第2戦 4月30日(土)~5月1日(日) 富士スピードウェイ
【GT300】
JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F458
果敢な追走劇で、最後尾から2位入賞!
レースウィークに入って到着した期待のニューマシン、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F458
ベテラン田中哲也選手と若手の平中克幸選手が、2年目のダンロップユーザーとして戦う「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)。昨年は、FIA GT仕様の「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430」で参戦、第1戦鈴鹿は予選2位、第4戦マレーシアではポールを獲得するなど速さ見せて、ピット作業のないスプリント戦として開催された11月の特別戦では、ドライバー交代がない100km(22周)レースで2連勝。今季はFIA GTの耐久仕様のニューマシン、フェラーリF458 GTCを新投入、「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」としてスーパーGTを戦う。マシンは、レースウィークになって、ようやく日本に到着、金曜日の習熟走行が日本初走行となったが、トラブルもなく順調に走行を続けた。フェラーリF458 GTCは、本来は高いポテンシャルを持つマシンだが、マシンの性能調整で50kgのウエイトが搭載され、エンジンの吸気制限も厳しいため、FIA GT仕様の特徴であるストレートスピードが、F430に比べて伸びていない。だがタイヤ幅が広く設定されるため、コーナリング性能は向上しているという。今季は距離が短いレースが増えているため、JAF GT仕様比べて給油の流量制限が厳しいFIA GT仕様では、コース上で速いことはもちろんだが、タイヤ無交換作戦など、ピット作業を短縮することが、より重要になってくるだろう。土曜日の予選1回目は、平中克幸選手のタイムアタックでJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は予選9位を獲得してトップ10台が出走できるスーパーラップに進出。平中克幸選手は、スーパーラップでは7番手まで順位を上げた。だがトップのマシンが失格となり、予選6位で決勝を迎えることになった。
決勝朝のフリー走行は、ウエットコンディションとなり、田中哲也選手が2番手
を1秒以上引き離してトップタイムをマーク。ダンロップのウエット用タイヤが、
ニューマシンとのコンビネーションで高いポテンシャルを発揮した。
JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F458は、雨によるハイドロプレーニングでスピン
午後2時にスタートする66周の決勝レースは、ウエットコンディションとなった。風が強く、上空では切れ間のある雨雲が激しく移動する難しい空模様となった。雨が弱くなると予想したチームは、朝のフリー走行で好結果を見せた浅溝のウエット用タイヤでコースイン。だが、スタートが迫るにつれて雨は強くなっていった。決勝レースは、ローリングラップの後もセーフティカーランが続く状況となった。平中克幸選手のドライブするJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、コース上の水膜に乗ってハイドロプレーニング状態となり、1コーナーの立ち上がりでスピン。ピットに戻り深溝のウエット用タイヤに交換、最後尾でコースに復帰。さらにセーフティカーラン中のスピンに対して、10秒間のペナルティストップも科されることになった。
セーフティカーが外れて6周目にレースは実質的なスタートが切られた。平中克幸選手は、快調な走りを見せて、雨足が変化する状態でも、着実にポジションアップ。トップのマシンがピットインした翌周の44周目にトップに浮上してピットイン。給油とドライバー交代のみで、タイヤ無交換のままで田中哲也選手がコースイン。3番手で復帰して、その後は、激しい2番手争いを展開して49周目のダンロップコーナーでは、田中哲也選手が果敢なアタックでインを攻めて2番手に浮上。雨が強くなった56周目に田中哲也選手は3番手に後退するが、ここでレースは天候悪化で赤旗中断。そのまま終了となり、中断の1周前の順位がレース結果となるため、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458は、マシンのデビューレースで2位入賞を果たした。
2位入賞の平中克幸選手と田中哲也選手(左から)
「クルマが、届いたばかりなので、何もできなかったのですが、ウエットコンディションに助けられて、いい結果が出せました。タイヤとのマッチングがねとてもよかったですね。スタートでは浅溝を選んだので、スピンもありましたが、コーナーではJAF-GP仕様並にクルマが速くなりました」と山本俊茂監督はコメントする。
「現地で試乗しいたのですが、今週になって日本で初めて走りました。いいスタートが切れたと思います。金曜日の走りはじめから、これは結構いけるのではないかという感触はありました。レースの規定に合わせて性能調整がされているので、走らないという感じはありましたが、ダンロップタイヤとのマッチングは、とても好印象を受けました。全体的にポテンシャルが高いパッケージですね。次はドライで戦って、ライバルとの位置関係を知りたいです。チャンピオンを狙って戦いたいと思います」と目標を語る田中哲也選手。
「金曜日の初走行から順調にメニューをこなして、朝のフリー走行もトップだったので、いいレースができるなと臨んだレースでしたが、浅溝を選んでハイドロでスピンしてしまいました。でも追い上げて2位を獲れました。レース距離を走って課題も見えてきましたが、去年以上にいいレースができそうです。岡山では、30kgのハンデウエイトを積みますが、これは走ってみないとわからないです」と平中克幸選手。
最新マシンのフェラーリF458 GTCを導入した「JIMGAINER」。田中哲也選手と平中克幸選手が、JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F458を駆って、頂点を目指す。次戦の岡山国際サーキットでの飛躍に期待したい。