【GT300】
クスコDUNLOPスバルインプレッサ
安定した速さを発揮してポール・トゥ・ウイン!

スーパーラップでトップタイムをマークした佐々木孝太選手(右)と山野哲也選手

 金曜日の午前11時30分から開始された練習走行1回目は、佐々木孝太/クスコDUNLOPスバルインプレッサが、GT300クラスのトップタイムをマークするという順調な幕開けとなった。午後には各車がタイムアップして、総合ではクスコDUNLOPスバルインプレッサは3番手のタイムとなったが、前戦の富士で見せたパフォーマンスの高さは、さらに磨きが掛かっていた。今回、フロントセクションの改修が進み、カーボンパーツの新投入や空力パーツの変更などで、さらなる低重心化とダウンフォースがアップ。前戦の富士で発揮したマシンパフォーマンスの高さによって、今回は25kgの特別性能調整が加えられていたが、セパンでは、その影響を感じさせないほどの勢いを発揮していた。
 土曜日の予選1回目は、佐々木孝太/クスコDUNLOPスバルインプレッサが、2番手に1秒394差の2分06秒930というダントツのトップタイムをマークしてスーパーラップに進出。スーパーラップでも、佐々木孝太はミスのない走りで、見事に初ポールを決めた。
「初日から順調で、とてもいい流れだと感じています。今回、別のレースとダブルエントリー(土曜日と日曜日に各1レース、結果は2レースともに優勝)でほかの人より多くセパンを走れているので、コースの状況がよくわかっているのもプラスになっています。その分疲れましたけど」と佐々木孝太選手。

第3戦富士以降、マシンの改修が進み、大幅なポテンシャルアップを見せた

 54周の決勝レースは、経験豊富な山野哲也選手がスタートドライバーとしてポールから絶妙なローリングスタートを決めて、クスコDUNLOPスバルインプレッサは、混乱に巻き込まれることなくレースをリード。スタート直後の2コーナーでは、予選2位と3位のマシンが接触するというアクシデントが発生したが、セーフティカーが入ることなく迅速に処理された。山野哲也選手は快調にラップを刻み、1周目から後続を2秒以上引き離して、15周目には後続を10秒以上もリード。26周目にピットインして山野哲也選手から佐々木孝太選手にドライバー交代をして燃料を補給。各車がルーティンのピットストップを終えると、再びクスコDUNLOPスバルインプレッサがトップに立ち、そのまま2番手に2秒419のタイム差をつけてチェッカー。AWDインプレッサに記念すべき初勝利をもたらした。チームにとっては、FRインプレッサでマークした98年第5戦以来の勝利となった。同時に決勝レース中のベストラップもマークして、予選から決勝まで圧倒的な速さを披露した。
 これで、山野哲也選手と佐々木孝太選手は、ドライバーポイントでランキングトップとなった。

ダンロップタイヤとのコンビネーションで、AWDインプレッサ初優勝を達成

「レースの流れだけを見ていれば、全体的には楽には見えるかもしれないが、苦しみ抜いての結果。努力してきたことがようやくリザルトとして残った。AWDとダンロップのバランスが絶妙で、後半まで周回数を重ねてもグリップ力や操縦安定性が落ちず、AWDのよさを生かせて、ピットイン直前までラップタイムが落ちずに戻ることができました。ポール、優勝、ベストラップと獲ったので、次戦のウエイトハンデは厳しくなりますが、諦めずにウエイトが増えた中で、それに見合った成績でゴールしたいですね」と大溝敏夫監督。
「ボクはセパンでは3勝目で、とても相性がいいコースです。チームがいいクルマを造ってくれ、タイヤが十分なグリップを発揮し、予選では孝太がポールを獲って、ボクはスタートがとても楽にできました。一昨年の暮れに大溝監督から『インプレッサを勝たせて欲しい』とチームに呼ばれ、去年はうまくいきませんでしたが、今年はクルマもとてもよくなり、勝つためにどうすればいいかとチームが集中してやってきた。みんなが一つになって、全員がいい仕事をしたので、ポールも獲れて、優勝もできたと思います」と山野選手。

表彰台の中央で観衆の声援に応える佐々木孝太選手と山野哲也選手(左から)

「今回は勝つつもりで来ていたので、練習から勝つためにはどうすればいいかというメニューを組んでいた。すべてがメニューどおり進んで、とても完璧なレースでした。クルマの進歩とタイヤとのマッチングはバツグンでタレもなく、いうことなしでした。AWDというほかにないシステムを使って、ドライでの速さも見せられるようになった反面、まだいろんな不安要素もあり、こんなスピードでレースを走りきったこともないので、五感をすべて働かせ、神経を使いました。山野さんやスバル、クスコのみんなは何年もがんばってきたわけで、その苦労を考えてちょっとウルウルしました。次のSUGOは、(ウエイトハンデで)重いのは百も承知ですが、天気もどうなるかわからないし、得意のウエットで戦える可能性もあるし、まだまだ勝つのは諦めていませんよ」と次戦への決意を語る佐々木孝太選手。
 AWDインプレッサ初優勝を達成したクスコDUNLOPスバルインプレッサ。だが、次戦のスポーツランドSUGOでは、今回の予選と決勝の成績によるウエイトハンデを搭載するために厳しい戦いとなりそうだ。上り調子のクスコDUNLOPスバルインプレッサだけに、マシンとタイヤのさらなるパフォーマンスアップで、新たなドラマを見せてくれそうだ。





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ニュルブルクリンク2014