第2戦 4月27日(土)~28日(日) 富士スピードウェイ
決勝6位のGAINER DIXCEL SLSはランキングトップをキープ
健闘を見せた10号車は10位入賞で初ポイントを獲得!
決勝で6位でゴールの11号車のGAINER DIXCEL SLS
4年目のダンロップユーザーとしてGT300で活躍する「GAINER」(ゲイナー)。一昨年はFIA GT耐久仕様のフェラーリF458 GTCで、田中哲也選手と平中克幸選手が最終戦までタイトル争いを展開し、ドライバー&チームランキング2位となった。タイトル奪取を目指した昨年はFIA GT3仕様のAudi R8 LMS Ultraで、開幕戦岡山でデビューウインを飾った。第2戦富士ではポールポジションを獲得したが、第2戦から実施された性能調整(POB/パワー・オブ・パフォーマンス)の影響で、トップスピードが抑えられ、ストレートスピードも伸びなかった。第6戦まで連続入賞で、タイトル争いに絡んだが、結局、ドライバーランキング7位、チームランキング6位という成績で12年シーズンを終えた。
今季、チームがタイトル奪還を目指してチョイスしたのは、「Mercedes Benz SLS AMG GT3」。スーパーGTには昨年から参戦しているマシンであり、名門チューナーのAMGが手掛けたGT3仕様。ヨーロッパのレースで活躍するマシンで、FRレイアウトだが、低重心で、前後バランスも良好で、パフォーマンスの高いマシンだ。だが、それも新たな性能調整次第で変わる可能性もあるが、タイトル獲得の大きな武器となるマシンである。
今季は2台体制となり、ドライバーは11号車が平中克幸選手とビヨン・ビルドハイム選手、10号車は田中哲也選手と植田正幸選手が、それぞれペアを組む。ビヨン・ビルドハイム選手は昨年までGT500でレクサスSC430やGT-Rで参戦していたフォーミュラ・ニッポンにも参戦していた実力派ドライバー。植田正幸選手はスーパー耐久の参戦やスーパーGTに参戦、「GAINER」からの参戦経験も豊富で、2008年には田中哲也選手と組んでスーパーGTに参戦するなど、チームとも長い付き合いのあるドライバーだ。
第1戦岡山では11号車のGAINER DIXCEL SLSが、予選3位から見事な追い上げを披露して優勝を飾り、チームは2年連続して開幕戦を制している。10号車は、ガルウイングドアのトラブルやアクシデントなどもあって15位でフィニッシュという結果となった。今回、優勝した11号車は40kgというウエイトハンデを搭載することになる。GAINER DIXCEL SLSは、ストレートの長い富士スピードウェイで、どんなレースを見せるのか、注目された。
予選Q1でアタックしたビヨン・ビルドハイム選手
今季の予選は、GT500と同様に、全戦でノックアウト方式となった。予選日から快晴となり、午後2時に12分間で争われるGT300クラスのQ1がスタート。11号車のGAINER DIXCEL SLSはビヨン・ビルドハイム選手、10号車のGAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLSは田中哲也選手がタイムアタックを行った。だか、公式練習から伸び悩んでいたタイムはQ1でも解消されず、11号車が18番手、10号車が19番手でセッションが終了。Q2への進出は果たせず、そのままQ1の順位が予選グリットとなった。
「路面とタイヤがマッチせずタイムは伸びなかった。Q2に進めず、グリットは後方となったが、マシンとタイヤのパフォーマンスは高いと思うし、決勝では平中選手といい走りをしたい」とビヨン・ビルドハイム選手は、レースへ向けての決意を語った。
「朝の公式練習ではマシントラブルであまり走ることができず、予選も19位と流れは悪かったですが、明日の決勝では、挽回したいですね」と田中哲也選手は語った。
後方から猛追を見せたGAINER DIXCEL SLS
500kmの決勝レースは、平中克幸選手と田中哲也選手が、11号車と12号車のスタートドライバーを担当。今回は、500kmレースなので、2回のピットインが義務付けられている。予選18位と予選19位から順調にスタート。だが平中克幸選手は、序盤に他車との接触によるドライブスルースルーペナルティを科されることになり、大きく順位を落とすことになった。だがマシンとタイヤは好調でグングンとポジションアップしていった。さらに2回のルーティンのピットインで、ビヨン・ビルドハイム選手、平中克幸選手とチェンジして、平中克幸選手の駆る11号車は6番手まで浮上してチェッカーを受けた。これでポイントを加算して、トライバー&チームともにランキングトップをキープした。
10号車もスピンなどはあったものの、田中哲也選手の好走もあって10位フィニッシュを決めて、初ポイントとなるドライバーズポイント1点を獲得した。
10号車のGAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLSがピットイン
「予選は悪かったですが、6位に入れて、ランキングトップをキープできました。とにかく確実にポイントを重ねるレースをしていきたいです」と山本俊茂監督はコメント。
「今回、11号車は40kgのウエイトが効いていて、ストレートスピードが伸びずに、ブレーキも厳しかったです。とにかくハイブリット勢が速かったですね。予選で前に行ければ、もう少し楽なレースになったでしょうが、表彰台は厳しかったかもしれません。次のセパンでもポイントを重ねて、タイトル争いを続けたいと思います」と小笠原康介エンジニア。
「決勝では、タイヤのパフォーマンスも高くいい走りができた。セパンは、コンディションが大きく違うが、ダンロップは、ウエットでもドライでも、いい手応えを感じているので、いい結果を残せると思う。平中選手は、とても上手いドライバーなので、2人でいいレースをして、タイトル獲得を目指して戦いたい」と語るビヨン・ビルドハイム選手。
「今回はがんばったのですが、最後までいい流れを掴みきれませんでした。いい所が何もなかったレースです。次のセパンでは、いい流れに乗って行きたいです」田中哲也選手。
「レースでは、スピンもあって、ドタバタしたのですが、哲也さんが頑張ってくれて、貴重なポイントも獲れました。セパンでは、さらにいい走りをしたいです」植田正幸選手。
連続入賞の期待が掛かるGAINER DIXCEL SLS
Mercedes Benz SLS AMG GT3でタイトル獲得を目指す「GAINER」。開幕戦を2年連続で制し、第2戦は6位と、順調な滑り出しを見せた。今後、さらなるマシンとタイヤ開発を進めて、タイトル争いを続けるパフォーマンスできるかに、注目したい。
第3戦(6月15~16日)マレーシア・セパンサーキットでは、どんなレースを見せてくれるのか、パフォーマンスを発揮してくれるのか、「GAINER」とダンロップの戦いは続く。