DUNLOP MOTORSPORT
チーム紹介
特別戦 11月23日(土)~24日(日) 富士スピードウェイ(静岡県)
JAF Grand Prix SUPER GT & SUPER FORMULA
FUJI SPRINT CUP 2013(富士スプリントカップ)

Epson HSV-010、2レースともに好走し、
今シーズンのラストランを締めくくった

予選中のEpson HSV-010

 2013年スーパーGTシリーズは、すでに最終戦もてぎGT250kmレース(11月2~3日)で終了した。シリーズ戦外の特別戦として、シーズンの最後を飾るレースが、「JAF Grand Prix SUPER GT & SUPER FORMULA FUJI SPRINT CUP」。今年で4年目を迎えるが、富士スピードウェイを舞台に、スーパーGTとスーパーフォーミュラが同日開催されるという形式のイベントは、今回で一区切りとなる。
「富士スプリントカップ」のスーパーGTは、土曜と日曜に、それぞれ100km(22周)のレースが1回ずつ行われる。それぞれのレースを各ドライバーが交代しないで走り切るスプリントレース。通常のローリングスタートではなくグリッドに静止した状態からスタートするスタンディングスタートで争われる。さらにGT500クラスとGT300クラスは、独立した別レースとして争われるので、計4回のレースが行われる。土曜の第1レースと日曜の第2レースの総合成績によって、総合優勝が決まり、JAFグランプリのタイトルが贈られる。
 富士スピードウェイは、全長4563m、約1.5kmの長いメインストレートがあり、コース前半は高速セクション、そして後半はテクニカルセクションが続いている。
 ダンロップは、GT500クラスは1チーム1台、GT300クラスは1チーム2台のマシンにタイヤを供給。GT500クラスは、ダンロップユーザーとして9年目となる「NAKAJIMA RACING」が、Honda HSV-010 GTの「Epson HSV-010」で参戦。09年に実施されたGT500の新しい車両規定は今シーズン限りなので、2010年にデビューしたHSV-010 GTのレースが見られるのは、今回の富士スプリントカップが最後となる。
 GT300クラスは、ダンロップユーザーとして4年目の「GAINER」(ゲイナー)が参戦。今季は「Audi R8 LMS Ultra」から、FIA GT3仕様の最新モデルの「Mercedes-Benz SLS AMG GT3」にマシンを変更。さらに1カーから2カー体制となり、悲願のタイトル獲得を目指し、最終戦までタイトルを争ったが、惜しくもランキング2位に終わっている。
 今回、ダンロップが用意したタイヤは、GT500クラス、GT300クラスともに、ドライ用はソフトとベリーソフト。シリーズ戦のように、予選で使ったタイヤを決勝のスタートで履く必要はないため、予選用のよりソフトなタイヤを投入した。ウエット用は浅溝と深溝ともにソフトとミディアム。予選はGT500とGT300ともにドライ用のベリーソフトで臨んだ。

予選15位のEpson HSV-010

【GT500】
 今季の「NAKAJIMA RACING」は、チーム加入4年目の道上 龍選手と、中嶋 悟総監督の息子である中嶋大祐選手が新参戦。昨年はGT300クラスで戦い、今季はGT500に初挑戦する中嶋大祐選手は、スーパーフォーミュラでも「NAKAJIMA RACING」から参戦しているため、今回はスーパーフォーミュラと合わせて、1人で2レースを戦う。
「NAKAJIMA RACING」は、昨年の第2戦富士でポールポジション獲得し、第7戦オートポリスでは2位、最終戦(第8戦)もてぎでは3位とウエット絡みの難しいコンディションでは、高いパフォーマンスを発揮し、ウエットで強さを発揮。今年の開幕戦岡山では、ウエットの予選で2番手につけた。さらに第4戦SUGOでは8位入賞を果たして今季初ポイントを獲得。続く第5戦鈴鹿1000kmは13位、第6戦富士ではリタイア、第7戦オートポリスは10位入賞。そして最終戦ツインリンクもてぎでは11位でチェッカーとなった。
 今年は、昨年までの3日間開催から、土曜、日曜の2日間開催となったので、予選前の公式練習は行われず、早朝の予選からスタートするというタイトなスケジュールとなった。土曜の第1レースの予選は、GT300クラスに引き続いて午前8時25分から20分間、第2レースは、午前9時10分から20分間のタイムアタックというスケジュールとなる。
 予選日の土曜は快晴となり、ドライコンディションで争われた。気温9℃、路面温度9℃でスタートした第1レースの予選。中嶋大祐選手がタイムアタックを行ったが、タイヤと路面のマッチングが悪く、タイムが伸び悩み、15台中15番手で予選を終えた。
 第2レースの予選は、マシンの回収のために開始が遅れて、午前9時13分にスタート。道上 龍選手もタイムアタックをしたが、予選用に投入したタイヤが、思うように路面とマッチングせず、第1レースと同様に15番手のポジションで予選を終えることになった。

