第8戦 10月27日(土)~10月28日(日) ツインリンクもてぎ(栃木県)
予選5位のGAINER DIXCEL R8 LMS
速さを見せるもアクシデントで13位
13位に終わったGAINER DIXCEL R8 LMS
今季は、フェラーリF458 GTCのFIA GT耐久仕様(LM-GTE)に替わってAudi R8のFIA GT3の最新仕様であるAudi R8 LMS Ultraで参戦する「GAINER」(ゲイナー)。
開幕戦岡山では見事なマシンのデビューウインを飾った。シリーズ第2戦となったゴールデンウィークの富士ではポールポジションを奪ったが、第2戦からの性能調整でパワーが絞られて、ストレートスピードが伸びずに、レースでは苦戦が続いていた。それでも第6戦までは連続入賞を果たしていたが、第7戦でノーポイント。タイトル獲得の可能性も消えた。最終戦では、もてぎの公式テストでのデータをベースに公式練習に臨んだ。
GAINER DIXCEL R8 LMSは予選5位を獲得
ドライとなった土曜朝の公式練習では、田中哲也選手が20周、平中克幸選手が18周をタイム計測。平中克幸選手が6番手のベストタイムをマークして、予選へ向けての手応えを感じさせた。今回はドライでも、今季ベストに近い順調な仕上がりを見せているGAINER DIXCEL R8 LMS。
午後からの予選は、前回と同様にノックアウト方式が採用された。
Q1、田中哲也選手がQ2をそれぞれ突破して、平中克幸選手がQ3のタイムアタック役となり、1分50秒065のベストタイムをマークして予選5位につけた。
GAINER DIXCEL R8 LMSは前半は苦戦した
日曜日は、午後の決勝レースは雨の予想だったが、午前9時30分からのフリー走行は、ほぼドライコンディションで行われた。結局、雨が降って、決勝用のウエットタイヤを試せたのは、レース直前の8分間のフリー走行のみとなった。ここでは決勝に向けての十分なデータを得られないまま、決勝用のレインタイヤをチョイスした。
53周の決勝レースは、午後2時にセーフティカー先導によるSCスタートとなった。2周のセーフティカーランで、グリーンシグナルとなり、バトルの開始となった。コースアウトするマシンはあったものの、大きな混乱もなく、レースは進行した。
スタートドライバーとなった田中哲也選手は、予選順位をキープしたまま周回を重ねたが、10周目には6番手に後退。装着したレインタイヤがコンディションに合わず、苦しい戦いとなっていた。14周目には130Rでスピンのためにグラベルにはまりタイムロス。最後尾までダウンしてレースに復帰し、16周目にはピットインして平中克幸選手にチェンジ。
違う種類のレインタイヤでピットアウトしていった平中選手は順調にペースアップしていった。だが、コース復帰までのタイムロスが響き、2周遅れの13位でフィニッシュ。
後半は好走したGAINER DIXCEL R8 LMS
「前回、チャンピオンの可能性がなくなってしまったので、今回は最終戦で攻めるレースをしようと、とにかく上位を狙った方向でレースに臨みました。ポルシェには届かないですが、今シーズンの中では、タイヤもクルマのバランスがよかったので、ドライなら、そこそこ行けるかなという状態でした。ただ田中選手が最初に装着したレインタイヤがコンディションにマッチしませんでした。厳しい状態で田中選手もがんばってくれたのですが、上位のポルシェにはついて行けませんでした。スタートのタイヤ選択ミスでしたね。次はエンジンパワー的に厳しい富士なので、とにかくブレーキングとコーナーで頑張っていくしかないですね。クルマのセットを含めてもう一回見直して、何とか上位に食い込めるように頑張っていきたいです」小笠原康介エンジニアは決意を語った。
「ドライに関してはタイヤのフィーリングがよかったです。開幕戦以来、ドライでQ3まで残れました。決勝では、最初はいい感じで走れていたのでずが、途中から厳しい状態になりました。何とかがんばっていたのですが、スピンしてしまい、申し訳なかったですね。アンダーステアが強くなっていて、130Rを出てから急にリヤがスライドし出して、もうコントロールできませんでした。第2戦以降は、性能調整が効いてしまい、厳しい戦いになりました。コーナー的にはいいなと思える所はあったのですが、コース全体でのタイムを出すことはできませんでした。ドライでは勝てそうなチャンスはなかったので、辛かったですね。まだJAF GPがあるのでがんばって戦いたいですね」と田中哲也選手。
「ドライだった公式テストでの感触がよかったので、今回の予選では、そこそこ行けるという手応えがありました。ポルシェやランボルギーニが速いので、そこには届きませんでしたが、5番手と予想どおりの予選でした。ダンロップは、レインタイヤでは、いいイメージがあるのですが、前回のオートポリスでは周りの方が速かったです。今回ボクのスティントでは、選択したタイヤがマッチして、いいレースができました。タイヤのフィーリングがよかっただけに、このような結果になってしまったのは残念。今シーズンは、開幕戦以降は厳しいレースになってしまい、開幕戦での勝利が遠い出来事に感じますが、1勝できたので、いいシーズンといえるでしょう。チャンピオンを獲れる手応えのあったレースもあっただけに、その足りないところが埋められるように頑張ります」と平中克幸選手。
田中哲也選手と小笠原康介エンジニア
今季のGAINER DIXCEL R8 LMSは、開幕戦で優勝を飾り、着実にポイントを積み重ね、第7戦まではタイトル獲得の可能性を残したが、第7戦、第8戦とノーポイントに終わり、ドライバーズランキング7位、チームランキング6位という結果でシーズンを終えた。今回は、レース中の速さは十分に発揮していただけに、惜しまれる一戦となった。
次はノンタイトル戦となるJAF GP FUJI SPRINT CUP(11 月16~18日)は、ノーウエイトハンデ、ピット作業がない100kmのスプリントレース。いつもとは違ったGTバトルが楽しめるレースだ。GAINER DIXCEL R8 LMSとダンロップの今季のファイナルバトルでの活躍に期待したい。