第2戦 4月3日(土)~4日(日) 岡山国際サーキット
DUNLOP SARD SC430は、バトルを展開しながら10位でゴール
予選6位のEpson HSV-010は、健闘したが惜しくも11位完走!

好スタートを決めたEpson HSV-010だったが、1周目にパスされて8番手まで後退

 4月3~4日、2010年スーパーGT第2戦岡山GT300kmレースが開催された。舞台となった国際サーキットは、2本のストレートと中低速コーナーが組み合わされ、ストップ&ゴーが続くテクニカルコース。事前テストは行われるが、レースは年1回の開催。マシン、タイヤ、路面のマッチングがより重要となるコースで、波乱の展開となることも多い。
 今季のGT500は、ダンロップユーザーとして6年目を迎える「NAKAJIMA RACING」と3年目となる「LEXUS TEAM SARD」の2チームにタイヤを供給。今季、ニューマシンとなった「Epson HSV-010」と、「DENSO DUNLOP SARD SC430」の2台がレースに臨んだ。
 GT300クラスは、今季新たにダンロップ勢として戦う「JIMGAINER」が、FIA GT仕様のフェラーリである「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430」で参戦している。
 昨年から、コスト削減のために金曜日の練習走行が廃止され、レースウィークに走れるのは予選日と決勝日の2日間となった。第2戦では、8時20分~9時20分、10時15分~11時15分の2回、公式予選前に計2時間の公式練習が設けられた。
 今回、用意したタイヤは、ドライ用はソフトとミディアムの2種類。ウエット用は1種類のコンパウンドで、浅溝と深溝の2種類。GT500とGT300は、ともにソフトで予選に臨んだ。

厳しい展開となったが、果敢に攻めて10位でゴールしたDUNLOP SARD SC430

【GT500】
 ダンロップユーザーとして6年目を迎えた「NAKAJIMA RACING」は、マシンを昨年までのNSXから、レース専用に新開発された「HSV-010 GT」に変更。さらにドライバーも、昨年までのロイック・デュバル選手に代わってベテランの道上 龍選手が新加入、スーパーGT参戦2年目となる若手の中山友貴選手という新たなラインアップとなった。
 ダンロップで3年目を戦う「LEXUS TEAM SARD」は、GT参戦7年目のアンドレ・クート選手と、チーム加入2年目の平手晃平選手という昨年と同様の体制で、「DENSO DUNLOP SARD SC430」は、2010年仕様のエアロパッケージが装着し、アップデートされている。
 今回、開幕戦の成績によって(第6戦までは前戦までに獲得したドライバーズポイント1点を2kgに換算、最大100kgまで搭載)、Epson HSV-010は2kg、DENSO DUNLOP SARD SC430は12kgのハンデウエイトを搭載。土曜の予選日は、太陽が出たり曇ったりと変化して、午後の予選時になっても気温は約13度と肌寒いコンディションだった。午前の公式練習ではEpson HSV-010がトップタイムをマークしたが、DENSO DUNLOP SARD SC430は思うようにタイムが伸びずに11位となった。
 予選は、今回も開幕戦と同じノックダウン方式。まず予選1回目は2人のドライバーが予選通過基準タイムをクリアするために走行し、ノックダウン予選へ向けての最終確認をした。15時20分からノックダウン予選のGT500セッション1が計測を開始。Epson HSV-010は道上 龍選手、DENSO DUNLOP SARD SC430はアンドレ・クート選手がタイムアタックを担当。クラッシュによる赤旗中断もあったが、ダンロップ勢の2台は、上位10台に権利のあるセッション2に進出。Epson HSV-010は中山友貴選手、DENSO DUNLOP SARD SC430は平手晃平選手が、それぞれアタックした。Epson HSV-010は、トップ7台が進めるセッション3に残った。だがDENSO DUNLOP SARD SC430は、最終セッションで遅いマシンに引っ掛かる形となり、惜しくも予選9位に終わった。セッション3は、Epson HSV-010は、道上 龍選手のアタックで、6番手グリッド獲得という好調な滑り出しを見せた。

