第1戦 5月21日(土)〜5月22日(日) 岡山国際サーキット
予選13位から果敢に攻めたEpson HSV-010
アクシデントで後退するも手応えを感じる10位入賞!

好バトルを展開したEpson HSV-010

 5月21日〜5月22日、2011年スーパーGTシリーズ第1戦「OKAYAMA GT 250km RACE」が開催された。岡山大会は、スーパーGTシリーズの開幕戦として4月2〜3日に開催される予定だったが、東日本大震災の影響を考慮して延期された。すでに第2戦「FUJI GT 400km RACE」が、今季初のスーパーGTレースとして4月30日〜5月1日に行われているが、岡山の大会名は、当初のシリーズ日程の順番と同じで変更はなく、第1戦となっている。
 開幕前の公式テストが中止になったため、前回の富士大会と同様に、09年からコスト削減のために廃止された金曜日の練習走行が復活し、20日に2回の習熟走行が行われた。舞台となる岡山国際サーキットは、2本のストレートと中低速コーナーが組み合わされたテクニカルコース。マシン、タイヤ、路面のマッチング次第で、波乱の展開となることも多い。
 GT500クラスは、ダンロップユーザーとして7年目を迎える「NAKAJIMA RACING」が、デビュー2年目となるホンダのHSV-010 GT、「Epson HSV-010」で頂点を目指す。
GT300クラスは、昨年からダンロップユーザーとなった「JIMGAINER」(ジェイアイエムゲイナー)が、FIA GT仕様のニューマシン、フェラーリF458 GTCを新投入。ハイポテンシャルが期待される「JIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458」でチャンピオンを狙う。
 今回、ドライ用はソフト、ミディアムの2種類。ウエット用は浅溝、深溝の2種類、それぞれにソフトとミディアムを用意。ドライとなった予選では、GT500とGT300は、ともにソフトをチョイスして臨んだ。

Epson HSV-010はタイムが伸びずQ2進出を逃す

【GT500】
「NAKAJIMA RACING」は、チーム加入2年目のベテラン道上 龍選手と、3年目となる中山友貴選手の実力派ペアで、今季2戦目となる岡山国際サーキットでのレースウィークを迎えた。HSV-010 GTは、昨年、デビューイヤーながらチャンピオンに輝いたマシン。今季はラジエターの位置をフロントから前輪の後方に移し、旋回性能を進化させている。
 テクニカルな岡山国際サーキットは、HSV-010 GTが得意とするコースであり、昨年はHSV-010 GTが勝利を飾った。金曜日の習熟走行ではEpson HSV-010は10番手、土曜日の公式練習では、中山友貴選手が5番手のタイムをマークするなど、順調な仕上がりを見せた。
 今回の予選は、ノックアウト方式で実施され、GT500では、Q1はトップ11台がQ2へ進出、Q2ではトップ7台がQ3への進出が許されて、決勝グリッドが決定される。中山友貴選手がQ1のタイムアタックを担当したが、タイムが伸びずにQ2への進出を逃し、13番手のグリットから決勝レースを戦うことになった。
「アタックは順調だったのですが、コンディションの変化もあって、わずかに届きませんでした。クルマのセッティングで攻めて、ドライビングでも攻めているのですが、予選での一発のタイムが出ない状況を解消できるように頑張ります」と中山友貴選手はコメント。

左から中山友貴選手と道上 龍選手

 決勝当日、朝から強く降り続いた雨の影響で、コースコンディションが悪化したために、午前8時30分からのフリー走行はキャンセル。その後、順調に天候は回復し、ドライコンディションで決勝レースを迎えることになった。
 1周のローリングラップの後、午後2時4分にレースはスタート。Epson HSV-010は、道上 龍選手がスタートドライバーを担当。序盤から攻めの走りで、1周目に11番手、2周目に10番手、20周目には8番手と着実にポジションアップ。34周目にピットインして、タイヤ無交換で中山友貴選手に交代。だがアウトラップの後続車とのバトルで、バックストレートエンドのヘアピンで並ぶ形となり接触。Epson HSV-010は、リヤホイールにダメージを受けて再びピットイン、タイヤを交換して大きくタイムロス。
 クラス最後尾となる15番手まで後退した中山友貴選手だが、果敢に攻めてポジションアップ。10位まで挽回してチェッカーを受けて、1ポイントを獲得した。

決勝ではタイヤ無交換でピットアウトしたが、接触でホイールにダメージを受けて再びピットイン

「予選は少しの差で負けました。レースではピットでのタイムロスとアウトラップでの接触でホイールが割れてしまい、残念な結果になりました。でも、いいペースで走ることができたので、希望の持てる状況にあることは確かだと思っています」と中嶋 悟総監督。
「まだ予選のパフォーマンスに課題があります。追い上げて魅せるレースが出来ました。最終的に無交換で行けるという判断をチームに伝えて、無交換で行ったのですが、ドライバー交代のミスやアウトラップの接触で、その作戦はアウトになりました。もっとスターティンググリッドを前にすることが重要ですね。タイヤは確実に進化しています。タイヤの温まりは良好で、序盤から思い切って抜けました。次のセパンは特殊な路面ですが、予選で少しでも前へ行って、いい成績を残したいです」と道上 龍選手は語る。
「アウトラップのストレートエンドのヘアピンで、後続車と並ぶ形になり、イン側で順位をキープしようとしたのですが、立ち上がりでリヤタイヤに後続車が当たってしまい、ホイールが割れてエアが抜けてしまいました。次戦のセパンは、去年はクルマのトラブルで決勝を走れなかったのですが、今年は予選で前へ行ければ、決勝ではいいペースで走れると思うので、何とかして挽回したいです」と中山友貴選手はレースを振り返った。

セパンでのEpson HSV-010の活躍に注目

 今回の岡山国際サーキットでは、前半に好パフォーマンスを発揮したが、アクシデントで、惜しくも上位入賞を逃してしまった。だが決勝での着実な手応えを得た一戦となった。第3戦(6月18〜19日)は、シリーズ唯一の海外戦となるマレーシア・セパンサーキット。ストレートと中高速コーナーが組み合わされたテクニカルコース。赤道に近く、高温多湿な気候で、ドライバー、マシン、タイヤにとって過酷なレースとなる。路面コンディションとタイヤのマッチング次第で、ドラマチックなレース展開となることも多い。ダンロップユーザーとして戦うEpson HSV-010のさらなる飛躍に期待したい。





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