DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第4戦 7月27日(土)~7月28日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
快調な走りを披露したEpson HSV-010
攻めのレース展開で8位チェッカー!

Epson HSV-010は8位入賞

 7月27日~7月28日、2013年スーパーGTシリーズ第4戦「SUGO GT 300km RACE」が開催された。全8戦で争われるスーパーGTは、第3戦マレーシアから7週間のインターバルでシリーズ前半戦の最後を飾るSUGOラウンドを迎えた。
 舞台となるスポーツランドSUGOは、高低差が約73m、タイトコーナーが続くハードなテクニカルサーキット。最終コーナーから上り10%勾配、そしてメインストレートから1コーナーにかけて、スリリングなバトルが展開される。トラブルやアクシデントが発生しやすいコースでもあり、ドラマチックなレース展開になることも多い。
 ダンロップは、今季、GT500クラスは1チーム1台、GT300クラスは1チーム2台のマシンにタイヤを供給する。GT500クラスは、ダンロップユーザーとして9年目を迎える「NAKAJIMA RACING」が、デビュー以来4シーズン目となるHonda HSV-010 GTの「Epson HSV-010」で参戦。09年から実施されてきた車両規定が今シーズン限りで一新されることから、現行マシンでのレースは今年が最後となる。2010年にデビューしたHSV-010 GTは、当初からコーナリングが得意なマシンであり、毎年、ポテンシャルを高めている。
 GT300クラスは、ダンロップユーザーとして4年目となる「GAINER」(ゲイナー)。昨年は「Audi R8 LMS Ultra」、今季は「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」と、FIA GT3仕様の最新モデルを投入。さらに2カーエントリーとなり、悲願のタイトル獲得を狙っている。
 今回用意したタイヤは、GT500クラス、GT300クラスともに、ドライ用は、ソフトとハード。前戦のマレーシアで使用したタイヤをベースに、グリップ性能を高めて、SUGOに合わせた特性に仕上げている。ウエット用は浅溝と深溝、ともにソフトとミディアム。予選は、GT500、GT300ともに、ドライ用のソフトで出走した。

予選を走るEpson HSV-010

【GT500】
今季、「NAKAJIMA RACING」はドライバー体制が変更。道上 龍選手は継続で、中山友貴選手に代わって、中嶋大祐選手が父・中嶋 悟総監督のチームに加わった。昨年はGT300クラスでCR-Zをドライブ、スーパーフォーミュラ(フォーミュラ・ニッポン)には「NAKAJIMA RACING」から参戦している。
 デビューイヤーにチャンピオンを獲得したホンダHSV-010 GTは、年々進化を重ね、ラストイヤーとなる今季は、ラジエターの位置を前輪の後方からフロントに移動。「スワンネック」と呼ばれる新型リヤウイングを新投入し、さらなるポテンシャルアップを図る。
「NAKAJIMA RACING」は、昨年の第2戦富士でポールポジション獲得し、第7戦オートポリスでは2位、最終戦(第8戦)もてぎでは3位とウエット絡みの難しいコンディションでは、高いパフォーマンスを発揮してウエットに強いダンロップを印象づけた。今年の開幕戦岡山でも、ウエットの予選で2番手を獲得したが、決勝では厳しい戦いが続いている。
 土曜の予選日は、早朝から霧と小雨に見舞われた。午前8 時45 分行われた公式練習は、雨は止んでいたが路面はウエットでスタート。30分ほどで路面は乾き始めて、タイムアップが続いたが、濃霧のために視界不良で赤旗中断などもあり、セッション中で最後となるGT500の占有走行で3度目の赤旗中断もあって、公式練習は終了した。Epson HSV-010は道上 龍選手は13 番手タイムで走行を終えた。
 15分間で争われるノックアウト方式の予選1回目のQ1は、午後2時にスタート。時折、霧も立ち込める不安定な天候となったが、路面はドライで進行。道上 龍選手がタイムアタックをしたが、思うようにタイムが伸びずに15番手となり、トップ8台が進出して12分間で争われるQ2への進出は果たせず、決勝は15番手グリッドからのスタートが決まった。
「今回、得意なウエットも狙っていました。予選はドライとなりましたが、持ち込んだタイヤが想定していた温度領域に対して、気温が低過ぎたため、タイヤが持っている本来の力を出すことができず、厳しい結果となってしまいました。明日は後方から追い上げるレースで、上位を目指したいと思います」と語る道上 龍選手。

スタートを待つ中嶋大祐選手と道上 龍選手

 決勝当日、朝は曇っていたが、午後2時の決勝レースが近づくにつれて天候は回復。気温26℃、路面温度40℃、晴天となり、81周の決勝レースがスタート。スタートドライバーの道上 龍選手が、ポジョンキープでオープニングラップを終えて、5周目には上位勢のトラブルで13番手に浮上、15周目には12番手と着々とポジションアップ。
 50周目、12番手のポジションでピットインし、中嶋大祐選手にドライバーチェンジ。だが給油装置のトラブルが発生し、ピット作業をこなせずにコースに復帰。再び給油のためにピットインをすることになったが、雨が降り出したためにレインタイヤに交換。
 その後、トップグループのアクシデントが続き、次々と後退したために、77周目には8番手まで浮上。波乱のレースとなったが、そのまま最後までポジションを守り切って、8位入賞を果たし、今季初ポイントとなる3点を手中にした。

ピットインするEpson HSV-010

「コンディションが変化する難しいレースでしたが、序盤から追い上げる展開となりました。ピット作業のトラブルで順位を落としましたが、ようやく3 ポイントを獲得できました。次の鈴鹿でも、さらに上位を目指して頑張りたいと思います」と中嶋 悟総監督。
「決勝は、気温も上がったので、最後尾からのスタートでしたが、タイヤのグリップ感もあり、少しずつ追い上げていくことができました。パッシングが難しいコースなので、オーバーテイクまでは行きませんでしたが、ベストタイムもそんなには悪くはなく、今週末に関しては、現状では自分なりには満足できるペースで走れました。ピット作業のトラブルで順位も落ちたのですが、挽回できてポイントが獲れました。さらにポテンシャルを高めていかなければなりません。まだ富士の合同テストもあります。去年の鈴鹿はリタイアしてしまいました。厳しい暑さの中、うまくタイヤを持たせるのが勝負のカギになるでしょう。攻めたタイヤを投入して上位を狙いたいですね」と道上 龍選手は決意を語った。
「全体的に反省するところが多かったレースでした。ピットでのトラブルで再びピットインしたことでウエットタイヤに替えることができたのは、結果的にはよかったのですが、チームとしても改善しなければならないことも多く、そういう意味では悔しいレースでした。次の鈴鹿は長いレースですが、テストでは調子がよかったので、それをレースでも出せるように十分に準備して臨みたいと思います」と中嶋大祐選手は語った。

鈴鹿1000kmレースでの活躍に期待したい

 今回は、予選ではタイヤと路面コンディョンにマッチしなかったが、決勝では攻めの走りを展開して8位入賞で、今季初ポイントを獲得した。
 第5戦鈴鹿(8月17~18日)は、過酷な真夏の1000kmレース。ホンダのホームコースでもあり、Epson HSV-010の得意とするテクニカルコースでもある。ダンロップ勢にとっても得意とするコースだ。長丁場なだけに、予想外のドラマが待つことも多い。道上 龍選手と中嶋大祐選手が、折り返し点となる鈴鹿を舞台に、どんなパフォーマンスを発揮できるか、見逃せない一戦となるだろう。





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ニュルブルクリンク2014