第4戦 6月22日(日) セパンサーキット(マレーシア)
Epson NSXは、波乱のレースを不運なトラブルでリタイア
クスコDUNLOPスバルインプレッサ、ポール・トゥ・ウイン!
予選6位でスーパーラップに進出した32号車は、予選と同じ6番手グリッドを獲得
6月23~24日、マレーシア・セパンサーキットを舞台に、2008年スーパーGTシリーズ第4戦が開催。熱帯雨林気候に属するマレーシアは、年間を通じて気温が高く、レースは気温がピークになる時間帯を避けて、午後4時にスタート。クアラルンプール空港に隣接するセパンサーキットは、低中高速コーナーが組み合わされたテクニカルコースで、毎回、トラブルやアクシデントが多発し、マシン、タイヤ、ドライバーにハードなレースだ。
ダンロップタイヤ装着車は、GT500クラスは、第1戦10位、第2戦5位、第3戦7位のEpson NSXと、今季からダンロップユーザーとなったDENSO DUNLOP SARD SC430の2台。GT300クラスは、ダンロップユーザーとして2年目を迎えた唯一のAWDマシンとして活躍するクスコDUNLOPスバルインプレッサ。第1戦6位、第2戦3位、第3戦では優勝を狙える速さを発揮したが惜しくも18位に終わり、ポイントは決勝でのベストラップ(2番手)をマークした1点のみだった。
今回、タイヤはハードとミディアムを用意したが、GT500は2台ともにハードを選択、GT300のクスコ DUNLOP スバルインプレッサもハードをチョイスした。
予選15位とタイムが伸びずにスーパーラップ進出を逃した39号車
【GT500】
今季のNSX勢は、シーズン当初から特別性能調整でウエイトを搭載していることもあり、NSX勢の最上位は3位と昨年ほどの勢いはない。今季、ロイック・デュバル選手と新加入の平中克幸選手というコンビで臨むEpson NSXは、第2戦の5位がベストリザルトとなっている。また、新加入の高木虎之介選手とアンドレ・クート選手がペアを組むDENSO DUNLOP SARD SC430は、飯田章新監督とともに戦っているが、ベストリザルトは第1戦の12位と、まだ本来の力を出し切れてはいない。
土曜日の予選1回目は、気温30度、路面温度37度で計測が始まった。アンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430がトップでコースインして計測を開始。ロイック・デュバル/Epson NSXが7番手のタイムをマークしてスーパーラップへの進出を果たした。アンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430は、予選15位で、2戦連続のスーパーラップ進出は果たせなかった。
2周目の2コーナーに進入する39号車の後方から、1周目に順位を落とした32号車が追い上げる
300km、54周で争われる決勝レースは、午後4時5分にローリングスタートが切られた。予選6位のロイック・デュバル/Epson NSXは、1コーナー立ち上がりで他車に追突されてスピンし、大きく後退。1周目には予選16位のアンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430が13番手まで順位を上げてストレートに戻ってきた。その直後には接触で後退したデュバル/Epson NSXが再び順位を上げ、DENSO DUNLOP SARD SC430の背後にピタリとつけて追い越しのチャンスを待っていた。
ロイック・デュバル選手は、2周目に13番手、4周目には12番手、16周目には11番手と次第に順位を上げた。各車がピットインを終えた時点では、ロイック・デュバル選手から交代した平中克幸選手は9番手に浮上していた。41周目の最終コーナーで、3号車をパスしようとして通常の走行ラインを外した平中克幸選手だったが、タイヤかすでハーフスピンして接触。3号車と揃って2つポジションを落とした。その後、平中克幸選手はマシンの不調でピットに戻り、そのままリタイアとなってしまう。一方、DENSO DUNLOP SARD SC430は、着実な走りを続けて12位でチェッカーを受けた。
32号車は終盤にも接触でスピン、ピットに戻って今季初リタイアとなった
「スタート直後に後続車にヒットされて、それがリズムの乱れの始まりでした。後半の平中選手は、前車を抜くときに失敗して残念な結果に終わりました。気持ちを切り替えてSUGOで一からやり直します」と中嶋悟監督はレースを振り返り、次戦への決意を語った。
「3号車を抜くときに路面のタイヤかすでハーフスピンして接触、クルマを壊してしまいました。これは完全にボクのミスなので、チームに申し訳なかった」と平中選手はコメント。
DENSO DUNLOP SARD SC430は、バトルを展開しながら12位でチェッカー。
「前回の富士でちょっとトラブルがあったので、それに向けて対策をして、その成果を確認できました。成績はよくありませんでしたが、今後の方向性が掴めてきたので、いいレースウィークになりました。次戦ではポイント圏内でゴールしたいです」と飯田章監督。
第5戦(7月26~27日)は、スポーツランドSUGOを舞台に開催。アップダウンが続くテクニカルサーキットでコースの高低差は約73mと大きい。昨年はEpson NSXが3位に入っている。SUGOは、全9戦中の第5戦とシリーズ折り返し点となる重要なレースだけに、さらなる激しい戦いが待っているだろう。ダンロップ勢の反撃に期待したい。