DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
第4戦 7月28日(土)~7月29日(日) スポーツランドSUGO(宮城県)
予選12位から着実な走りを見せたEpson HSV-010
次戦への手応えを残す11位でフィニッシュ!

厳しいレースとなったEpson HSV-010

 7月28日~7月29日、2012年スーパーGTシリーズ第4戦「SUGO GT 300km RACE」が開催された。全8戦で争われるスーパーGTは、ここで前半戦の山場を迎える。昨年、300kmレースは、短縮されて250kmレースとなったが、今年は再び300kmとして開催された。
 舞台となるスポーツランドSUGOは、高低差は約73mと大きく、メインストレートに続く最終コーナーは上り10%勾配というハードなテクニカルサーキットだ。最終コーナーから1コーナーにかけて、スリリングなバトルが展開されるが、トラブルやアクシデントが発生しやすいコースでもある。
 今季のGT500クラスは、ダンロップユーザーとして8年目を迎えた「NAKAJIMA RACING」が、デビュー3年目となるホンダのHSV-010 GT、「Epson HSV-010」でトップを目指す。
 GT300クラスは、今季、「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)からチーム名を変更した「GAINER」(ゲイナー)が、3年目のダンロップユーザーとして戦う。昨年は、FIA GT耐久仕様(LM-GTE)のフェラーリF458 GTCで、シリーズランキング2位を獲得。今季は、最新モデルのAudi R8 LMS Ultraにマシンをスイッチして、待望のタイトル獲得を目指す。
 GT500クラスとGT300クラスは、ドライ用はミディアムとハードの2種類。ウエット用は浅溝、深溝の2種類で、それぞれミディアムとハードを用意。前戦のセパンでは、GT500は、タイヤのグリップをより高めるために内圧を下げるという作戦が裏目となり、タイヤにトラブルが出てしまった。そのため今回は、よりグリップを高めた仕様としている。
 土曜の予選日は快晴、気温と路面温度が急上昇したこともあり、GT500とGT300は、ともにハードを選択して、予選に臨んだ。

予選12位のEpson HSV-010

【GT500】
「NAKAJIMA RACING」は、チーム加入3年目のベテラン道上 龍選手と、4年目となる中山友貴選手が、今季もGT500クラスのダンロップユーザーとして戦う。2010年に初登場のホンダHSV-010 GTは、デビューイヤーにチャンピオンを獲得。昨年はラジエターの位置をフロントから前輪の後方に移し、旋回性能を進化させた。今季は、ボディやパーツの空力性能を進化させて、ダウンフォースを保ちながらドラッグ (空気抵抗)を軽減、トップスピードを高める改良が加えられている。
 昨年の本大会では、雨の予選で4位、ドライの決勝では3位入賞を果たしているだけに、NAKAJIMA RACINGにとっては、好結果が期待できるレースでもあった。
 朝から好天に恵まれた予選日。レースウィークの走り始めとなるフリー走行は、8時15 分から10時15分までの2時間。朝から強い日差しが照りつけ、気温もスタート時からすでに33℃まで上昇。道上 龍選手と中山友貴選手は、それぞれが、予選とレースへ向けてのプログラムを消化していった。最後のアタック時に、タイヤがパンクしたためにタイムが出せなかったこともあって、15番手でこのセッションを終えた。
 今回の公式予選は、スーパーラップ方式が採用された。これは、予選1回目(Q1)で、トップ10に入ったマシンは、1台ずつ順番にタイムアタックするスーパーラップに進出してグリッドが決まり、それ以下はQ1の順位がグリットとなるという予選方式。
 午後1時5分から15分間のQ1では、道上 龍選手がタイムアタックを担当。渾身のアタックで、フリー走行よりタイムアップをしたが、12番手となり、スーパーラップ進出は果たせなかった。
「思った以上に気温が高くなり、タイヤとコンディションのマッチングが悪く、思うようなグリップを得られませんでした。明日は荒れたレースになると思うので、アクシデントに巻き込まれないように注意して、最後まで走り切りたいと思います」と道上 龍選手。

決勝グリッドでの中山友貴選手と道上 龍選手

 決勝日は、予選日と同様に快晴となり、猛暑のレースとなった。午後1時頃に、激しい雨が降ったが、すぐに上がり、午後2時のスタートまでには、路面はドライコンディションとなっていた。
 午後2時、フォーメーションラップが開始され、再びストレートに戻ってくると、81周のレースはスタート。直後の1コーナーではトップ3のマシンが接触し、2台がリタイアという波乱の幕開けとなった。スタートドライバーの道上 龍選手は、混乱をかわして、1周目には予選12位から10番手に浮上。だが、GT300をパスしながらの混戦となり、道上 龍選手は、11周目に12番手、15周目に13番手と後退する厳しい展開となった。
 36周目に中山友貴選手にチェンジして、その後も果敢な走りで刻みながらポジションアップを目指した中山友貴選手。Epson HSV-010の追撃は、11番手まで浮上してフィニッシュとなった。

バトルを展開するEpson HSV-010

「今回は、気温が高くなってしまい、想定していたタイヤのパフォーマンスを発揮することができませんでした。ただ持てる力は最大限に発揮できたレースでした。次の鈴鹿では、チーム一丸となって、さらに頑張ります」と中嶋 悟総監督。
「去年のSUGOは、3位で表彰台に上がったので、ちょっと期待を持っていたのですが、上位を狙うことができなかったので、レースをしたという実感は少ないですが、走り切ったことで、次戦へのデータを得られたと思います。次の鈴鹿1000kmは、もっと厳しい条件になるので、そこに向けて、もっとパフォーマンスを上げていきたいと思います。1000kmは、トラブルやアクシデントで結果が出ていませんが、毎回、いいレースは出来ています。アクシデントに巻き込まれず、上位入賞を目指します」と道上 龍選手はコメント。
「テストでは、クルマを改善したことでタイムレベルが上がって、いい感じだったのですが、レースウィークに入ってからは、グリップ不足を引きずったままでした。決勝では、ラップタイムだけを見ると悪くはないのですが、結果は11位と悔しい結果になってしまい、残念です。鈴鹿では、いい走りをして、表彰台に届くように頑張ります」と中山友貴選手。

さらなる進化を続けるダンロップとNAKAJIMA RACINGの活躍に待したい

 今回は、予選&決勝ともに、コンディョンにタイヤがうまくマッチせず、完走はしたものの入賞することはできなかった。
 第5戦鈴鹿(8月18~19日)は、過酷な真夏の1000kmレース。Epson HSV-010の得意とするテクニカルコースであり、ダンロップ勢にとっても得意とするコースだ。長丁場となるレースだけに、予想外のドラマが待つことも多い。
 道上 龍選手と中山友貴選手が、Epson HSV-010を駆り、後半戦に突入する舞台で、どんなレースを見せてくれるのか、今後を占う重要な一戦となる。





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ニュルブルクリンク2014