決勝前のグリッド、中山友貴選手(左)とスタートドライバーを担当した道上 龍選手

 決勝当日は、前日とは違って、風もなく日差しもあって暖かいコンディションとなった。午後2時に決勝レースはローリングスタートが切られた。予選6位の道上 龍/Epson HSV-010は、1周目には2台にパスされて8番手に後退。さらに6周目には、予選9位のアンドレ・クート/DENSO DUNLOP SARD SC430 にもパスされて9番手となった。15周目には23号車とDENSO DUNLOP SARD SC430がテール・トゥ・ノーズの9番手争いを展開したが、次の周に接触。Epson HSV-010は、11番手まで順位を落とし、さらに10秒間のピットストップというペナルティを科されたこともあり、上位進出のチャンスを逃してしまった。中山友貴選手に交代後も、Epson HSV-010は粘りの走りを見せたが、思うようにペースを上げることができずに、トップから1周遅れの11位でチェッカーを受けた。
「予選はセクション3まで残れましたが、本番では巡り合わせが悪くて、予定どおりのレースができませんでした。次はさらに上で行きたいです」と中嶋 悟総監督はコメント。
「前車のペースが悪くて、失速もあったので結果的に接触してしまいました。今回は、公式練習からいいパフォーマンスを見せられ、レースも、このままの勢いで行きたかったが、うまくいきませんでした。次の富士までにテストもあるので、タイヤとクルマをレベルアップできるように頑張りたい」と振り返る道上 龍選手。
「ボクは道上さんと違うタイヤを選んだのですが、路面とマッチングせず、後半はペースが上がらなくなりました。予選はよくなっているので、しっかりと力をあせて、優勝を狙っていきたいです」と中山友貴選手は決意を語った。

期待は高まったが、不運な接触などもあって、順位を落としたEpson HSV-010

 予選9位のDUNLOP SARD SC430は、アンドレ・クート選手がスタートドライバーとなり、6周目には8位に浮上したが、走行するにつれて路面コンディションとタイヤとのマッチングが悪化しペースアップできないままでの走行となった。早めのピットインで平手晃平選手にチェンジして、さらなる追い上げを目指したが、挽回はできずに10位入賞となった。
「予選は、セッション2の最後で前車に引っ掛かってしまったのは残念ですが、まあまあのポジションまでは行けました。決勝では、タイヤのパフォーマンスンを十分に発揮できませんでした。次の富士では表彰台をねらって頑張ります」と菅野純博監督はコメント。
「とてもハードなレースだったが、1ポイント(ドライバー)を獲得することができた。これから次戦の富士に向けてのテストがあるので、よりコンペティティブなタイヤに仕上げて、いいリザルトを残したい」と次戦への決意を語るアンドレ・クート選手。
「今回は、予選はよかったのですが、決勝ではペースを上げられない状態でした。次の富士はボクにとってもホームコースですし、ダンロップとも相性がいいので、いい勝負ができると思うので、表彰台目指して頑張ります。期待してください」と平手晃平選手。

レース序盤は、ダンロップ勢の2台が好バトルを展開し、次につながる一戦となった

 開幕戦に続くダブル入賞は逃したが、公式練習から決勝レースまで、それぞれの場面でダンロップ勢のパフォーマンスが光ったレースウィークとなった。
 第3戦(5月1~2日)の舞台となる富士スピードウェイは、全長4563km、約1.5kmの長いメインストレートを持ち、前半は高速セクション、後半はテクニカルセクションが続く。富士スピードウェイは、ダンロップには実績のあるコースであり、ドライバーも得意とするコースでもある。2回のピットインとドライバー交代が義務となる今季初の400kmレース。
 これまで2戦を終えて、着実な進化の手応えをつかんでいるダンロップ勢たげに、今季初表彰台の期待大となる見逃せない一戦だ。





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ニュルブルクリンク2014