430に、中山友貴/Epson HSV-010がテール・トゥ・ノーズで迫る形となり、4コーナー進入で、中山友貴選手、アンドレ・クート選手、GT300クラスのマシンが並ぶ状態となり、マシンが接触してコースオフ。大きなタイムロスになってしまった。
その後は、平手晃平/DENSO DUNLOP SARD SC430と中山友貴/Epson HSV-010の10番手争いが展開された。ラスト2周で中山友貴選手が前に出たが、チェッカー直前に果敢な走りを見せた平手晃平/DENSO DUNLOP SARD SC430が逆転して10位でチェッカー。中山友貴/Epson HSV-010は11位でレースを終えた。
レース中の接触で、大きく流れが変わったDENSO DUNLOP SARD SC430
「接触でちょっとバタバタしてしまいました。ピットでの給油ミスもあり、最後に余分なピットインをしてしまいました。次のレースも頑張ります」と菅野純博監督は振り返った。
「タフなレースだった。今回はタイヤと路面とのマッチングが悪く、途中からラップタイムが上がらなくなってしまった。鈴鹿は長いレースなので、富士のテストで手応えをつかめれば、またチャンスはあるだろう」とアンドレ・クートは語った。
「レース中のタイムはいいのですが、予選の一発が出せていないので、なかなか前へ行けないです。鈴鹿700kmは、さらに厳しい戦いとなりますが、8月の富士テストもあるので、いいタイヤとセッティングを探り、いい状態で臨みたいですね」と平手晃平はコメント。
前戦では0周リタイアに終わったEpson HSV-010だったが、今回は無事に果たした。
「今回は、練習走行から順調に進んでいましたが、レースは厳しい結果となりました。次回に向けて頑張ります」中嶋 悟総監督。
「ようやくスーパーラップに残れて、タイムが出るタイヤという意味では進化しました。でもレースでは、走行中にタイヤと路面のマッチングが悪化して、馬の背でコースアウト。早めのピットインとなりました。鈴鹿までに富士でテストがあるので、そこで挽回できるようにしたいですね」と道上 龍選手は語った。
「ウエイトが軽いということもあり、フィーリングも良好でチャンスが大きいと思っていました。でも交代してからは道上さんと同じようにタイムダウンがあり、コースに留まるのが精いっぱいという状況になり、39号車を抜こうとしてミスから接触してしまいました。今回、レースを完走できたことで課題は明確になったので、頑張りたいです」と中山友貴選手。
ダンロップ勢の鈴鹿での巻き返しに期待したい
今回、ダンロップ勢は、タイヤをレースコンディションにアジャストすることができず、上位入賞は果たせなかった。だが、第6戦鈴鹿(8月21~22日)に向けて、8月の富士スピードウェイでのテストもあり、今回のデータと合わせて、さらなる進化が期待される。テクニカルコースの鈴鹿は、ダンロップ勢の得意とするコースでもあるだけに、どんなパフォーマンスを発揮できるのか、注目の一戦となる。