Epson NSX CONCEPT-GT、混乱のレースで13位完走
7月19~20日、スポーツランドSUGO(宮城県)においてSUPER GT第4戦が300kmレースとして開催された。
ダンロップは昨年同様GT500クラスのNAKAJIMA RACING「Epson NSX CONCEPT-GT」(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)、GT300クラスの「GAINER Rn-SPORTS SLS」(10号車=植田正幸/山内英輝)、「GAINER DIXCEL SLS」(11号車=平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)の2台、計3台にタイヤを供給する。今回準備したタイヤはGT500/300両クラスともドライ、レイン浅溝、レイン深溝、それぞれミディアムとハードの2種類計6種類を持ち込んだ。
スポーツランドSUGOはシーズンオフに路面の舗装を全面的にやり直し、またランオフエリアを広げるなど改良。またGT500クラスでは前回のオートポリス同様、安全性を確保するために富士仕様の空力パーツを装着することとなった。
入場者数:予選日9,000人 決勝日 28,000人
今回からNSX CONCEPT-GTは最低車重が変更され、これまでの1,090kgから1,077kgへ13kg軽くなり、また夏場の熱害対策として開口部の拡大といった正常進化が認められることとなった。19日は朝から弱い雨が降ったり止んだりの不安定な天候。朝9時から2時間の練習走行が行われた。このウエットコンディションとなったセッションでは路面とタイヤのマッチングも良く8番手のタイムをマーク。手応えのある走り出しとなった。
しかし午後になると、サーキットには濃い霧が立ちこめるようになり、視界不良のためにセッションのスタートは様子をうかがうこととなった。しかし一向に霧は晴れずこの日の走行はキャンセル。翌朝に予定されていたフリー走行の枠を使って、25分間の予選を行うこととなった。またあいにくの天候にもかかわらずサーキットにつめかけたファンに対して、予定されていた夕方のキッズウォークはピットウォークに変更。多くのファンがドライバーたちとの交流を深めた。
ウエットコンディションとなったSUGO
20日も朝から雨だったが、霧は出ず予選が開始された。この予選ではひとりのドライバーがアタックをすれば良く,バゲットがこれを担当。バゲットはセッション終了5分前に5番手のタイムをマーク。しかしその直後にコースサイドにマシンを止めてしまった。燃料系のトラブルだった。残り5分でバゲットのタイムを上回る車両が2台あり、結果的に予選は7位で終了することとなった。「トラブルはタイムを出した後でラッキーでした。クルマは開幕時に比べるとすごく良くなっていますから、これからが楽しみです。SUGOもウエットコンディションも好きです」とバゲット。
バゲットは予定より早めのピットインで中嶋に交代
午後は雨も止み各車ドライタイヤを履いてフォーメーションがスタート。しかしこの時点で弱い雨が降り始めた。フォーメーションは3周にわたり行われたが、スタートランプが付くと同時に半数近い車両がピットイン。スタートドライバーのバゲットもピットインしてレインタイヤに交換。しかししばらくすると雨はやみ再びピットインしてドライタイヤに交換することになってしまった。このため順位の変動がめまぐるしく、バゲットは20周終了の時点で14位まで順位を落とすこととなってしまった。
フォーメーションラップを2周増やしたために79周レースとなった決勝の折り返しを過ぎても、バゲットはドライブを続け44周目には得点圏となる10位まで順位を上げた。そしてピットインの準備を始めた直後の49周目にバゲットは他車両と接触。車両に大きなダメージはなさそうだったが、予定より少し早めにピットインして中嶋に交代。中嶋は13位でコースへ復帰した。タイヤはスリックで出て行ったが雨が降り出してしまい、中嶋は苦戦。さらにブレーキにトラブルを抱え13位の順位のままでチェッカーを受けた。
徐々にポテンシャルアップを果たしているNSX CONCEPT-GT
「接触の影響もあったのかもしれませんが、ブレーキが深く入るようになりドライブに苦労することになりました。自分のペースで走れなかったのは残念です。ただウエットタイヤはもちろん、スリックタイヤでも速い時がありましたから、これからが楽しみです。でもまだこれからもっと良くして行かなければなりませんね」と中嶋は厳しい表情のまま語った。