第1レースは12位のEpson HSV-010

【第1レース】
 GT500第1レースは、1周のフォーメーションラップの後、マシンは再度スターティンググリッドに静止。午後3時38分に22周の決勝レースがスタート。
 中嶋大祐選手は、スタートでは出遅れてしまうがレースペースは好調で、1周目に14番手、2周目には13番手とポジションアップ。12周目には11番手まで浮上と好バトルを展開。だが18周目にピットインしてリヤタイヤを交換したために、それ以上の追い上げはならず。13台完走中の12位でチェッカーを受けた。
「途中まではよかったのですが、レース終盤にタイヤ交換をしなければならなかったのが残念でした。今季を振り返ると、耐久性はもちろんですが、予選での一発のグリップをより高めたタイヤを開発して、もっと予選で前に行けるようにする必要があります。一生懸命に開発を続けてはいますが、ライバル勢も進化しているので、なかなか自分たちのポジションが上がらなかったというのが正直なところです。来年に向けては、それをしっかりと受け止めて、いいポジションで戦えるように頑張りたいです」と中嶋大祐選手は語った。

オールグリッドウォークの道上 龍選手

【第2レース】
 日曜に行われたGT500クラスの第2レースは、1周のフォーメーションラップの後、午後3時38分にスタート。道上 龍選手は、1コーナーに19号車SC430と並びながら進入して、14番手争いを展開し、立ち上がりでは一旦15番手となるが、1周目には14番手に浮上。その後もバトルを展開しながら上位を目指した。16周目には13番手、ラストラップには12番手まで浮上してチェッカーを受けた。

8号車HSV-010とバトルをするEpson HSV-010

「昨日の第1レースではタイヤが厳しかったので、今日はタイヤの種類を変えて、セッティングも変更し、タイヤをいたわるような走りをしました。この4年間、HSV-010でやってきました。雨では良かったですが、ドライではなかなかタイムが伸びないことも多く、タイヤの開発の難しさを実感しています。来年用のマシンは、ミッドシップになってタイヤサイズも変わります。来年は私が乗るのかは、まだわかりませんが、少しでもタイヤがよくなるように頑張りたいです」と道上 龍選手は語った。


恒例のレジェンドカップに参戦した中嶋 悟総監督

「今季は予選のタイムを思うように上げられなかったために、トップ争いに加われませんでした。レース中のタイムは、いいところには近づいてはいるのですが、まだまだです。それが来年への課題です。厳しい一年になりましたが、来季に向けて、心機一転、全力で頑張ります。応援、ありがとうございます」と中嶋 悟総監督は来季への決意を語った。
 これで今季のスーパーGTはフィナーレを迎えた。ウエットでは速さを見せたが、厳しいレースが続き、最高位は8位という結果となった。来季は、マシンとエンジンも一新される。FRベースの共通モノコックをベースにミッドシップ化されたNSXコンセプト-GT。
 エンジンは、スーパーフォーミュラと共通となる新開発の2リッター直4直噴ターボを採用。さらにNSXは後輪のドライブシャフトをアシストするハイブリッドシステムも搭載される。スーパーGTは、ハードが大きく変更され、新たな戦いがスタートする。
 来季に向けた、NAKAJIMA RACINGとダンロップのさらなる進化に期待したい。





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